ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました
第22話ー襲撃
4日後。
「大変です!!」
ガチャリとギルドマスターの部屋の扉が開く。
「なんだ!? この忙しいときに!!?」
ギルドマスターはここにきた職員を睨む。どうやらだいぶイラついてるようだ。それも無理もないだろう。なぜなら、
……本来今日の朝到着するはずだった王都からの援軍が来ていないのだから。
今の時刻は12時過ぎ。もうお昼を過ぎていた。もちろんギルドマスターことザイックは王都へと連絡をした。この、"長距離連絡用魔道具"で。
この魔道具の使い方は簡単だ。魔力を流し登録されている同じ魔道具に声とちいさなものなら転移させることができる。以前、会議中に王都から連絡がきたのもこれのおかげだ。
ザイックが王都に連絡をして帰ってきた答えは、不明とのことだった。王都の冒険者を1組向かわせているので、そちらも誰かしら向かわせてくれ、と。
その答えにザイックは頷き冒険者をだした。
「ギルマス! 偵察にだした冒険者が帰ってきました! …それで……」
「なんだ!? 早く言え! 王都の援軍はどうなったんだ!?」
言いにくいのか口ごもる職員に苛立ちを隠せず、叫ぶように詰め寄る。職員はその顔をみて、覚悟を決めた。
「……王都の援軍はおそらく…全滅。……近くに数体のゴブリンを発見し、始末したそうですが……生き残りは見かけなかったと」
「…………はっ?」
「冒険者が言うには、なにやら鋭い刃物で切り裂かれた模様。兵士のほとんどが、腕や足等切断されていたらしいです……」
「……はっ……はははっ」
職員の言葉を聞いたザイックはなにがおかしいのか笑っている。そして……
「…ふっ……ざっけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ドオォォン!! と、テーブルを思い切り叩いた。職員は「ひぃ…!?」と、驚き固まっている。
「…悪い。王都への連絡は?」
「し、しました。至急援軍を送ると……で、ですが、着くのは、1日後になると」
王都からこの街サタイルに来るのは約1日はかかる。
「くそっ…くそがっ! …もう……もう始まっているんだぞ…! ゴブリンとの戦闘が……!!」
ゴブリン。本来は王都の援軍が来てから1日かけて拠点を建設、そして次の日に討伐に向かう手筈だった。だが、ゴブリンの方を観察していた冒険者から連絡が入る。
約1万のゴブリンが武器を持ち、こちらに向かって走ってきている。…そう。あろうことかゴブリンの方からこちらに攻めてきたのだ!
急いで冒険者達には指示を出し、B、Aランクの冒険者と領主の兵士1500人ほど出撃させる。D、Eランクは指定の位置に、残ったCランク冒険者と、兵士で拠点の設営をした。
やってきたのはよくいるただのゴブリンだけで今のところはそれほど被害はない。冒険者は数の多さに多少苦戦し軽い怪我をした程度で兵士は数人犠牲になっただけだ。
これならば、援軍が来るまで余裕で持ちこたえる事ができる。そうザイックは思った。
…だが、ゴブリンの数が減ってくると、次に出てきたのが、ゴブリンアーチャー。その数約1万。
ゴブリンアーチャーは通常ゴブリンの数十メートル後ろから、矢を斜め上に放ち、こちら側だけ矢が当たるように打ってきたのだ。
本来はゴブリンアーチャーにそのような知能はない。前衛に通常ゴブリン、後衛にゴブリンアーチャー。なんだこれは。なぜゴブリンがこんな連携をしてくる。見たこともない大盾持ちのゴブリンと言い、このゴブリンアーチャーと言い、一体なにが起こってる。
ゴブリンアーチャーが登場したおかげで、思うようにゴブリンを退治できなく、たとえAランクといえど、数の暴力には勝てない。
早く! 早く! 援軍よ来い! ザイックは思う。
それから1時間経過。王都に連絡。不明。お互いに兵士のルートに冒険者を向かわせる。
そして、数十分後。扉が開かれ、職員に援軍の全滅を知らされる。
「拠点の設営はどうなってる!?」
「8割がた終わってます!」
「よし! それなら設営してるCランク冒険者に伝えろ! 戦闘に参加しろと! それと俺も出る!」
「はい!」
職員はザイックの言葉を聞くと慌てて走り出す。ザイックは、部屋に置いてある自分の装備を着る。
「…領主に民間人を避難させるよう伝えないとな」
ザイックは呟く。だが、ザイックは思う。…どこに避難させる? 本来なら、前日に王都に避難させる。だが、今回は援軍が来るのでそれをしてはいなかった。
それに今から避難させたところで、ルートは援軍の兵士の死体がある。もしかしたら、近くにいるかもしれないのだ。兵士を殺った存在が。
「…そういえば」
援軍は鋭い刃物みたいな物で殺されているといっていた。それならば、援軍を殺したのは誰だ? …ゴブリンなのか?
10万の兵士をもしゴブリンが殺したのなら……ゴブリンの数は10万じゃ絶対に足りない。20…いや、30はいる可能性を考えていた方がいいのかもしれない。
ザイックはそう思いながら、部屋を出ていく。避難誘導の指示と、いまなお戦っている冒険者と兵士達の元に
「大変です!!」
ガチャリとギルドマスターの部屋の扉が開く。
「なんだ!? この忙しいときに!!?」
ギルドマスターはここにきた職員を睨む。どうやらだいぶイラついてるようだ。それも無理もないだろう。なぜなら、
……本来今日の朝到着するはずだった王都からの援軍が来ていないのだから。
今の時刻は12時過ぎ。もうお昼を過ぎていた。もちろんギルドマスターことザイックは王都へと連絡をした。この、"長距離連絡用魔道具"で。
この魔道具の使い方は簡単だ。魔力を流し登録されている同じ魔道具に声とちいさなものなら転移させることができる。以前、会議中に王都から連絡がきたのもこれのおかげだ。
ザイックが王都に連絡をして帰ってきた答えは、不明とのことだった。王都の冒険者を1組向かわせているので、そちらも誰かしら向かわせてくれ、と。
その答えにザイックは頷き冒険者をだした。
「ギルマス! 偵察にだした冒険者が帰ってきました! …それで……」
「なんだ!? 早く言え! 王都の援軍はどうなったんだ!?」
言いにくいのか口ごもる職員に苛立ちを隠せず、叫ぶように詰め寄る。職員はその顔をみて、覚悟を決めた。
「……王都の援軍はおそらく…全滅。……近くに数体のゴブリンを発見し、始末したそうですが……生き残りは見かけなかったと」
「…………はっ?」
「冒険者が言うには、なにやら鋭い刃物で切り裂かれた模様。兵士のほとんどが、腕や足等切断されていたらしいです……」
「……はっ……はははっ」
職員の言葉を聞いたザイックはなにがおかしいのか笑っている。そして……
「…ふっ……ざっけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ドオォォン!! と、テーブルを思い切り叩いた。職員は「ひぃ…!?」と、驚き固まっている。
「…悪い。王都への連絡は?」
「し、しました。至急援軍を送ると……で、ですが、着くのは、1日後になると」
王都からこの街サタイルに来るのは約1日はかかる。
「くそっ…くそがっ! …もう……もう始まっているんだぞ…! ゴブリンとの戦闘が……!!」
ゴブリン。本来は王都の援軍が来てから1日かけて拠点を建設、そして次の日に討伐に向かう手筈だった。だが、ゴブリンの方を観察していた冒険者から連絡が入る。
約1万のゴブリンが武器を持ち、こちらに向かって走ってきている。…そう。あろうことかゴブリンの方からこちらに攻めてきたのだ!
急いで冒険者達には指示を出し、B、Aランクの冒険者と領主の兵士1500人ほど出撃させる。D、Eランクは指定の位置に、残ったCランク冒険者と、兵士で拠点の設営をした。
やってきたのはよくいるただのゴブリンだけで今のところはそれほど被害はない。冒険者は数の多さに多少苦戦し軽い怪我をした程度で兵士は数人犠牲になっただけだ。
これならば、援軍が来るまで余裕で持ちこたえる事ができる。そうザイックは思った。
…だが、ゴブリンの数が減ってくると、次に出てきたのが、ゴブリンアーチャー。その数約1万。
ゴブリンアーチャーは通常ゴブリンの数十メートル後ろから、矢を斜め上に放ち、こちら側だけ矢が当たるように打ってきたのだ。
本来はゴブリンアーチャーにそのような知能はない。前衛に通常ゴブリン、後衛にゴブリンアーチャー。なんだこれは。なぜゴブリンがこんな連携をしてくる。見たこともない大盾持ちのゴブリンと言い、このゴブリンアーチャーと言い、一体なにが起こってる。
ゴブリンアーチャーが登場したおかげで、思うようにゴブリンを退治できなく、たとえAランクといえど、数の暴力には勝てない。
早く! 早く! 援軍よ来い! ザイックは思う。
それから1時間経過。王都に連絡。不明。お互いに兵士のルートに冒険者を向かわせる。
そして、数十分後。扉が開かれ、職員に援軍の全滅を知らされる。
「拠点の設営はどうなってる!?」
「8割がた終わってます!」
「よし! それなら設営してるCランク冒険者に伝えろ! 戦闘に参加しろと! それと俺も出る!」
「はい!」
職員はザイックの言葉を聞くと慌てて走り出す。ザイックは、部屋に置いてある自分の装備を着る。
「…領主に民間人を避難させるよう伝えないとな」
ザイックは呟く。だが、ザイックは思う。…どこに避難させる? 本来なら、前日に王都に避難させる。だが、今回は援軍が来るのでそれをしてはいなかった。
それに今から避難させたところで、ルートは援軍の兵士の死体がある。もしかしたら、近くにいるかもしれないのだ。兵士を殺った存在が。
「…そういえば」
援軍は鋭い刃物みたいな物で殺されているといっていた。それならば、援軍を殺したのは誰だ? …ゴブリンなのか?
10万の兵士をもしゴブリンが殺したのなら……ゴブリンの数は10万じゃ絶対に足りない。20…いや、30はいる可能性を考えていた方がいいのかもしれない。
ザイックはそう思いながら、部屋を出ていく。避難誘導の指示と、いまなお戦っている冒険者と兵士達の元に
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