炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
2節 ヒトミ
「私に、これからどうしろと言うつもりですか? なんの考えもなしにここに連れてきたわけではありませんよね? 」
アルゴライムは、アノニムの少し高くなった目を見て問いた。
「もちろんだ。しかし、少し待っていてくれないか? 神が異変に気づいたようでここまで来ている」
アノニムは、少し笑って予想外の言葉で返した。そして、果てしなく続きそうなへと、アルゴライムに背を向けて歩き出した。だいたい十メートルほど離れたところで、アノニムは何かを捕まえて戻ってきた。
「あの、それはなんですか? 」
アノニムが捕まえてきたのは何かであり、アルゴライムにはその存在が見えていなかった。常人には見えるはすがない。空間の歪みもなく、本当に透明で、アノニムの力強く握っている手がなければ、何もないようにしか見えないのだ。
「ああ、アルゴライムには見えないか。ほら、出てきてよ」
だんだんと、それの透過度は下がってきていた。始めはぼんやりと。少しずつハッキリとその者の姿が見えてきた。
「紹介するよ、アルゴライム。彼女はヒトミ。二代目神にして、私たちと同じ元エラーだ」
「アノニム、口の聞き方に気を付けて。消すわよ」
「私よりも力が無いくせによく言えるね。あと、ズィミアがいることもわかっているんだ。出てきたらどうだ」
アノニムと神、ヒトミは、仲が悪いはずだ。なのに、まるで仲の良い古くからの友人同士のように口喧嘩をしていた。そして、アノニムがズィミアに呼び掛けると、さっきヒトミが出てきたのと同じようにゆっくりと姿を現した。
「……能力高すぎじゃないですか。まあ、私は仕事があるのでシツレイイタシマス」
見つかったことが気まずかったのか、最後にどこかで聞いたことのある機械音を発してすぐにズィミアは空間の霞に身を溶かすように何処かへ消えていった。
「ヒトミ、ズィミアと仲直りしたのかい? ズィミアはまたあんたと一緒に管理者がしたいみたいだけど」
「……彼には色々隠してますから。それに、お客様が来ているのに私たちだけで話しているのは、些か失礼かと思うのですが」
アルゴライムが二人の会話をじっと見ながら退屈をしていると、ヒトミが適切な指摘をしてくれた。アノニムは、忘れていたようで、目を反らしながらアルゴライムの方を振り返った。
「悪いね、ヒトミが結構厄介なことをズィミアにしていてね。まあ、紹介はしたよな、ヒトミはエラーであり、元生命体でもあるってところまでは話したはずだ」
「話していませんよ。元生命体だなんて、一言も」
アノニムは、口を滑らせたとでも言うように顔を歪ませた。さっきまで、地上にいたときに比べて人間らしい表情だった。そして、ヒトミは、その表情を見ていないかのように返した。
「少なくとも私は聞いていないわ。それと、貴女の仕事が終わったらでいいんだけど、話があるわ」
アノニムもアルゴライムも、全く状況を理解しようとはしないヒトミをなんとも言えない目で見ていた。自分の話なのにも関わらず、全く聞かずに見ていないと言うことが明らかだったからだ。
「ヒトミ、生命体が嫌いだと言うことはわかったから少しは話を聞いてくれないか? そうでないと、初代神をいつまでもあの場所に放置することになる」
アノニムの言ったことは、アルゴライムには全くなんだかわからなかったが、ヒトミにはよくわかっているようだった。仕方ないとでも言うように、ヒトミは、自分のことを話始めた。
書けないと言ったな。あれはうそだ!
って言うのも嘘で、本当は書けそうなら書く、でした!
未硝詩 うい
アルゴライムは、アノニムの少し高くなった目を見て問いた。
「もちろんだ。しかし、少し待っていてくれないか? 神が異変に気づいたようでここまで来ている」
アノニムは、少し笑って予想外の言葉で返した。そして、果てしなく続きそうなへと、アルゴライムに背を向けて歩き出した。だいたい十メートルほど離れたところで、アノニムは何かを捕まえて戻ってきた。
「あの、それはなんですか? 」
アノニムが捕まえてきたのは何かであり、アルゴライムにはその存在が見えていなかった。常人には見えるはすがない。空間の歪みもなく、本当に透明で、アノニムの力強く握っている手がなければ、何もないようにしか見えないのだ。
「ああ、アルゴライムには見えないか。ほら、出てきてよ」
だんだんと、それの透過度は下がってきていた。始めはぼんやりと。少しずつハッキリとその者の姿が見えてきた。
「紹介するよ、アルゴライム。彼女はヒトミ。二代目神にして、私たちと同じ元エラーだ」
「アノニム、口の聞き方に気を付けて。消すわよ」
「私よりも力が無いくせによく言えるね。あと、ズィミアがいることもわかっているんだ。出てきたらどうだ」
アノニムと神、ヒトミは、仲が悪いはずだ。なのに、まるで仲の良い古くからの友人同士のように口喧嘩をしていた。そして、アノニムがズィミアに呼び掛けると、さっきヒトミが出てきたのと同じようにゆっくりと姿を現した。
「……能力高すぎじゃないですか。まあ、私は仕事があるのでシツレイイタシマス」
見つかったことが気まずかったのか、最後にどこかで聞いたことのある機械音を発してすぐにズィミアは空間の霞に身を溶かすように何処かへ消えていった。
「ヒトミ、ズィミアと仲直りしたのかい? ズィミアはまたあんたと一緒に管理者がしたいみたいだけど」
「……彼には色々隠してますから。それに、お客様が来ているのに私たちだけで話しているのは、些か失礼かと思うのですが」
アルゴライムが二人の会話をじっと見ながら退屈をしていると、ヒトミが適切な指摘をしてくれた。アノニムは、忘れていたようで、目を反らしながらアルゴライムの方を振り返った。
「悪いね、ヒトミが結構厄介なことをズィミアにしていてね。まあ、紹介はしたよな、ヒトミはエラーであり、元生命体でもあるってところまでは話したはずだ」
「話していませんよ。元生命体だなんて、一言も」
アノニムは、口を滑らせたとでも言うように顔を歪ませた。さっきまで、地上にいたときに比べて人間らしい表情だった。そして、ヒトミは、その表情を見ていないかのように返した。
「少なくとも私は聞いていないわ。それと、貴女の仕事が終わったらでいいんだけど、話があるわ」
アノニムもアルゴライムも、全く状況を理解しようとはしないヒトミをなんとも言えない目で見ていた。自分の話なのにも関わらず、全く聞かずに見ていないと言うことが明らかだったからだ。
「ヒトミ、生命体が嫌いだと言うことはわかったから少しは話を聞いてくれないか? そうでないと、初代神をいつまでもあの場所に放置することになる」
アノニムの言ったことは、アルゴライムには全くなんだかわからなかったが、ヒトミにはよくわかっているようだった。仕方ないとでも言うように、ヒトミは、自分のことを話始めた。
書けないと言ったな。あれはうそだ!
って言うのも嘘で、本当は書けそうなら書く、でした!
未硝詩 うい
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