「神に選ばれ、神になる」そんな俺のものがたり

竹華 彗美

第七話 レベルの上がり方尋常じゃない


 俺は火属性魔法で時間稼ぎをしている、永本のため魔法書からレベル1でもダメージを与えられそうな魔法を探していた。
 永本の戦いを見てみれば、あれが本気みたいだ。他の奴らはどうなんだろうか。永本よりもできるのか、できないのか。
 そんなことを考えてしまう。俺はこのクリアされたダンジョンをでた先の方がここよりもモンスターが多いことを知っている。
 そんな中でこの戦闘レベルが二百人近くいるわけだ。そんな人数を俺が守れるわけがない。
 サポタがいれば……という希望は少々あるが絶対というわけではない。
 俺の頭の中では今のこと以外にも考えなければいけないことがたくさんある。しかし今は、親友のために魔法書から使えるものを探す。

 火属性魔法の初級魔法は攻撃にはあまり向かず、生活面での補助機能が強い。なので通常威力が出ない。
 永本にはもう一つ雷属性魔法が使える。こっちの方がレベルが低くても戦闘向きだ。ーこれだと思った!!

「永本!俺が"行け"って言ったらウルフの元に走ってくれ!そしたらウルフの体に触れて電流を流す!イメージは電流を流している導線のようになることだ!わかったか?」
「……ああ。なんとなくな。……分かった。やってみる!」

 そう言って俺は永本に回復魔法魔法をかける。息切れはなくなり通常だ。それを見計らってウルフが再び永本を襲おうとした時、俺は奴の足が付く部分のみを沼地にして、足取りを遅くする!
 
「行け!!!」

 動きが鈍くなったウルフに向かって永本は突進し、体に触れる。そして

"ビリビリビリビリビリビリ!!!"

 ウルフの目はたちまち意識を失い白目を剥く。ショック死だ。
 それを見た永本は両手を挙げて喜び、俺とハイタッチを交わす。満面の笑みでだ。
 そうしてウルフ達との戦いは終わった。
 俺は直ぐに土の壁を取り壊す。なぜかというと雄叫びを聞いた先生がここにやってきているからだ。
 寝ている先生はそのまま放置し、まもなくもう一人の先生がこちらにやってくる。俺らの担任である。

「清水!永本!大丈夫か!?」
「長谷川先生!俺たちは大丈夫です。」
「大丈夫です!」
「……はぁはぁ。それなら良かった。山寺先生はどこに!?」
「ここです。」

 俺は指を指して言うと、長谷川先生は起こそうとする。それを永本が止めに入り、事情を説明する。
 さっき永本とも話したのだが、担任には俺のステータスについては伝えた方がいいという結論に至った。
 流石に二人だけの秘密ということだと、ずっとここに居ることにもなりそうだし、何より行動が制限されてしまう。
 そうなれば食料の調達ができなくなり、永本のような能力の奴らがモンスターを探し獲るということになってもただ犠牲となってしまうからだ。
 またみんなの我慢も既に限界である。そういうことを考えると一人でも先生に情報を渡すことはやむを得ないのだ。

 先生にはまず俺のステータスを見てもらい、絶対他言無用だということを伝え、俺以外の戦力だと永本のようにウルフの子供一体もろくに倒せないということを話す。
 また俺が今までサポタから得た情報や、俺の"物質透過"・"視野拡大"・"魔力感知"で得た外の状況、ここからの脱出方法、どんな危険があるのかなどを伝える。

 それを聞いた長谷川先生は疲れたような顔で言う。

「分かった。これで永本がコウモリをあんなに一度に捕まえてきたり、田村先生を食い止めたりした理由がわかった。……よし!分かった。お前のことはこの三人以外には他言不要。混乱を明日にはここを出れるように他の先生達に話してみる!……その狼達はどうするんだ?」
「明日でここを抜けるのであれば、必要はないでしょう。逃げたと報告してください。」
「わかった。では帰るぞ!……大丈夫だとは思うが先生の後をちゃんとついてくるように!!」
「「はーい。」」

 長谷川先生は山寺先生を起こし、その場を後にする。山寺先生は寝ぼけていてウルフの死骸には気づかなかった。

 道中俺は長谷川先生にステータスを見せた時、自分自身びっくりしたのでその詳細をみてみる。

[名前] 清水 隆志 しみずたかし
[性別] 男
[年齢] 十六歳
[種族] 人間族
[称号] 転生者 異世界の学生 先駆者
    神々に選ばれし者 
    全能神のお墨付き 初級魔法使い
    体術一流 武術一流
[レベル] 643
[体力] 642960/643000
[魔力] 10284508/10284512

[魔法]
火 lv25
水 lv17
氷 lv15
雷 lv15
風 lv15
地 lv24
光 lv17
闇 lv15
無 lv15
精神 lv26
空間 lv19
創造 lv20
召喚 lv19
回復 lv20

体術 lv35
武術 lv26

[特性・耐性]
初級・中級魔法無効化
物理ダメージ八割軽減
魔法 消費魔力半減
物質透過
稀にダメージ吸収回復
視野拡大(360度4kmまで)
魔力感知(12km)
狙撃耐性
気圧耐性
水圧耐性
聴力上昇
火耐性
水耐性
光耐性
毒耐性
痺れ耐性
呪い耐性
精神魔法耐性
回復魔法回復量アップ
ステータス覗き見不可

[スキル]
無限アイテムボックス
レベル上昇補助
隠蔽
全武器使用可能
調査

 
 これを見た俺はあまりのレベルの上昇速さに驚く他ない。そして魔力量が半端ない。千万越えって……。普通は三百ぐらいじゃないの!?
 
 隣で俺がステータスを見ているのを確認すると、永本も自分のを眺める。
 俺は"調査"のスキルでいつでも見ることが出来ている。
 永本は自分のステータスを見たあと、俺の顔を見るなり、ため息をつく。

「はぁ……」
「なんだよ?お前だってレベル上がったじゃんか!?」
「だけどよー。お前のと比べると……なんだかな〜。」

 永本はあれだけの激戦を下にも関わらずレベルは3にしか増えていない。魔法や体術などもそこまで伸びなかった。
 いや、普通は一回の戦いで2もレベルが上がることは稀なのかもしれないが、俺と比べてしまうと残念がるのも分かる。
 長谷川先生は俺のステータスを知っているため、永本がため息をつく姿を見て同意しているように見える。
 山寺先生は寝起きということもあるし、何も聞いてないのでクエスチョンマークが頭に浮いていることは見るからに分かった。
 そんな空気の中道を進み、みんながいるところに帰る。
 先生の"明日にはここからでれるようにする"の言葉を信じ、俺たちは解散となった。


 みんなは狼の雄叫びによって怯えていた者、俺たちのことを心配してくれていた者、寝ている者、会話で盛り上がっている者が狭い空間の中で過ごしていた。
 長谷川先生に連れてこられた俺たちを見るや否や、クラスの人達は安堵の顔を浮かべ、一人ぽつんと拘束されている教師は残念そうにする。 
 俺たちは心配してくれた人達に感謝を言い、事情を説明した。事実は言わず"狼達は早々に逃げた"という話に作り変えて。
 そして狼がどんな感じだったか、などを聞かれたが"暗くてよくわからなかった"などの説明で押し通した。
 単に特徴など話すのがめんどくさかったという理由ではあったが、無理に不安は煽らないように、という先生の願いもありこういう対応にしている。

 二十分ぐらい経つと俺たちを囲う輪もなくなり、ほとんどが寝静まる。ここは少し肌寒いがねれないことはない。友達同士くっついて寝ている。
 俺と永本は壁側に座る。永本に関しては回復魔法によって傷や体力面では回復できているが、精神的な疲れは相当ある。
 なので俺たちも寝ることにした。俺たちにはコウモリの体毛から作ったコートがあるのでそこまで寒くはない。(ただし俺は下はパンツのみなのでスースーする)
 なので壁に寄りかかりそのまま寝ることにした。
 サポタはまだ休み中である。隣で永本が寝たことを確認し、俺は転移する。
 転移した場所はここのダンジョンの一階に上がるための階段である。
 階段は螺旋状になっており三百段はあるだろうか。とても長い。
 そんな中、後ろから二つの人を感知する。長谷川先生と山寺先生だ。この階段を上ってくる。俺は既に登り切っているので、その場で二人を待った。
 しばらくすると呼吸が上がった二人の先生が登りきり、俺を見つける。

「こんにちは。」
「やはりいたか。そんな気がしたよ。」

 長谷川先生は答える。山寺先生はちんぷんかんぷんである。

「ご案内します。外に通じる道に。少々モンスターが道中いますが、まっすぐお願いします。」
「ああ。」

 俺は二人の先生を連れ、出口に突き進む。ここに来た理由はまず第一に俺のステータスのことを信じてもらうため。
 第二にモンスターに襲われ命を落とさせない・負傷させないため。
 第三に俺自身外の景色を見てみたかったから。確かに"物質透過"と"視野拡大"によって大体の地形はわかってるにしても、一番貢献しているのは俺であって外の空気も最初に味わいたい。
 第四に希望の星である、先生達二人で逃亡しないように。これが一番俺にとって、みんなにとって最悪の事態となる。
 まあ確かに俺の"視野拡大"を使えば探すのはなんてことはない。が、俺は基本八時間睡眠なのだ。起きてれば問題ないがもうあそこにいたらすぐに寝てしまう。
 寝てしまったら最後、八時間、世界が崩壊するほどの大きな地震が起きても絶対に起きない自信がある。
 八時間あれば俺のステータスを見て視野が11kmもあることがわかっている先生が逃げることもできよう。それは困る!
 なので眠気覚しという意味が一番大きい。第ニ項目については相当運が良くなければこの階でモンスターとは会わない。
 人はいつ裏切るか分からない。それがわかってるからこそ、最善の選択だった。


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