炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
3章 1節 不幸な事故 一話
「あれ? お姉ちゃん。こんな夜遅くに何してるんですか? もう二時ですよ」
「ああ、△*。明日ね、四日君のサッカーの試合があるからお弁当作ってるの。それと、敬語は禁止って言ったでしょ」
「ごめんなさい……。でも本当に麗菜お姉ちゃんは四日先輩のこと好きだね」
「当たり前じゃない! 私のことを好きだって言ってくれた、唯一の男の子なんだから」
そう言って麗菜はお弁当に入れるおにぎりを握り続けた。仕方ないな。そう思いながら妹も手を洗い、隣で麗菜が握り終えたおにぎりを握り直した。
「ちょっと、△*! 何するのよ……。せっかく私が愛を込めて握ってたのに」
「はぁ……」
妹はため息をつくと、握り直し終えたおにぎりを麗菜が握り終えたばかりのおにぎりの隣に置き、言った。
「いいですか、ここまでグチャグチャに握ってあると込められているのは愛ではなく呪いです。オーケードゥーユーアンダスタン? 」
「お、おーけー」
麗菜のその言葉を聞くと、妹は再び今にも崩れてしまいそうなほど不安定なおにぎりを手に持った。
「こうやってお米を持ったら、力を入れて三角形に握る。あのままじゃあ持って歩いただけで粉々に崩れてただのお米と化します。いいですね、お姉ちゃん」
「は、はい」
麗菜は妹に睨まれ、涙目になっていたが、少なくともさっきよりはましで妹に直されることがないほどのおにぎりは作れた。
「そういえば、四日先輩とどうして付き合ったんでしたっけ、お姉ちゃん」
「なになに? △*気になっちゃうの? そうよね、△*もそんな年頃だもんね~」
妹は何となく聞いただけだったのに煽られ、まともに作れたおにぎりを手に持って直しはじめた。
「違います。よくあんな榊兄弟の次男と付き合えたねってことです。おにぎり全部直しますよ? 」
「ごめんなさい……。そうだよね、△*は榊兄弟の三女と同級生だから気になるのね」
榊姉弟は、女、男、女、男、男、女、女の七人兄弟(内、長男と次女は双子)、超個性派揃いとして有名で、色んな意味で近寄りたくない存在としても名を馳せている。そんな兄弟の次男と麗菜が付き合っていることに妹は疑問を少しながら持っていたのだ。その中でも四日はサッカーをはじめ、ありとあらゆる球技を得意としている。
「まあ、それもあるけど。あの時って学年が二つも違うのにほぼ初対面で告白されたんでしょう? 私には謎で仕方がないので」
「あー、それはね、一日ちゃんと私って同じ部活に所属していたでしょう? それでよく話を聞いてたらしいのよ」
「それで、美化されまくって、良いところしか聞いていないから麗菜お姉ちゃんに惚れたって訳ですね」
麗菜は吹奏楽に長けている榊兄弟の長女、一日に負けず劣らずの吹奏楽の実力を持っていて、『フルートの一日、サックスの麗菜』と呼ばれるほどで榊兄弟と肩を並べていた。ただし、麗菜は勉強はできない人だった。だから妹は、良いところしかと言ったのだ。
「確かに私は勉強できないけどそこまで言わないでよ……。今は四日君だってそれがわかっても付き合ってくれてるんだから。それに今は私だって音大の二年生やってるのよ」
「……そういえば、明日の試合って、四日先輩の高校最後の試合ですよね、三年生ですし」
「ああ、△*。明日ね、四日君のサッカーの試合があるからお弁当作ってるの。それと、敬語は禁止って言ったでしょ」
「ごめんなさい……。でも本当に麗菜お姉ちゃんは四日先輩のこと好きだね」
「当たり前じゃない! 私のことを好きだって言ってくれた、唯一の男の子なんだから」
そう言って麗菜はお弁当に入れるおにぎりを握り続けた。仕方ないな。そう思いながら妹も手を洗い、隣で麗菜が握り終えたおにぎりを握り直した。
「ちょっと、△*! 何するのよ……。せっかく私が愛を込めて握ってたのに」
「はぁ……」
妹はため息をつくと、握り直し終えたおにぎりを麗菜が握り終えたばかりのおにぎりの隣に置き、言った。
「いいですか、ここまでグチャグチャに握ってあると込められているのは愛ではなく呪いです。オーケードゥーユーアンダスタン? 」
「お、おーけー」
麗菜のその言葉を聞くと、妹は再び今にも崩れてしまいそうなほど不安定なおにぎりを手に持った。
「こうやってお米を持ったら、力を入れて三角形に握る。あのままじゃあ持って歩いただけで粉々に崩れてただのお米と化します。いいですね、お姉ちゃん」
「は、はい」
麗菜は妹に睨まれ、涙目になっていたが、少なくともさっきよりはましで妹に直されることがないほどのおにぎりは作れた。
「そういえば、四日先輩とどうして付き合ったんでしたっけ、お姉ちゃん」
「なになに? △*気になっちゃうの? そうよね、△*もそんな年頃だもんね~」
妹は何となく聞いただけだったのに煽られ、まともに作れたおにぎりを手に持って直しはじめた。
「違います。よくあんな榊兄弟の次男と付き合えたねってことです。おにぎり全部直しますよ? 」
「ごめんなさい……。そうだよね、△*は榊兄弟の三女と同級生だから気になるのね」
榊姉弟は、女、男、女、男、男、女、女の七人兄弟(内、長男と次女は双子)、超個性派揃いとして有名で、色んな意味で近寄りたくない存在としても名を馳せている。そんな兄弟の次男と麗菜が付き合っていることに妹は疑問を少しながら持っていたのだ。その中でも四日はサッカーをはじめ、ありとあらゆる球技を得意としている。
「まあ、それもあるけど。あの時って学年が二つも違うのにほぼ初対面で告白されたんでしょう? 私には謎で仕方がないので」
「あー、それはね、一日ちゃんと私って同じ部活に所属していたでしょう? それでよく話を聞いてたらしいのよ」
「それで、美化されまくって、良いところしか聞いていないから麗菜お姉ちゃんに惚れたって訳ですね」
麗菜は吹奏楽に長けている榊兄弟の長女、一日に負けず劣らずの吹奏楽の実力を持っていて、『フルートの一日、サックスの麗菜』と呼ばれるほどで榊兄弟と肩を並べていた。ただし、麗菜は勉強はできない人だった。だから妹は、良いところしかと言ったのだ。
「確かに私は勉強できないけどそこまで言わないでよ……。今は四日君だってそれがわかっても付き合ってくれてるんだから。それに今は私だって音大の二年生やってるのよ」
「……そういえば、明日の試合って、四日先輩の高校最後の試合ですよね、三年生ですし」
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