ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました
第30話ー依頼2個目 討伐依頼
色々あったけれど、無事に依頼を完了した私達はギルドに戻っていた。
薬草の数は284本。報酬は10本で銅貨1枚。つまり、
「報酬は銀貨2枚と銅貨8枚になります」
「ありがとうございます」
ギルドの受付嬢から報酬を貰うユウ。この時余りの4本は自動的にギルドの方に無償提供となる。それが嫌なら10本持ってこいってことね。
ギルドカード~サタイル支部発行~
ランク:D
名前:ユウ
性別:女
年齢:14
種族:人間
達成依頼 E:10 D:1
返されたユウのギルドカードを見てみると、無事に更新されている。
「よーし。それじゃもう一個受けるわよー。今度は討伐だからねー」
「はぁ…リリィは。…ユウちゃんは大丈夫?」
「だ、大丈夫です!」
「じゃあ、行こう」
討伐は……ジャイアントホープでいいか。
「だからそれはAランク! Dランクじゃなきゃ意味ないから!」
……ち、バレたか。
仕方なくDランクの依頼を受けた私だが、現在再度王都近くの森に入っていた。
今の時間は13時30分ほど。この時間ならパパっと依頼を終わらして、ササッと帰ればAランク受けれるんじゃないかしら。…シエルがまた怒りそうだからやめよう。
今回受けた依頼はDランク冒険者ならほぼ必須な依頼とも言われる、ゴブリン討伐。特にユウは何かを殺すのに抵抗があるらしいのでこの依頼はむずかしいかもしれない。さっきみたいな狂暴なウルフならまだしも、ゴブリンの姿は人間の子供とほぼ変わらない。
…さて、ユウはどこまでやれるかしら?
「ユウ、危ないと感じたらすぐに私達が助けにはいるから、まずは1人でやってみなさい。それと、時魔法は禁止だからね」
「はい!」
時魔法の禁止。ただし、私達だけ、しかも、密閉されている空間なら使用はしてもいい。ということにした。もし私達だけでも、外で不用意に使うと誰かしらに見られる可能性があるからだ。スキル"遠視"などは一番の強敵ね。
「…見つけた」
リュミナは感知魔法を覚えている。最大距離は、1kまで。はっきりってこの距離は低い方なのだけれど、リュミナはどちらかというと攻撃魔法が得意でサポート系は苦手だったりする。もし、ユウがサポート系の魔法が得意そうだったら頼もうかしら。
「さて、リュミナ案内して」
「こっち」
リュミナを先頭に、私、ユウ、シエルの順に進む。
数分後ついに敵と接触した。
「…ゴブリン3」
「私が2体引き受けるから、ユウは一体お願い」
「がんばります」
緑色の人間の子供のような姿をした魔物。それがゴブリン。
私にとってはとるに足らない相手。
「"雷縛"」
魔法名"雷縛"雷魔法の下位魔法。"束縛"の雷属性版だ。これは本来移動を阻害する足止め用の魔法なんだけど、
「…雷はとらえた相手を痺れさせる。なら、出力を上げたらどうなるかしら」
ゴブリンのとらえてる"雷縛"にさらに魔力を送る。
そして、
「ぐぎゃ…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
ゴブリンを焼き殺す。ただの足止め魔法でも使い方次第では低級の魔物なら簡単には殺せる。
「…さ、ユウ行きなさい」
「は、はい。……あ、と、時魔法…? は使わなければいいんだよね?」
「ん? ええ、そうね」
ユウの問いに答えると、ユウはミスリルナイフを取り出した。…そういえば、武器らしい武器を持っていなかったわねユウは。それ、解体用のナイフよ。
ユウの武器は帰ったら買いに行きましょうか。さすがにいつまでも解体用ナイフじゃ…ね。
「…はぁ…ふぅ……いきます……!」
軽く深呼吸をしたあと、覚悟を決めたのかナイフを構えた。
そして、先にゴブリンが動く。
「グギャギャ!」
醜い声をあげながら、ユウに向かってボロい剣を振り上げる。そしてユウは……
…よけない!? もしかして恐怖で動けなくなっているかも!? 仕方ない。ここは助けに、
「大丈夫だから!」
「…っユウ」
私が柄に手をかけ飛び出そうとしたら、ユウが声をあげた。…本当に大丈夫なのかしら。
「ぐぎゃ!」
ゴブリンはそのままユウの頭上に剣を振り下ろす。
…キィィィィン……!
「…ええ」
「やるじゃない」
「発想がすごい」
ゴブリンの剣がユウの頭に当たるかと思いきや、その瞬間、ユウは持っているナイフで剣を受け止めた。…そして、ナイフの接触部分から、氷が現れゴブリンの剣を凍らした。
どんな考えでやったのかはわからないけど、これは有効だ。ゴブリンのボロい剣とユウのミスリルナイフでは、当然ミスリルナイフの方が硬い。接触したら、ゴブリンの剣は折れてしまう。ゴブリンは例え根本から刃が折れ、柄だけになったところで、その柄すらも武器に使ってくる。だが、凍らせて、なおかつナイフとくっつけてしまえば、ゴブリンは剣を離すしかない。それに、ユウは力は強いみたいなので、ナイフごと奪われる可能性はないだろう。
「…ばいばい」
案の定ゴブリンが逃げようとすると、ユウはちいさく何かを呟いた。パキッパキキッと音がなると、凍っていたゴブリンの剣が粉々に砕けちり、自由になったナイフでゴブリンを切り裂いた。
「ぐぎゃぁ! …ァァ」
本来なら、ゴブリンの大量な緑色の血が吹き出すはずなんだけど、ユウは斬った箇所から、氷魔法で瞬時に凍らせていった。
そして、そのままゴブリン全体を凍らせていき、最後には完全に氷づけになった。
「…んー、文句なしの合格ね」
「…見えたわ。ユウに軽々と抜かされる私の未来が」
「すごい…けど……負けた」
シエルは将来ユウに抜かされる未来に落ち込み、リュミナは、完全敗北したみたいで、四つん這いになっている。
「……うぅ」
「どうしたの?」
てっきり喜んでいるかと思ったけど、ユウはすこし落ち込んでいた。
「すごく…怖かったです……ナイフ短すぎて」
「ああ…依頼は終わったし、戻ったら買いにいきましょう。ユウの武器を」
「はい!」
私の言葉に元気よく返事をしたユウの頭を撫でる。怖かったみたいだけど、ちゃんと倒せているみたいだし、討伐はもう大丈夫みたいね。
…Aランクも行けるんじゃないかしら?
薬草の数は284本。報酬は10本で銅貨1枚。つまり、
「報酬は銀貨2枚と銅貨8枚になります」
「ありがとうございます」
ギルドの受付嬢から報酬を貰うユウ。この時余りの4本は自動的にギルドの方に無償提供となる。それが嫌なら10本持ってこいってことね。
ギルドカード~サタイル支部発行~
ランク:D
名前:ユウ
性別:女
年齢:14
種族:人間
達成依頼 E:10 D:1
返されたユウのギルドカードを見てみると、無事に更新されている。
「よーし。それじゃもう一個受けるわよー。今度は討伐だからねー」
「はぁ…リリィは。…ユウちゃんは大丈夫?」
「だ、大丈夫です!」
「じゃあ、行こう」
討伐は……ジャイアントホープでいいか。
「だからそれはAランク! Dランクじゃなきゃ意味ないから!」
……ち、バレたか。
仕方なくDランクの依頼を受けた私だが、現在再度王都近くの森に入っていた。
今の時間は13時30分ほど。この時間ならパパっと依頼を終わらして、ササッと帰ればAランク受けれるんじゃないかしら。…シエルがまた怒りそうだからやめよう。
今回受けた依頼はDランク冒険者ならほぼ必須な依頼とも言われる、ゴブリン討伐。特にユウは何かを殺すのに抵抗があるらしいのでこの依頼はむずかしいかもしれない。さっきみたいな狂暴なウルフならまだしも、ゴブリンの姿は人間の子供とほぼ変わらない。
…さて、ユウはどこまでやれるかしら?
「ユウ、危ないと感じたらすぐに私達が助けにはいるから、まずは1人でやってみなさい。それと、時魔法は禁止だからね」
「はい!」
時魔法の禁止。ただし、私達だけ、しかも、密閉されている空間なら使用はしてもいい。ということにした。もし私達だけでも、外で不用意に使うと誰かしらに見られる可能性があるからだ。スキル"遠視"などは一番の強敵ね。
「…見つけた」
リュミナは感知魔法を覚えている。最大距離は、1kまで。はっきりってこの距離は低い方なのだけれど、リュミナはどちらかというと攻撃魔法が得意でサポート系は苦手だったりする。もし、ユウがサポート系の魔法が得意そうだったら頼もうかしら。
「さて、リュミナ案内して」
「こっち」
リュミナを先頭に、私、ユウ、シエルの順に進む。
数分後ついに敵と接触した。
「…ゴブリン3」
「私が2体引き受けるから、ユウは一体お願い」
「がんばります」
緑色の人間の子供のような姿をした魔物。それがゴブリン。
私にとってはとるに足らない相手。
「"雷縛"」
魔法名"雷縛"雷魔法の下位魔法。"束縛"の雷属性版だ。これは本来移動を阻害する足止め用の魔法なんだけど、
「…雷はとらえた相手を痺れさせる。なら、出力を上げたらどうなるかしら」
ゴブリンのとらえてる"雷縛"にさらに魔力を送る。
そして、
「ぐぎゃ…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
ゴブリンを焼き殺す。ただの足止め魔法でも使い方次第では低級の魔物なら簡単には殺せる。
「…さ、ユウ行きなさい」
「は、はい。……あ、と、時魔法…? は使わなければいいんだよね?」
「ん? ええ、そうね」
ユウの問いに答えると、ユウはミスリルナイフを取り出した。…そういえば、武器らしい武器を持っていなかったわねユウは。それ、解体用のナイフよ。
ユウの武器は帰ったら買いに行きましょうか。さすがにいつまでも解体用ナイフじゃ…ね。
「…はぁ…ふぅ……いきます……!」
軽く深呼吸をしたあと、覚悟を決めたのかナイフを構えた。
そして、先にゴブリンが動く。
「グギャギャ!」
醜い声をあげながら、ユウに向かってボロい剣を振り上げる。そしてユウは……
…よけない!? もしかして恐怖で動けなくなっているかも!? 仕方ない。ここは助けに、
「大丈夫だから!」
「…っユウ」
私が柄に手をかけ飛び出そうとしたら、ユウが声をあげた。…本当に大丈夫なのかしら。
「ぐぎゃ!」
ゴブリンはそのままユウの頭上に剣を振り下ろす。
…キィィィィン……!
「…ええ」
「やるじゃない」
「発想がすごい」
ゴブリンの剣がユウの頭に当たるかと思いきや、その瞬間、ユウは持っているナイフで剣を受け止めた。…そして、ナイフの接触部分から、氷が現れゴブリンの剣を凍らした。
どんな考えでやったのかはわからないけど、これは有効だ。ゴブリンのボロい剣とユウのミスリルナイフでは、当然ミスリルナイフの方が硬い。接触したら、ゴブリンの剣は折れてしまう。ゴブリンは例え根本から刃が折れ、柄だけになったところで、その柄すらも武器に使ってくる。だが、凍らせて、なおかつナイフとくっつけてしまえば、ゴブリンは剣を離すしかない。それに、ユウは力は強いみたいなので、ナイフごと奪われる可能性はないだろう。
「…ばいばい」
案の定ゴブリンが逃げようとすると、ユウはちいさく何かを呟いた。パキッパキキッと音がなると、凍っていたゴブリンの剣が粉々に砕けちり、自由になったナイフでゴブリンを切り裂いた。
「ぐぎゃぁ! …ァァ」
本来なら、ゴブリンの大量な緑色の血が吹き出すはずなんだけど、ユウは斬った箇所から、氷魔法で瞬時に凍らせていった。
そして、そのままゴブリン全体を凍らせていき、最後には完全に氷づけになった。
「…んー、文句なしの合格ね」
「…見えたわ。ユウに軽々と抜かされる私の未来が」
「すごい…けど……負けた」
シエルは将来ユウに抜かされる未来に落ち込み、リュミナは、完全敗北したみたいで、四つん這いになっている。
「……うぅ」
「どうしたの?」
てっきり喜んでいるかと思ったけど、ユウはすこし落ち込んでいた。
「すごく…怖かったです……ナイフ短すぎて」
「ああ…依頼は終わったし、戻ったら買いにいきましょう。ユウの武器を」
「はい!」
私の言葉に元気よく返事をしたユウの頭を撫でる。怖かったみたいだけど、ちゃんと倒せているみたいだし、討伐はもう大丈夫みたいね。
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