「神に選ばれ、神になる」そんな俺のものがたり
第十四話 現時点最強のコンビ!?
俺と永本と長谷川先生で今後のことを話し合う。
「で、三人から五人のパーティーでウルフは倒せるのか?」
「うーん。厳しいと思います。まず俺たちの場合、俺が永本の援助を行いながら少しずつ弱いウルフから戦ってもらってたので。それにパーティーを組んでたとしても連携取れないとダメですし。まずは個人の能力を伸ばすことと、それからパーティーでの模擬練習、最後に実践という形になりますかね〜。」
「なるほどな。……で?ウルフ一体をようやく倒せるようになった永本のステータスはどんな感じなんだ?」
「あ、はい。見せます。」
[名前] 永本 淳 ながもとあつし
[性別] 男
[年齢] 十六歳
[種族] 人間族
[職業]
[称号] 転生者 異世界からの学生
見習い冒険者
[レベル] 11
[体力] 1245
[魔力] 1550
[体術] lv8
[魔法] 
火 lv6
雷 lv2
[特性・耐性]
火耐性
痺れ耐性
「お〜!俺のと比べると永本も高いな。」
まぁいつでも俺の場合見ることができるので、そこまで驚いてはいないが、先生は驚いた。
たしかに一日ですごい伸びたからなぁ。
「あ、そういえばたかしの能力吸収後のステータスってどんな感じなんだよ?」 
「あー。そういえば見せてなかったか。」
[名前] 清水 晶 しみずあきら
[性別] 男
[年齢] 十六歳
[種族] 人間族
[職業]
[称号] 転生者 異世界からの学生
先駆者 神々から選ばれし者
全能神のお墨付き
[レベル] 50
[体力] 6000
[魔力] 8000
[魔法]
火 lv5
水 lv5
氷 lv5
雷 lv5
風 lv5
地 lv5
光 lv5
闇 lv5
無 lv5
精神 lv5
空間 lv5
創造 lv5
召喚 lv5
回復 lv5
[体術] lv8
[武術] lv8
[特性・耐性]
初級・中級魔法無効化
物理ダメージ九割軽減
魔法 消費魔力半分
物質透過
稀にダメージ吸収回復
視野拡大(360度5kmまで)
魔力感知(最大14km)
狙撃耐性
気圧耐性
水圧耐性
聴力上昇
火耐性
水耐性
光耐性
毒耐性
熱耐性(100度まで)
寒さ耐性(マイナス200度まで)
痺れ耐性
呪い耐性
精神魔法耐性
吸収魔法無効化
回復魔法回復力アップ
ステータス覗き見不可
[スキル]
無限アイテムボックス
レベル上昇補助
隠蔽
全武器使用可能
調査
「お!おお〜。たかしは特性・耐性があるだけで最強だね……。」
「あ、ああ。確かにそうだね。能力吸収しても特性とかスキルは残るみたいで……はは、ははは。」
そうだよね!今までちゃんと見てこなかったけど、特性と耐性欄で最強だね。
「まぁもう清水のことは諦めて、体づくりとかの場所は、ここだけじゃ狭いだろ?」
「そうですね〜。少し広げてみますか。」
「サポタ。」
『はい。』
「この前の要領で壁を広げることって今の俺の魔力で大丈夫?大体ダンジョン中心の直径六キロに作りたいんだけど。」
『かなり魔力が足りないと思われます。』
「じゃあ、少し魔力増やすか。」
アイテムボックスの中から能力の塊を取り出す。
その塊に長谷川先生の反応は真顔(無心)であった。
そこから魔力の塊を感じ、手の平に収まるぐらいを自分の体に入れる。塊が体内に入った瞬間、塊が分解され体の隅々まで行き渡るのが分かった。
そしてもう一度ステータスを見ると魔力欄は8000から5000000に跳ね上がった。
「うわぁ〜。こんなに上がりやがった。」
「今のでどのくらいになったんだ?」
「魔力が八千から五百万に……」
「あっそ。」
もう永本も驚かない。俺も含めこの場にいる三人は、俺のステータスについては何も考えることをやめたのであった。
「で?それで壁は作れるのか?」
「はい。四メートルの壁はひとまずそのままにして、六メートルの壁を作ります。」
「四メートルから六メートルの間のモンスター達はどうするんだ?」
俺はその長谷川先生の言葉を聞き、ニヤッとする。その意味を長谷川先生も察したみたいだ。
「三人で朝までに駆逐すると。」
「はい!その通りです!!」
「お前と永本だけならまだしも、なぜ俺が入っている?こんなにも重傷なのに。」
「そんなの決まってるじゃないですか〜!俺の提案がもし通ってしまったら誰が全員を統率すると思ってるんですか?」
「それは考案者のお前だろうが?」
「いえいえ。それだと生徒に生徒が従うなんて、絶対どこかで反論が出てくるはずでしょう?やっぱこういう時は一番信頼されてる長谷川先生が適任かと。でも指導者が弱ければ従う気にはならないでしょう?ですが長谷川先生がそこそこ強ければ、先生の信頼された立場と強者の立場の二点から指導すればこれ以上に効率の良いことがあるだろうか、いやない!……ということで、やりましょう!傷など俺が直してあげますよ?精神的にもね!」
「圧倒的強者の方がいい気が……。」
「ダメダメ!永本よく考えてみて!圧倒的強者が教えたらただの独裁主義になっちゃうじゃん。でもそこに信頼も厚い長谷川先生が指導をすれば、なんということでしょう!指導者は慕われ、生徒は成長が早くなる。そっちの方が一石二鳥。効率が良くないかい?」
「あー確かに!そうだね!じゃあ長谷川先生も出発だー!大丈夫ー。たかしがいれば怪我もあんまりしないから!レッツゴー!」
『こいつら。めんどくさいことは全部俺に擦りつけやがった。なんていうコンビだ。まぁ折角の機会。ちょっとやってみよっかな?』
あれからすぐ、俺は壁づくりに取り掛かった。
当初ダンジョンから六キロ範囲に壁を作る予定ではあったが、半ば強制的に長谷川先生に指導者を擦りつけ先生は嫌がるかと思いきや、ベッドから立ち上がるとかなりやる気だったので、七キロ範囲、高さは三メートルに壁を作った。
魔力は約二十万ほど使ってしまったが俺にとっては全く問題ない。というより始めてこんなに多く魔力を使い、体がだるくなったのを少し楽しんでしまった。
別にMだとかそういうことを言いたいわけではない。断じてない。俺は中間だ。至って普通の高校生。MでもなくSでもない。最後に強調する。俺は中間である!
その後俺、永本、長谷川先生は壁内のモンスター殲滅に向かった。ゴブリンは自分の仲間に今日の報告に行くと言い、その場を後にした。
モンスター達は夜になり、巣に戻って寝ている奴が多いが、夜行性のモンスター達は活動している。
そんな緊張感の中、三人で四メートル地点の壁の外に出る。
すると早速ウルフ五体がお出ましである。ウルフは朝型と夜型に分かれて生活して、一日中群に危険が迫っても問題ないようにしている。
朝型六割、夜型四割。夜型の方に雄が多く、少数精鋭となっている。
俺的には初めて、体を動かすことになる(吸収前は小指だけで倒せてしまって全く楽しくなかった)ので楽しみである。
二人は身を引き締めウルフに立ち向かう。
「永本!一体行けるか?」
「ああ。行けると思う。」
俺は調査スキルを使ってウルフ達のステータスを見ていく。確かに昼間よりは個々の強さがある。永本と先生には雌がいいんだけど……。
左から順にオス、オス、メス、オス、子供。うん!いい感じだ!
「永本は真ん中にいる、メスウルフをやってくれ。先生は一番右の一番小さいウルフをお願いします。危なくなったら俺を呼ぶように!じゃあ行きますよ〜!!」
俺はアイテムボックスの中から剣を取り出す。剣は大体五十センチ。黒い刃が特徴だ。
この剣はどうしたかって?綺麗な石と少し太くて硬い枝を持って、創造魔法で剣を作っただけですよ?
ちなみに創造魔法で作った物には特性やら特殊効果が付与されるみたいで、この剣はというと。
黒い石剣
硬度 8000
使用者の武力を上げる。(武力レベルを持っていないと使えない)
魔法を纏わせることも可能
硬度は一般的な剣が1000ぐらい。この剣の硬度は、創造魔法では作れない域のようだ。
それはさておき、これでどのくらい通用するのか楽しみです!
 
俺はオス三匹の注意を引くため、魔法を当てる。いつもならそれだけで死んでしまうウルフもそこまでダメージを受けず、こちらに突進してきた。
そう来なくっちゃ!
二人から少し離れたところで立ち止まり、追ってきたウルフ達を迎え撃つ。
剣を前に構えると、ウルフも戦闘姿勢に入り雄叫びをあげる。そして雄叫びが終わったと思うと、三体で突進してきた。
俺は一体目の突進攻撃を軽く受け流し、二体目は噛み付こうとしてきたので、口めがけて火属性魔法を打つ。三体目は剣を受けた。
「おお!戦ってるって感じするな〜!やっぱこうじゃなくちゃ!せっかく異世界に来たんだから!」
『たかし様。あと十分ほどで休憩時間に入らせていただきますが、大丈夫でしょうか?』
「ん?ああ。大丈夫だよ?今日も一日おつありっしたー!」
『たかし様ならなんとかなるモンスターばかりですが、なにか不測の事態になったら能力の塊で強化してくださいね。』
「はいよ。」
『では、また声をかけます。』
サポタ不在でもなんとかなるだろ。サポタに頼りっぱなしもいけないしな。
サポタと会話している途中でも、戦いは続いているわけで、俺は剣で受け止めたウルフを後ろに跳ね飛ばし、少し距離を取る。
そしてしばらくの沈黙の後、また戦いが始まる。
ウルフ達は俺を囲むように三角形となり、ボスウルフが鳴いた時に一斉に飛びついてくる。
その動きを何にもしないで見てるほど俺はお人好しではないので、ウルフ達が準備が終わるまでの間、密かに剣に風魔法を纏わせていた。
そしてウルフ達が一斉に走り出し、足が地から離れた瞬間、剣をしっかり右手で握り腰に力を入れ、右足を軸に回れ右しながら一回転、剣を振った。
剣の刃は見事にウルフ三匹の腹部分に直撃し、斬撃と風魔法の吹き飛ばし効果によってウルフの体は上下に離れたのだった。
ーーーーー
【永本SIDE】
いつも通りたかしの指示で役割が決められる。
俺はやっと大人のウルフを倒せるようになった。でも、力を吸収している今のたかしにさえ、あれだけ頑張っても追いつけていないのだ。
でもそれを羨ましいなどと思ってはいない。逆にこの世界に来てから本当にすごいやつだと思っている。
俺があの力を持っていても何もできない。だが、たかしはあの力を手に入れても決して傲慢にならず、独裁者にもなろうとはしていない。
ただみんなを思って行動しているのだ。
だからあの力を手に入れたのが俺じゃなくて良かったと。無責任に聞こえるかもしれないが、俺を含め多分あんなことは他の人にはなかなできることではないと思う。
たかしは役割を決めると、すぐに自分の相手にするウルフ達の気を引き、少し離れたところへ誘導してくれた。
「先生。俺が魔法でメスを引きつけます。先生はこの場で戦ってください!恐らくたかしはすぐに銭湯を終えて戻ってくると思うので、逃げ回ってるだけでも体力はつきますよ!」
「ああ!分かった!健闘を祈る!」
俺は先生の言葉を聞いた後、すぐにメスに向けて火属性魔法を打った。
頭に直撃しこちらを睨みつけてくる。そしてこちらに向かってきた。俺は先生から少し距離を取り、ある程度のところで止まる。
しかし追ってきたウルフは止まる気配を見せず、俺が振り返った時には、突進攻撃をしてきた。
俺はすかさず魔法をウルフの頭部分に三発叩き込む。するとウルフは止まり、悲鳴を上げた。
俺は昼の戦いで、火属性魔法と体術を使ってモンスターを倒していた。
そのおかげでかなり戦いやすくなり、今では普通にウルフの大人を相手できるようになった。
メスウルフはしばらくすると頭部が焦げているのにも関わらず、敵意を向けてきた。
そう。ただ火の玉をぶつけただけで相手を倒すことを諦めるほど自然界で生き抜いてきた動物は甘くない。
だから、こちらも少し頭を使いながら戦うのだ。頭を使いながらと言っても、たかしからの提案だが。
またしてもメスウルフは吠えた後、俺に向かって突進してくる。今度は火の玉を当てようとしても避けられてしまう。同じ手にはもう引っかかってはくれない。
しかし俺は火の玉を左手で打ち、右手には火を纏わせる。
左手から放たれる火の玉を躱すのに夢中なウルフは、全く俺の右手には気づかない。
そしてウルフとの距離が三メートルになった時、俺は左足を前に出してその次に右足を前に出す。
そしてウルフが噛みつき攻撃をしてきた時右足に重心をかけ、右膝を曲げウルフの顎に力強いアッパーを食らわせた。
そして当たった瞬間に纏わせていた火をアッパーの軌道上に突き通し、脳天を火柱が貫く。
そうしてウルフは脳を焼かれた状態で上に吹き飛ばされ、地面に落ちた。
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