炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
3節 ウルフとヴァンパイア
「低俗……ですか」
「そ、そうよ! 貴女たちのせいで私たちトキューバがこの地でどんな思いをしたと思っているのよ! 」
メアリーは言い過ぎたのではないかと一瞬言葉を詰まらせたが、その小さな身に秘める思いをアルゴライムにぶつけた。
「メアリー、貴女は信じないかもしれませんが私はこの世に生を受けてわずか半年です。ずっと地下にある図書室に籠っていました。」
メアリーはまさかと言うような顔をしてもう一度アルゴライムの血を舐めた。アルゴライムもメアリーの血を舐めた。
アルゴライムの頭の中に数字が浮かび上がった。
326.75
これは……? 
アルゴライムは思った。メアリーの方を見ると、青ざめた顔をしてアルゴライムの方をみて目を見開いていた。
「0.5……半年……こんな姿をしているのに? 」
(0.5が半年を表しているのですね。ならこの326.75は年齢のようですね。三百二十六才九ヶ月……。見た目のわりには……)
「貴女、ただの吸血鬼でもないようね。何者? 」
「メアリーが貴女という呼び方を変えていただければ教えて差し上げますよ」
メアリーはここで従わせるか殺してしまえばいいという結論に行き着いた。さっきよりも速く、風のように殺気を消してアルゴライムの首筋に鋭い爪を向けた。
ザッ 
アルゴライムは空中に舞い上がった。そして飛んできたメアリーの手の上に飛び乗った。
「何? 理不尽に殺されるわけにはいかないんですけど」
「クッ……」
メアリーはもう片方の腕をアルゴライムに伸ばした。が、すぐに止めれた。
「クローバー……。何故貴女は生まれて僅か半年…なのにそんな姿をしているの? 」
呼べと言った名前ではなかったが、アルゴライムは許して拘束していた手を離した。また攻撃してくる可能性もあったが、その時にはまた拘束してしまえば良かった。
「私は転生者ですから。死んだときの姿のままです。見た目は十代なのよ」
アルゴライムは元から持っていた冷たい目でメアリーを睨んだ。
「やだなーそんなに警戒しないでちょうだい。もうクローバーに手は出せないのよ」
「は? 」
アルゴライムは謎の言葉に顔を歪めた。メアリーはニコリと笑って説明をした。
「Wolfabsolutemonarchよ。貴女は私よりも強い、だから貴女に忠誠を誓わざるおえないの。血の契約でもする? 」
ここまで言うのを嘘だとは思えなかった。アルゴライムはひとつだけ、たったひとつの常識をメアリーに聞いた。
「私は血の契約なんて知らないです。何ですか? それ」
「私の首筋から血を吸いなさい。ただそれだけよ」
アルゴライムは一度かたまって傷口から出ていた自分の血を舐めた。そして思い出した。
「ヴァンパイアkissfollow……」
アルゴライムの能力、ヴァンパイアkissfollow。それは首筋から血を吸うと下僕にしてしまう、この世界では遠い昔から吸血鬼が恐れられている理由のひとつ、悪魔の能力と呼ばれるものだった。
「ああ、そうよね。血が混じっているとはいえ、鬼狼は異種族だものね」
「メアリー、私の図書室に来てください。もしかしたら謎の声さんがどこかに隠しているかもです」
「えっ? 謎の声さん? え? 」
メアリーは何度かそう聞き返したが、アルゴライムは答えずに急いではしって屋敷に向かった。メアリーはその後ろをただついていった。そしてアルゴライムはナイフを手に持ったまま、狩りのことをすっかり忘れていた。
今回は短め!  次のエピソードも同じウルフとヴァンパイアだから許して☆ 
「そ、そうよ! 貴女たちのせいで私たちトキューバがこの地でどんな思いをしたと思っているのよ! 」
メアリーは言い過ぎたのではないかと一瞬言葉を詰まらせたが、その小さな身に秘める思いをアルゴライムにぶつけた。
「メアリー、貴女は信じないかもしれませんが私はこの世に生を受けてわずか半年です。ずっと地下にある図書室に籠っていました。」
メアリーはまさかと言うような顔をしてもう一度アルゴライムの血を舐めた。アルゴライムもメアリーの血を舐めた。
アルゴライムの頭の中に数字が浮かび上がった。
326.75
これは……? 
アルゴライムは思った。メアリーの方を見ると、青ざめた顔をしてアルゴライムの方をみて目を見開いていた。
「0.5……半年……こんな姿をしているのに? 」
(0.5が半年を表しているのですね。ならこの326.75は年齢のようですね。三百二十六才九ヶ月……。見た目のわりには……)
「貴女、ただの吸血鬼でもないようね。何者? 」
「メアリーが貴女という呼び方を変えていただければ教えて差し上げますよ」
メアリーはここで従わせるか殺してしまえばいいという結論に行き着いた。さっきよりも速く、風のように殺気を消してアルゴライムの首筋に鋭い爪を向けた。
ザッ 
アルゴライムは空中に舞い上がった。そして飛んできたメアリーの手の上に飛び乗った。
「何? 理不尽に殺されるわけにはいかないんですけど」
「クッ……」
メアリーはもう片方の腕をアルゴライムに伸ばした。が、すぐに止めれた。
「クローバー……。何故貴女は生まれて僅か半年…なのにそんな姿をしているの? 」
呼べと言った名前ではなかったが、アルゴライムは許して拘束していた手を離した。また攻撃してくる可能性もあったが、その時にはまた拘束してしまえば良かった。
「私は転生者ですから。死んだときの姿のままです。見た目は十代なのよ」
アルゴライムは元から持っていた冷たい目でメアリーを睨んだ。
「やだなーそんなに警戒しないでちょうだい。もうクローバーに手は出せないのよ」
「は? 」
アルゴライムは謎の言葉に顔を歪めた。メアリーはニコリと笑って説明をした。
「Wolfabsolutemonarchよ。貴女は私よりも強い、だから貴女に忠誠を誓わざるおえないの。血の契約でもする? 」
ここまで言うのを嘘だとは思えなかった。アルゴライムはひとつだけ、たったひとつの常識をメアリーに聞いた。
「私は血の契約なんて知らないです。何ですか? それ」
「私の首筋から血を吸いなさい。ただそれだけよ」
アルゴライムは一度かたまって傷口から出ていた自分の血を舐めた。そして思い出した。
「ヴァンパイアkissfollow……」
アルゴライムの能力、ヴァンパイアkissfollow。それは首筋から血を吸うと下僕にしてしまう、この世界では遠い昔から吸血鬼が恐れられている理由のひとつ、悪魔の能力と呼ばれるものだった。
「ああ、そうよね。血が混じっているとはいえ、鬼狼は異種族だものね」
「メアリー、私の図書室に来てください。もしかしたら謎の声さんがどこかに隠しているかもです」
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メアリーは何度かそう聞き返したが、アルゴライムは答えずに急いではしって屋敷に向かった。メアリーはその後ろをただついていった。そしてアルゴライムはナイフを手に持ったまま、狩りのことをすっかり忘れていた。
今回は短め!  次のエピソードも同じウルフとヴァンパイアだから許して☆ 
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