イレギュラー【理を外れた者】

アヤカ

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 ある夏の暑い朝、学校に登校をしている少年がいた。その少年の名前は如月 遥(きさらぎ はるか)。彼の特徴と言えば美人とも言える様な容姿をしていることぐらいだろう。そんな彼と一緒に登校をしているのは1つ年下の妹の如月 桜(きさらぎ さくら)、1つ年上の幼馴染である月野 瑞穂(つきの みずほ)。この3人は事あるごとに一緒に行動している。家はお隣り、家族ぐるみの付き合いもしている。そんな彼らが仲良しになるのは必然とも言えた。
 
 彼らには他の人とは違っている事がある。

 それは瑞穂と遥は婚約をしている事だ。それは訳があって、彼らの親が有名な武道場を営んでいるからだ。遥の父が営んでいる武道場は【如月流修羅一刀】という刀の流派で、瑞穂の父が営んでいるのは【月野流弓術】という弓の流派である。そんな2つの流派が手を組み合う為に自分達の息子、娘である2人を結婚させると言う事をしている為である。遥と瑞穂の2人はこの事についてなんの不満も無い、もとより2人は付き合っていたからである。結婚する約束が早くなるか遅くなるかの違いだっただけである。妹の桜は瑞穂が羨ましいと感じていた。それは何故か?理由は簡単である。桜もまた遥の事が好きだからである。また、瑞穂の事も姉として、遥の彼女として好きであるからそんな関係に入りたいと考えているからだ。それと同時に日本において一夫多妻制は認められておらずそんな願いは一生叶わないと考えていたから近くで応援すると決めたのである。瑞穂も桜が遥のことを好きだと知っている。瑞穂は桜と遥が結ばれても良いと思っている。そこには自分も同じ様に愛してくれればと言う条件があるが。だがやはり瑞穂も一夫多妻制ではないのでその願いは叶わないと分かっている。
 結ばれるとすれば異世界に行くしかないだろう。(フラグ)

 そんな3人は今日もまたいつもの様に学校に仲良く登校する。

 この後に何が起こるかを知らないまま。

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