ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました

きくりうむ

第14話ー休日の過ごし方

 結局あれから、なぜか僕だけ幻草を何個も取ることができた。だけど、僕がとったやつをアリシエルさんやリュミナさんが持とうとすると、なぜか消えてしまう。普通は一度取ったやつは他の人がとっても消えないらしいんだけど…。


 それに僕が幻草をとれることさえそもそもおかしい。だって普通に幻草のこと考えてたのにとれたんだよ。絶対におかしい。


 でも、他の人が持たなければ僕が手を離して地面に置いたとしても消えてはなくならない。だから、まぁ箱とかにいれておけば大丈夫みたい。


 とりあえずとれたにはとれたので、次の日の朝、ギルドに行ってミルフィリアさんに相談してみた。そしたら、ミルフィリアさんが勤務中にも関わらず、依頼主の所に行って、伝えてきてくれた。


 そして、どうやら依頼主的には、どうせ他の人がとるのがいつになるか分からないので、それなら直接は持てないが、手元に置いておくのは可能なら、この依頼は達成という形でいいという結果になった。


 そんなわけで、今回の依頼も無事に達成というわけだ。ミルフィリアさんとは別れ、一回宿に戻ってギルドカードを確認した。


 ギルドカード~サタイル支部発行~
 ランク:E
 名前:ユウ
 性別:女
 年齢:14
 種族:人間
 達成依頼 E:5


 ギルドカードに依頼達成数5と表示されている。ついに折り返し地点にきた。


 だけど、今日は前回ミルフィリアさんと約束した休日の日にする予定だ。アリシエルさんとリュミナさんは、今日から以前より受けていた依頼を再開するみたいだから、すでにお別れをしている。この街も出ていくみたいだから、当分は会えないみたい。でも、終わったら今度はリーダー連れて会いに行くと言っていたから、また会えると思う。リーダーってどんな人なんだろう?


 休日といっても、何をしようか。ここに来て、今までずっとお仕事しかしてないから、これといって特にしたいこととかがない。趣味とかもないからなぁ。まぁ、あったとしてもここでできるかはわからないけど。


 今の所持金は銅貨7、銀貨11、金貨1。服は、昨日買ってもらったから当分は良いとして、金貨1枚あれば、あの宿で約1ヶ月は暮らせる。そして、1ヶ月あれば、EランクからDランクに上がっているはずだから、さらに報酬は良くなっているはず。


 ここは思いきって、金貨は宿用に残しておいて、他は、買い物やら、食べ物やらに使ってしまおうか。


 それとも、今までお世話になった人に何かしらプレゼントって、いう手もある。いや、むしろプレゼントした方がいいよね。さんざんお世話になっておきながら、なにもしないっていうのはやっぱりダメだと思うし。


 そうなると、最初は門のおじさんかな。身分証持ってなかった僕に、本当は通行税というのがかかるのに、無料で通してくれた人。たぶん、悪いことなんだと思うけど…。でも、あの時お金とか持ってなかったから助かったけど。


 そういえば、一緒にこんなのも貰ったっけ。トランプみたいな木の板。これが仮の身分証になるって、元日本人の僕からしてみれば信じられないことだ。だってこれ、木の板に名前ほってあるだけだよ。


 「あれ?」


 左手にギルドカード。右手に仮の身分証。……あ、やばい。そういえば、カード作れたら仮の身分証の方返すように言われてた……。


 あれから5日たったよね。普通に忘れてた。これ大丈夫なの? まだ何も言われてないけど。…いや、絶対ダメだよね。すぐに返しに行かないと。あぁでもそのまえに何かしら買っていかないと。


 門のおじさんって、なんだったら嬉しいんだ。お詫びとして使えて嬉しいものってなんだろう。食べ物かな。お肉系とか。あとは、何かしらの装飾品とか。よし。食べ物は最後で先に雑貨屋に行こう。いいのあるといいんだけど。


 「ちょっと出掛けてきます」


 「はい! いってらっしゃい」


 部屋を出て1階に行くと、ちょうど受付にルーシャがいたので挨拶をしておく。さて、雑貨屋はこっちだね。一度行ったことあるから迷うことはないだろう。むしろあの場所で迷う人はいないか。ギルドの3つとなりだし。


 歩くこと数分。雑貨屋についたので、中に入る。カランカランと鈴の音がなった。


 「いらっしゃい! って、ユウの嬢ちゃんじゃないか」


 「お久しぶりです」


 会ったの一昨日だけどね。そうだ。ガルドさんに大人の男性が好きそうな物を聞いてみよう。


 「ガルドさん。お世話になった門のおじさんにプレゼントを渡したいのですが、なにかオススメとかありますか?」


 「お? 門番のやつにか? …それならいいのがあるぜ」


 ガルドさんが自信たっぷりに言い、商品を持ってくる。


 「この、疲労軽減効果つきの物だな。男なら、ネックレスっていったところだな」


 疲労軽減効果つきの商品。見た感じイヤリングと同じシリーズなのかな。色とかも同じだし。というか、こんな店でも効果つきの商品って売ってるんだ。


 「一応これの中位型もあるぜ」


 そう言って、ガルドさんが裏からまったく同じなネックレスを持ってきた。


 「中位ってなんですか?」


 「お? 知らないのか? そうだな。まず、こういう効果つきの物は魔道具っていってな。その魔道具には、さらにランクがあるんだ。それが下から下位、中位、上位っていう。そのランクが高いほど効果が高くなる。ついでに値段も高くなるぞ」


 ガルドさんが丁寧に教えてくれる。


 「中位の疲労軽減は、嬢ちゃんがこの街を走って1周しても、100mほどしか走ってないくらいしか感じなくなるぞ」


 おぉ、それが本当ならとてつもなくすごいものじゃないだろうか。でも、お高いよね。それ。


 「値段は金貨20枚だ」


 「…20枚」


 そもそも桁が違ってたよ。まったく手がでない。


 「ちなみに下位の方は金貨5枚だぞ」


 効果つきは諦めようか。そういえば、もしかしてこれも効果つきなのかも。


 髪留め。僕が以前ここに依頼で来たときに見つけた流れ星模様の物だ。あの時も金貨5枚で諦めたんだけど。効果つきの下位と同じ値段ということは、あれも効果つきの物だったのかもしれない。


 「あの、これは?」


 流れ星模様の髪留めをガルドさんに見せる。


 「ああ、それは素早さが上がる効果を持った魔道具だな。疾風シリーズともいう」


 やっぱりか。この髪留めも置いておくとして、効果つきは高いし、普通のにするしかないよね。はぁ…


 「あ~嬢ちゃん。これなら銀貨5枚なんだがどうだ? 耐久度アップの効果がついた魔道具なんだが」


 耐久度アップ? 装備が壊れにくくなるとかかな。しかも銀貨5枚!? 


 「一応これがなぜ安いのかというと、下位の魔道具は需要がないんだ。こういう魔道具は中位から性能が、ぐんっと上がってるんだが、下位は比較的低い。だが、さっきいった疲労軽減だったり、素早さアップっての、少しでも上がれば役に立つんだよ。その点耐久度アップは、たった少しだけ上がっても、狩にはほとんど影響ないし、壊れてきたら鍛冶屋で直してもらえるし、冒険者ってのは、予備の武器をいくつか持っていくのが普通だから、これ買うより、予備の武器を買った方がいいっていうのがあって、ほとんど売れないんだ」


 …なるほど。確かにわかるような気がする。うーん。銀貨5枚なら全然買えるんだけど、門のおじさん喜んでくれるかな。


 「それに嬢ちゃんなら別に何をプレゼントしようが、門番のやつは嬉しいと思うけどな。よく言うだろ。気持ちが一番大事だって」


 気持ちかぁ。わからなくもないけど……よし。悩んでても仕方ない。これを買おう。あと、適当に食べ物買って行こう。


 「ガルドさん。それ買います!」


 「毎度あり! がんばれよ嬢ちゃん!」


 「はい!」


 ガルドさんに銀貨5枚渡して、耐久度アップのネックレスタイプを受けとる。鎧きてるから、指輪とかイヤリングとかだと、邪魔かなと思ったので、これにした。


 それから、適当なお肉系の屋台を色々と回り門のおじさんのところにへと向かった。










 結果を言うと、なんかものすごく喜ばれた。それに身分証の件は特に問題はなかったみたい。あとは、買ってきた食べ物とかを一緒に食べることになったので、食べながら色々と雑談したりとか。ちなみにおじさんの名前はイラジさんっていうみたい。


 明日から依頼がんばるぞー!

「ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く