ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました

きくりうむ

第26話ー後日談

 「はい。お疲れ様ユウちゃん。これでDランクになったわ。おめでとう」


 「はい! ありがとうございます! これからもがんばります」


 ゴブリン襲撃があったあの日から3日がたっていた。ゴブリンはというと、私があのちいさな少女…ユウと出会ったあと、急に動かなくなり、全員死んでしまったのだという。そして、こちら側の被害はというと、冒険者の死者は0、兵士、100人ほどだった。これを見るにやはりゴブリンは自分の意思ではなく、誰かしらに洗脳、従わせられていた線が強くなった。


 そして、黒幕の本当の狙いは……たぶん、ミルフィリアというギルド職員の暗殺…………もしくは、ユウの暗殺、だと思われる。


 一応何があったのか聞いてみたのだけれど、ユウは教えてはくれなかった。


 ミルフィリアの死はギルドマスターに伝え、そこから職員、冒険者と瞬く間に広がった。ギルドマスターのザイックはユウ説明を求めたが、下を向いたまま、何も話さない。


 とりあえず落ち着くまで待とう、とその日は解散になり、ユウは宿屋に戻った。


 次の日、ユウは部屋から一歩も出なかった。シエルとリュミナは、私達にも責任があるといって様子を見に行ったが、1人にしてほしいと断られた。


 責任とは何があったのか聞くと、


 「ユウは自分のステータスを偽っているのよ」


 「たぶん、固有スキルかなにか」


 これらの情報をまとめると、ユウはどこからか逃げてきた。そして、追われている。今回のゴブリンはユウを誘きだすのが作戦で、誘きだすのに成功したユウを殺そうとしたが、ミルフィリアに邪魔をされ失敗。そして私がやって来て黒幕は逃げた。


 …まぁ、実際はただたんにミルフィリアが狙われた可能性もあるけれど。結局は、ユウ自信から教えてもらわないとわからない。


 そして、次の日。


 ユウは、ギルドにやってきた。シエルとリュミナがユウと話すまでここに居たいというので、私達はユウと出会うことができた。


 ユウがやってきたのを見ると、問答無用でシエルとリュミナが……さらってきた。


 「…わ、私を食べても美味しくないですよ…?」


 などと、不安そうに告げてくるユウにちょっとキュンっとしたのは内緒だ。


 「…ユウ、私達のパーティーに入らない?」


 パーティーへの誘い。これが今回の目的。


 「…あ、えっと…その…アリシエルさんとリュミナさんには、お世話になったので、誘ってくれて…すごく嬉しいです……でも、そしたら………また……っっ!」


 …また、ね……


 「…あまり、なめないでもらえるかし……ったぁ!?」


 「威圧しない」


 「し、してないわよ!……たぶん」


 リュミナに叩かれた。


 「…私は…みなさんが強いことは知ってます。いろんな人が言ってるのを聞きましたから。でも…それでも……私といると迷惑かけてしまいます」


 下を向きそのまま黙ってしまった。…はぁ、まったく、本当に子供なのかしらこの子は。


 「まったく、子供がそんな事気にしてるんじゃないわよ。」


 「ユウは14歳よ?」


 「14」


 「…うぅ」


 うっそぉ!? 私の1歳下なの!? …てっきり10歳かそこらかと。


 「こほん…とにかく、10歳でも、14歳でも子供は子供よ! だから迷惑なんてたくさんかければいい! 全部、ぶっとばしてあげるから」


 「ふふ、そうね」


 「うん。たくさん迷惑かけていい」


 「…どうして……そこまで…」


 ユウの声が震えている。これは泣いているのか、別のなにかなのか私にはわからない。…だけど、


 「私達がそうしたいからよ」


 「…っ!」


 私がそう言うとユウは席をたった。…だめっだったかしら。


 「…いらい…うけて…きます……帰ったら答えだしますから……あの…」


 「ええ、ここにいるわ」


 「待ってる」


 「がんばりなさい」


 こくりとユウは頷くと、小走りでボードの方に向かっていった。そして……










 「お待たせしました! やっと、Dランクです!」


 「おめでとう、ユウ」


 「がんばった」


 「…さて、それじゃ行くわよ」


 シエルとリュミナに頭を撫でられ恥ずかしそうに顔を赤くしているユウを見て、満足する。


 結局ユウはなにも教えてくれなかったけど、ギルドマスターには話を通しといたし、ユウが言ってくれるのを待つしかない。でも、


 「ほら、王都に帰るわよ!」


 「わかったわ」


 「いいこいいこ」


 「は、はい!」


 これなら、近いうちに教えてくれるかもしれないわね。……ちょっとリュミナの状態が不安だけど……

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