炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
35節 質問
「……何故生きてるのよ。あのとき死んでいたじゃないの」
ストレートなメイリスの言葉が聞こえた。その顔は、怒りと謎に染められ、アルゴライムのことを睨み付けていた。
「前に会ったときに気づいていたと思いましたよ。……変わりましたね、メイリス」
「変わったのは貴女でしょう。昔は敬語なんて使っていなかったのだから。ところで……ご用件は何かしら? 何も用がないのにこんなところまで来ないでしょう? ヨルカ」
周りの狼たちに気がついたメイリスは、笑顔を浮かべ、話し方を変えた。アルゴライムは、哀れむような目でメイリスを無言で見つめていた。
「……何か言いたいのであれば言ったらどうなの? まあ、それを私が聞くかどうかはわからないことだけれどね」
メイリスが少し焦ったようにアルゴライムに言っても、アルゴライムはずっと黙ったまま、同じ表情でメイリスを見つめていた。
「な、何よ。何も用がないのならば帰ってちょうだい」
「はぁ……」
アルゴライムは、メイリスのことを見たまま大きくため息をついた。そして、少し早口に言った。
「変わりましたよね、メイリス。今の貴女からは昔のような純粋な恨みが全く感じ取れません。せめて恨みが感じ取れたらヨルカとしてお話があったのですが、今の貴女に話してもなんの意味もないです。もう既に、吸血鬼に対する恨みなんかなくなり、意味なく吸血鬼を排除してますよね? それは、貴女が昔吸血鬼を恨んでいた理由と何が違うのですか? 違いませんよ。……ところで、私が二度も同じ手にかかると思っていたのですか? ヒナ」
アルゴライムは後ろを振り向いた。そこには、人間であるはずのヒナがすぐ後ろに立っていた。
「なっ……」
「恐らくヒナも吸血鬼との混血でしょう。だいぶ薄くなってはいますが、寿命だけは吸血鬼並みなのですね、珍しいですよ」
アルゴライムは、ヒナの腕を掴んでそう言った。そして、掴んだままのヒナを、メイリスに向けて投げつけた。
「あ、そうだ。答えはもうわかってるんですけどいくつか聞いても良いですか? 嘘をつくことは認めません」
アルゴライムは、わざとらしい笑顔を浮かべて二人に向けてそう言った。
「な、何よ……。話があるのなら早く言ってほしいわね」
「貴女じゃないです。私はヒナに言っているのですよ。もう、メイリスに用はないのですが、一応この話を聞いてから私の屋敷に行ってください」
そう言い終えると、アルゴライムはヒナの方を向いて問いた。
「嘘をついたらこの墓地含めてこの一帯を焼け野原にします。いいですね? 」
その言葉は、笑顔での脅迫だった。実現可能な範囲で一番メイリスとヒナが困りそうなこと、それがこれだったのだ。
「良いですよ。何ですか」
困った顔をしながらヒナは答えた。メイリスのことを気にしてはいるようだったが、嘘はつけない。そんなことに板挟みになっているのだ。
「じゃあ一つ目の質問です。貴女は今、吸血鬼に恨みを持っていますか? 」
冷たい目でヒナを見つめながら、アルゴライムは言った。メイリスに聞いた以上、ヒナに聞かないわけにはいかなかったのだ。
「……いいえ」
アルゴライムは、ヒナのその答えに笑顔で返した。それは、嘘ではない、本当のことだとアルゴライムがわかっていたからだ。
「嘘をつかないでくれてありがとうございます。では、もう一つ質問良いですか? 」
ストレートなメイリスの言葉が聞こえた。その顔は、怒りと謎に染められ、アルゴライムのことを睨み付けていた。
「前に会ったときに気づいていたと思いましたよ。……変わりましたね、メイリス」
「変わったのは貴女でしょう。昔は敬語なんて使っていなかったのだから。ところで……ご用件は何かしら? 何も用がないのにこんなところまで来ないでしょう? ヨルカ」
周りの狼たちに気がついたメイリスは、笑顔を浮かべ、話し方を変えた。アルゴライムは、哀れむような目でメイリスを無言で見つめていた。
「……何か言いたいのであれば言ったらどうなの? まあ、それを私が聞くかどうかはわからないことだけれどね」
メイリスが少し焦ったようにアルゴライムに言っても、アルゴライムはずっと黙ったまま、同じ表情でメイリスを見つめていた。
「な、何よ。何も用がないのならば帰ってちょうだい」
「はぁ……」
アルゴライムは、メイリスのことを見たまま大きくため息をついた。そして、少し早口に言った。
「変わりましたよね、メイリス。今の貴女からは昔のような純粋な恨みが全く感じ取れません。せめて恨みが感じ取れたらヨルカとしてお話があったのですが、今の貴女に話してもなんの意味もないです。もう既に、吸血鬼に対する恨みなんかなくなり、意味なく吸血鬼を排除してますよね? それは、貴女が昔吸血鬼を恨んでいた理由と何が違うのですか? 違いませんよ。……ところで、私が二度も同じ手にかかると思っていたのですか? ヒナ」
アルゴライムは後ろを振り向いた。そこには、人間であるはずのヒナがすぐ後ろに立っていた。
「なっ……」
「恐らくヒナも吸血鬼との混血でしょう。だいぶ薄くなってはいますが、寿命だけは吸血鬼並みなのですね、珍しいですよ」
アルゴライムは、ヒナの腕を掴んでそう言った。そして、掴んだままのヒナを、メイリスに向けて投げつけた。
「あ、そうだ。答えはもうわかってるんですけどいくつか聞いても良いですか? 嘘をつくことは認めません」
アルゴライムは、わざとらしい笑顔を浮かべて二人に向けてそう言った。
「な、何よ……。話があるのなら早く言ってほしいわね」
「貴女じゃないです。私はヒナに言っているのですよ。もう、メイリスに用はないのですが、一応この話を聞いてから私の屋敷に行ってください」
そう言い終えると、アルゴライムはヒナの方を向いて問いた。
「嘘をついたらこの墓地含めてこの一帯を焼け野原にします。いいですね? 」
その言葉は、笑顔での脅迫だった。実現可能な範囲で一番メイリスとヒナが困りそうなこと、それがこれだったのだ。
「良いですよ。何ですか」
困った顔をしながらヒナは答えた。メイリスのことを気にしてはいるようだったが、嘘はつけない。そんなことに板挟みになっているのだ。
「じゃあ一つ目の質問です。貴女は今、吸血鬼に恨みを持っていますか? 」
冷たい目でヒナを見つめながら、アルゴライムは言った。メイリスに聞いた以上、ヒナに聞かないわけにはいかなかったのだ。
「……いいえ」
アルゴライムは、ヒナのその答えに笑顔で返した。それは、嘘ではない、本当のことだとアルゴライムがわかっていたからだ。
「嘘をつかないでくれてありがとうございます。では、もう一つ質問良いですか? 」
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