炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
3節 ウルフとヴァンパイア(2)
「ねえちょっと! クローバー! 」
「何ですか? メアリー」
アルゴライムに追いついたメアリーがアルゴライムの腕を掴んで呼び止めた。
「謎の声って何よ! それにこっちには何も無いじゃない」
メアリーには何のことか分からなかった。それもそうだ。アルゴライムが生まれる前、何も無い空間で出会って、この世界でサポートされている謎の存在なのだから。
「まあ着いてきてください。この先に私の家がありますから」
アルゴライムはメアリーを振りほどいて進んだ。さっきの比じゃない速さで進んで行った。メアリーは着いて行くのが精一杯だった。
「ここです」
アルゴライムが振り返った時にはメアリーは疲れ切った顔をしていた。
「どうかしました? 」
「どうかしましたよ! 貴女ナイフも落として走るんですもの」
メアリーは血のついたナイフをアルゴライムに渡した。その血を見たアルゴライムは生き物を傷つけていたことを自覚した。
「ありがとうございます。ここが私の家です。入ってください」
自覚をした事で傷のついたメアリーの頬をもう一度見た。そして、傷つけられた左腕が熱く痛んだ。
「ええ。お邪魔するわ。……ここってあなたが住むまで何千年も空き家だったと聞いているけれど綺麗ね」
「そうなんですね。図書室は地下にあるのでこっちですよ」
「話聞いてないわよね? 」
「はい。それより、あなたが見たことの無い言葉で書かれた本を探してください」
メアリーはため息をついた。トキューバの家にも図書室はあったがここまでの大きさではなかった。もう少し狭かった。
「この下もありますから、私はそっちを見てきます」
「えっ! さすがに広すぎじゃないかしら? 」
アルゴライムはまた話を聞かずに階段を降りて行った。
(今までそんな本は見ていないから、謎の声さんは置いていないのでしょうか?または私が探すのを待っていたという可能性も)
「クローバー、何冊かあったわよー! 」
まだ探し始めて五分程度。近い場所にあったのか、発見が早いことにアルゴライムは驚いた。
「早くないですか?」
上に戻ると、何冊か懐かしいあの言葉で書いてあった本が並べてあった。
『血の契約』
『ヴァンパイアkissfollow』
『友達の作り方』
『ヴァンパイア』
「……」
アルゴライムは『友達の作り方』と書いてある本を睨んで燃やした。血の契約を言い換えたのかもしれないけれど、ふざけが過ぎていた。
「ちょっと! 何で燃やすのよ! 」
「あれは謎の声さんのイタズラです。忘れてください」
『ヴァンパイア』は読んだことがあった。しかし、残りの二つは初めて見た。メアリーにこの言葉は分からない。アルゴライムが読むしかなかった。
「私言語翻訳の魔法くらいなら使えるわよ」
アルゴライムが悩んでいると、メアリーがその後ろから声を掛けた。アルゴライムはそんな魔法があることに驚いたが、それを使って貰うことにした。
「お願いします。じゃあこちらの『ヴァンパイアkissfollow』をお願いします」
「ええ、分かったわ」
二人がそれぞれ、本を手に取り作業に入った頃、メアリーは問いかけた。
「ねぇクローバー、この下の『e16』って謎の声さん? 」
「えっ? 」
アルゴライムは直ぐに確認した。確かに表紙の1番下には『e16』と書いてあった。
「多分……そうです」
「変な名前ね」
(名前、あったんですね。謎の声さん)
その会話を最後に二人は朝が来たことにも、また夜になったことにも気づかずにその何頁あるかも分からないほど厚い本を読み続けた。
そして、読み終わった時、二日が過ぎ、朝になっていた。
「何ですか? メアリー」
アルゴライムに追いついたメアリーがアルゴライムの腕を掴んで呼び止めた。
「謎の声って何よ! それにこっちには何も無いじゃない」
メアリーには何のことか分からなかった。それもそうだ。アルゴライムが生まれる前、何も無い空間で出会って、この世界でサポートされている謎の存在なのだから。
「まあ着いてきてください。この先に私の家がありますから」
アルゴライムはメアリーを振りほどいて進んだ。さっきの比じゃない速さで進んで行った。メアリーは着いて行くのが精一杯だった。
「ここです」
アルゴライムが振り返った時にはメアリーは疲れ切った顔をしていた。
「どうかしました? 」
「どうかしましたよ! 貴女ナイフも落として走るんですもの」
メアリーは血のついたナイフをアルゴライムに渡した。その血を見たアルゴライムは生き物を傷つけていたことを自覚した。
「ありがとうございます。ここが私の家です。入ってください」
自覚をした事で傷のついたメアリーの頬をもう一度見た。そして、傷つけられた左腕が熱く痛んだ。
「ええ。お邪魔するわ。……ここってあなたが住むまで何千年も空き家だったと聞いているけれど綺麗ね」
「そうなんですね。図書室は地下にあるのでこっちですよ」
「話聞いてないわよね? 」
「はい。それより、あなたが見たことの無い言葉で書かれた本を探してください」
メアリーはため息をついた。トキューバの家にも図書室はあったがここまでの大きさではなかった。もう少し狭かった。
「この下もありますから、私はそっちを見てきます」
「えっ! さすがに広すぎじゃないかしら? 」
アルゴライムはまた話を聞かずに階段を降りて行った。
(今までそんな本は見ていないから、謎の声さんは置いていないのでしょうか?または私が探すのを待っていたという可能性も)
「クローバー、何冊かあったわよー! 」
まだ探し始めて五分程度。近い場所にあったのか、発見が早いことにアルゴライムは驚いた。
「早くないですか?」
上に戻ると、何冊か懐かしいあの言葉で書いてあった本が並べてあった。
『血の契約』
『ヴァンパイアkissfollow』
『友達の作り方』
『ヴァンパイア』
「……」
アルゴライムは『友達の作り方』と書いてある本を睨んで燃やした。血の契約を言い換えたのかもしれないけれど、ふざけが過ぎていた。
「ちょっと! 何で燃やすのよ! 」
「あれは謎の声さんのイタズラです。忘れてください」
『ヴァンパイア』は読んだことがあった。しかし、残りの二つは初めて見た。メアリーにこの言葉は分からない。アルゴライムが読むしかなかった。
「私言語翻訳の魔法くらいなら使えるわよ」
アルゴライムが悩んでいると、メアリーがその後ろから声を掛けた。アルゴライムはそんな魔法があることに驚いたが、それを使って貰うことにした。
「お願いします。じゃあこちらの『ヴァンパイアkissfollow』をお願いします」
「ええ、分かったわ」
二人がそれぞれ、本を手に取り作業に入った頃、メアリーは問いかけた。
「ねぇクローバー、この下の『e16』って謎の声さん? 」
「えっ? 」
アルゴライムは直ぐに確認した。確かに表紙の1番下には『e16』と書いてあった。
「多分……そうです」
「変な名前ね」
(名前、あったんですね。謎の声さん)
その会話を最後に二人は朝が来たことにも、また夜になったことにも気づかずにその何頁あるかも分からないほど厚い本を読み続けた。
そして、読み終わった時、二日が過ぎ、朝になっていた。
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