狂った世界の歯車が直る時

HECATE

マリアと夕食

 レイが部屋で自分のステータスを確認し終えた時には7時近くになっていた。

「もうこんな時間か…ご飯…」

レイはくぅ~となるお腹を押さえながら部屋を出て下の階の酒場へ向かった。この店は宿屋兼食事処だったためかなりの広さの酒場だった。

「えっと席は…」

レイが席を探しているとギルドで受付をしてくれたマリアが一人で二人席に座っていてレイと目が合うと手招きしてきた。こっちにこいということだろう。レイは真っ直ぐマリアがいる席に進んで行った。

「…マリア、貴女がなぜここに?」

レイが疑問をぶつけると

「レイみたいな小さい子はトラブルに巻き込まれやすいから」

ともっともな答えが返ってきた。
レイは「そっか」と呟きマリアの前の席に座った。

「…貴女もここに泊まるの?」

「私は食べたら家に帰るわ。家がすごく近いの」

「…そっか、ここの料理何がオススメ?」

「ここはシチューがおいしいのよ」

「…じゃあそれにする」

「飲み物はどうする?」

「…ミルクか果実水がいい」

「わかったわ」

マリアは手早く注文を済ませた。



30分ほどすると出来立てのシチューとパンが二人分とホットミルクが一人分、炭酸が少し入ったレモン水が運ばれてきた。
レイはスプーンでシチューを掬うとパンと一緒に口へ運んだ。

「おいしい…」

「でしょ?でも熱いから気を付けてね」

それからレイはマリアと話をしながら食事を続けた。レイはマリアを姉のように思い初めていたが周りから見たらレイの食べる姿を見守るマリアは母親であった。


ちょうどレイが食べ終わった時だった近くで食べていた男の冒険者二人組がケンカになったらしくレイ側の冒険者がもう一人の冒険者にジョッキに入った酒をぶっかけた。それにキレた冒険者が同じように酒をぶっかけようとしたがレイ側の冒険者はうまくかわした。
冒険者がうまくかわしたことによりその冒険者の後ろにいたレイにおもいっきり酒がぶっかかった。そして酒がぶっかかったレイはそのまま机にぶっ倒れた。







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