炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
18節 禁忌
「今のお話を伺うと、一つだけある可能性に行き着いてしまったのですが……良いですか? ズィミア」
アルゴライムは残った匙にすがる思いで一つの質問を思い浮かべた。
「どうぞ。アルゴさん、どうせアノニムに僕が手を貸している理由ですよね、答えますよ」
なぜわかったのか。そんなことアルゴライムには全くといっていいほど興味がなかった。そんなことよりも、今はこの質問の答えの方が圧倒的に大切なのだ。この答えによっては、アルゴライムは神を殺すという役目を果たさないだろう。
「アノニムは管理者としての仕事をほとんど勤めることができないようになっています。なので、アノニムの計画は完遂できないはずなんですよ。だから僕はヒトミに神をやめさせることを計画に入れるという条件で手伝ったんですよ。初めて期待通りの行動をしてくれて僕はうれしい限りです」
ズィミアのその言葉を聞き、アルゴライムはもう一つ、新たな可能性を見つけた。その可能性が正しいのであれば、アルゴライムはアノニムとヒトミに強く同情する。そう思える可能性だ。これをズィミアに聞く他はなかった。
「ズィミア。あなた、何も消されてませんよね。または、消されたけれど消えなかったか……。どちらにせよ、今は感情もあり、より鮮明に理解できているはずですよ。なぜあなたがヒトミのことを親友と思っているかなどです。そして、もう一つ聞かせてください。とても重要なことです」
「どうぞ」
ズィミアは微笑んでいた。恐らく、何を聞かれるかなどわかりきっているのだろう。それでも先に答えはせずにその問いを聞こうとする。やはり、効率を気にする管理者よりもも生命体に近い。アルゴライムは確信を持った。
「アノニムはあなたが作りましたよね?」
作ったとは、生み出したと同意語。アルゴライムは、どういう風にしたかは知らないし興味もなかったが、目的ははっきりと理解していた。
「ご名答です。彼女は僕の自信作ですよ。まあ、唯一まともに動いたっていうだけなのですがね。さすがに僕でも神の権力がないので新たに命を作るのは大変でしたよ」
ズィミアは、とても軽く言っていた。しかし、アルゴライムは図書室にあった本で読んでいたのだ。少なくとも生命体が新しい生命を故意的に生み出すことは禁忌。管理者だからとそれが簡単に許されるとも思えなかった。とても簡単に言って済むような内容ではなかった。
当然のことのように、アルゴライムの中で芽生えた怒りが膨らんだ。そして、その怒りを腹の中に収めながら少しだけ、文句を言ってやることにした。
アルゴライムは残った匙にすがる思いで一つの質問を思い浮かべた。
「どうぞ。アルゴさん、どうせアノニムに僕が手を貸している理由ですよね、答えますよ」
なぜわかったのか。そんなことアルゴライムには全くといっていいほど興味がなかった。そんなことよりも、今はこの質問の答えの方が圧倒的に大切なのだ。この答えによっては、アルゴライムは神を殺すという役目を果たさないだろう。
「アノニムは管理者としての仕事をほとんど勤めることができないようになっています。なので、アノニムの計画は完遂できないはずなんですよ。だから僕はヒトミに神をやめさせることを計画に入れるという条件で手伝ったんですよ。初めて期待通りの行動をしてくれて僕はうれしい限りです」
ズィミアのその言葉を聞き、アルゴライムはもう一つ、新たな可能性を見つけた。その可能性が正しいのであれば、アルゴライムはアノニムとヒトミに強く同情する。そう思える可能性だ。これをズィミアに聞く他はなかった。
「ズィミア。あなた、何も消されてませんよね。または、消されたけれど消えなかったか……。どちらにせよ、今は感情もあり、より鮮明に理解できているはずですよ。なぜあなたがヒトミのことを親友と思っているかなどです。そして、もう一つ聞かせてください。とても重要なことです」
「どうぞ」
ズィミアは微笑んでいた。恐らく、何を聞かれるかなどわかりきっているのだろう。それでも先に答えはせずにその問いを聞こうとする。やはり、効率を気にする管理者よりもも生命体に近い。アルゴライムは確信を持った。
「アノニムはあなたが作りましたよね?」
作ったとは、生み出したと同意語。アルゴライムは、どういう風にしたかは知らないし興味もなかったが、目的ははっきりと理解していた。
「ご名答です。彼女は僕の自信作ですよ。まあ、唯一まともに動いたっていうだけなのですがね。さすがに僕でも神の権力がないので新たに命を作るのは大変でしたよ」
ズィミアは、とても軽く言っていた。しかし、アルゴライムは図書室にあった本で読んでいたのだ。少なくとも生命体が新しい生命を故意的に生み出すことは禁忌。管理者だからとそれが簡単に許されるとも思えなかった。とても簡単に言って済むような内容ではなかった。
当然のことのように、アルゴライムの中で芽生えた怒りが膨らんだ。そして、その怒りを腹の中に収めながら少しだけ、文句を言ってやることにした。
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