ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました

きくりうむ

第16話ー緊急会議

 ゴブリン。ファンタジー世界に存在する定番の魔物。見た目は人形の子供で醜い顔をしている。色は緑。性格は、非常に残虐で人や動物を見たら問答無用で襲いかかる。ゴブリンは1人で行動することが少ない。基本的2人以上の群れで行動する。


 「…でもなぁ」


 宿のベッドでゴロゴロする。ミルフィリアさんは、気にしなくていいって言ってたけど、すぐ近くに大量のゴブリンがいるってのはどうしても気になるよなぁ。特に僕じゃゴブリンなんてきっと倒せないし…。たとえゴブリンでも生き物を殺すとかって無理だよ。あと、怖そう。


 ランクの高い冒険者の人達は、討伐に向かったりするんだろうな。やっぱり怪我する人とか、死んじゃう人とかいるのかな。これがゴーレムの大群とかスライムの大群とかだったら平気なんだけど。


 「…気にしたって仕方ないしいつもどり過ごそう」


 ギルドカードを取り出す。依頼達成数は6。あと4つだ。明日もがんばろう。










 場所は変わってギルド内会議室。そこに何人かの人達が集まり座っていた。そして皆が皆が色々な武器を持っている。


 「これは一体どういう事なんだ?」


 大剣を持った男、名をルグド。


 「大規模な集落か」


 短剣を持った男、名をライシェル。


 「それにただのゴブリンだけじゃないわ」


 杖を持った女、名をミナ。


 「アーチャーにメイジ、それに大盾を持った見たことがないゴブリンもいる」


 弓を持った女、名をポルゥ。


 各々が疑問に思っている事を言う。


 「だからこそ、お前達を呼んだんだ。…この街の最大戦力であるAランク冒険者パーティーのお前達を、な」


 Aランク冒険者。冒険者ギルドの中で基本的に最も高いランク、実力は人の中では最強の存在である。


 「最大戦力…ね。そういえば、"神速の雷神"が来ていたみたいだけど?」


 ミナが、思い出したかのようにその名を出す。その言葉を聞いた1つのパーティーがざわめきだす。


 「なんだと? それならなぜ今ここにいない?」


 パーティー名"剛鉄の破壊"。そのリーダーであるルグドが疑問を口に出す。


 「タイミングがあわなかったんだ。あいつらがこの街を出たのが早朝。ゴブリンの報告が来たのが昼だ。それに王都で依頼を受けているらしく、今何の依頼を受けたのか確認している」


 強面の男性、この街のギルドマスターであり、名をザイック。


 「なるほどね。その受けている依頼内容によっては、救援はだせない、と」


 「ああ、だが、神速の雷神はパーティーを組んだらしくてな、Aランク2人ついている」


 「…それは、少し期待してもいいのかしら」


 「どうだかな。結局は内容による」


 ギルドマスターのザイックと魔法使いミナの2人が話していると会議室の扉がコンコンとノックされた。


 「入れ」


 ザイックが許可を出すと、1人の女性の職員が入ってきた。ミルフィリアである。


 「マスター。王都のギルドから返答がきました。これを」


 「そうか。ありがとう」


 ミルフィリアはザイックに手紙を渡すと、一礼をして会議室を出ていく。それを見届けたザイックは、手紙の封を切り、中身を取り出した。


 「…っ! 運が悪いな俺達は」


 手紙を読んだあと、そう呟いたザイックは手紙を皆が見えるようにテーブルへと置いた。


 それを見た全員が息を詰まらせた。書かれていたのは未確認の魔物の調査及び討伐。すでにその魔物は村を1つ襲っており、大変強暴な魔物と予想される。


 「これは期待できそうにないな」


 「そうね」


 ルグドにミナの2人が言う。


 「Sランクの神速の雷神に頼れないとなると、俺達だけでやるしかないか」


 ザイックが辛そうに言う。Sランク冒険者とは、Aランクのさらにその上。Aランクが人の中では最強の存在ならば、Sランクというのは人外。人という種族に収まらないほどの強さを持った存在だ。


 「今この街にいる冒険者の数は?」


 「Aランクがお前ら2パーティーの7人、Bランクが5人、Cランクが21人。Dランクが43人、Eランクが6人。プラス俺と、ミルフィリアの合計84人」


 「少ないわね。昔は100は越えてたでしょ」


 「王都に流れているのと、年々冒険者に入る人口が減ってるんだ」


 「今月入ったのなんて1人だけだぜ」と、ザイックはハハッと笑いながら軽口を言う。


 「領主様は何て言っているのかしら?」


 「ああ、領主の館に100人残し、あとは兵力として使えと。人数は約2800」


 「そう。やっぱり、この街だとそのくらいかしらね。比較的平和だから」


 サタイルの街は回りにこれといって強い魔物はいない。故に、高ランクになると、王都に流れたり、街の兵力が少なく指定されている。代わりに王都にはかなりの人数がいる。


 「ああ、そして今回はそれが仇になった」


 「王都からの支援は?」


 「準備に5日はかかると。まぁ、たしかに生半可な人数で来られてもここに来るまでに全滅がおちだからな」


 「そうよね。混乱を避けるため、ここにいるメンバーと一部の職員を除いて、大規模な集落があるとしか伝えてないものね」


 ミナがそう言うと全員が暗い顔をした。


 「…ああ、今のところ被害はないから、バレてはいないが、本当は大規模な集落が10以上あるなんて言ったら、大混乱に陥るだろうしな」

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