ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました
第12話ー冒険者生活4日目3
こうやって2人と一緒に歩いていると、なんだか2人が保護者に見えてきた。
「身体能力強化はレベルいくつなの?」
「…!?」
アリシエルさんが話しかけてきたと思ったら、スキルのレベルを聞いてきた。
スキルレベルくらいなら、ゲームとかでよくあったから意味事態はわかるんだけど、そもそもこの世界のスキルレベルの上限って、いくつなんだ。下手に多く言って、上限より上だったらばれるし。かといって、低く言ったらそのレベルじゃ、木材持てないとか言われそうだし。
2…いや、3にしとこう。レベルが細かくないことを祈るしかない。
「3…です」
「…3? そう。結構高いわね」
うぇ!? 3って高いの? うぅ…失敗したかな。
「でも、それだけあるならこの依頼も大丈夫そう」
「そうね。もしもの時は手助けしようとも思ったけど」
「だ、大丈夫ですよ! ちゃんと1人でできますから」
ミルフィリアさんといい、アリシエルさんといい、僕の回りには優しい人でいっぱいだ。
「…ん。ここ…ね……」
場所は、この街を囲む壁際。そこには、10tはあるんじゃないかってくらいの大量の木材が置いてあった。しかもそれが数十個。
「うわぁ…」
「多い」
さすがに2人も驚いているらしく固まっている。
「…おぉ、もしかしてあんたら依頼を、受けてくれた冒険者か?」
向こうから、30代くらいのおじさんが声をかけながらやってきた。
「あ、私です。今日は依頼を見てやってきました!」
「嬢ちゃんなのか? 見ての通りこんなんだが大丈夫か?」
大量にある木材を指しながら不安な感じで話す。
「はい。身体強化のスキルあるので大丈夫です」
「そうか。それなら大丈夫だな」
スキルの事を言ったら簡単にいけた。
「そっちの2人の嬢ちゃんは?」
アリシエルさんとリュミナさんに向けて疑問をなげかける。
「うーん…強いて言うなら、見守り役ね」
「うん」
「あぁ…わかった。それじゃ2人は、向こうのベンチがあるところで見守ってやってくれ」
おじさんはベンチがある方を指差しながら言う。
「ええ。わかったわ。ユウがんばりなさい」
「がんばって」
「はい。ありがとうございます」
2人はそう言うと指定されたところに行ってしまった。
「よし。それじゃちいさい嬢ちゃんはこっちだ」
ちょ、ちいさいは余計じゃないかな!? 事実だけど!
☆
「ねえ、リュミナ。どう思う?」
「とてもいい子」
思っていた言葉とはまったく違っていたため若干崩れ落ちるアリシエル。リュミナとは、Dランクからの付き合いで、1年以上は一緒にいる。リュミナはあまり感情が表に出ない性格で、やっと最近になって少しだがわかるようになってきたところだった。この言葉もからかっているということも。
「いい子なのは分かるわよ。そうじゃなくて」
「わかってる。ユウが本当の事を言ってないってことは」
ちょっと危なっかしいが、今もなお楽々と木材を運んでいる姿を見て、確かに身体能力スキルがレベル3はあるのかもしれない。だが、おかしいのだ。
「年齢は14。だったわよね?」
「うん。鑑定で見たから」
"鑑定"。対象のステータスを除くことができるスキル。これにも、もちろんレベルがある。
そもそもスキルというのは、簡単に会得はできない。早い人でも1年はかかる。そして、レベル1からレベル2にあげるのは5年。2から3にあげるのは10年かかると言われている。それなのにだ。ユウはたった14才でレベル3まであげているのだという。
「…普通はありえないわ」
「うん。私みたいに継承ならわかるけど…」
「でも、継承ではない?」
「うん。そして、そもそもスキルを1つも持っていない」
リュミナの言葉にアリシエルは驚愕する。
「それだけじゃない。…適正属性も、使える魔法も1つもなかった」
「…まさか……固有スキル?」
固有スキルとは、その人にのみ使えることが許されたオリジナルスキルである。発現方法はいずれも不明。最初から発現している者もいれば、途中から発現する者もいる。
固有スキルはその全てが最強とされている。戦闘系のスキルなら1人で一国を相手にできたり、補助、回復系のスキルなら、そのたった1人をめぐって国が戦争すら起こすこともある。
「うん。その可能性はある。もしくは、何らかの魔道具。どちらかというと、こっちの方が可能性は高いけど…」
「見た感じ、そんなものないわよね…」
ユウが身に付けているものは、ワンピースにイヤリング、そして何の変哲もない女物のサンダル。
「うん。あのイヤリングは魔道具だけど、あれは疲労軽減のやつ。前に見たことある。他のは特に魔法力が感じられないからただの服とサンダル」
疲労軽減のイヤリング。身に付けていると、少しだけ疲労を軽減する。ただそれだけ。
「…はぁ、それにしても恐ろしい子に出会ったわね」
「うん。それと、隠したがってるのに無理に聞くのはダメ。悪いことしそうにはみえない」
誰があんな天使みたいな笑顔で仕事をしている少女が固有スキル持ちだと思うだろうか。少し危なっかしいが…。
「そうね。それに、ユウ自身隠しているようだし、大丈夫よね」
「うん」
2人はそれを区切りに、あとは、ユウがいかに可愛いのか話ながら仕事ぶりを見学しているのだった
「身体能力強化はレベルいくつなの?」
「…!?」
アリシエルさんが話しかけてきたと思ったら、スキルのレベルを聞いてきた。
スキルレベルくらいなら、ゲームとかでよくあったから意味事態はわかるんだけど、そもそもこの世界のスキルレベルの上限って、いくつなんだ。下手に多く言って、上限より上だったらばれるし。かといって、低く言ったらそのレベルじゃ、木材持てないとか言われそうだし。
2…いや、3にしとこう。レベルが細かくないことを祈るしかない。
「3…です」
「…3? そう。結構高いわね」
うぇ!? 3って高いの? うぅ…失敗したかな。
「でも、それだけあるならこの依頼も大丈夫そう」
「そうね。もしもの時は手助けしようとも思ったけど」
「だ、大丈夫ですよ! ちゃんと1人でできますから」
ミルフィリアさんといい、アリシエルさんといい、僕の回りには優しい人でいっぱいだ。
「…ん。ここ…ね……」
場所は、この街を囲む壁際。そこには、10tはあるんじゃないかってくらいの大量の木材が置いてあった。しかもそれが数十個。
「うわぁ…」
「多い」
さすがに2人も驚いているらしく固まっている。
「…おぉ、もしかしてあんたら依頼を、受けてくれた冒険者か?」
向こうから、30代くらいのおじさんが声をかけながらやってきた。
「あ、私です。今日は依頼を見てやってきました!」
「嬢ちゃんなのか? 見ての通りこんなんだが大丈夫か?」
大量にある木材を指しながら不安な感じで話す。
「はい。身体強化のスキルあるので大丈夫です」
「そうか。それなら大丈夫だな」
スキルの事を言ったら簡単にいけた。
「そっちの2人の嬢ちゃんは?」
アリシエルさんとリュミナさんに向けて疑問をなげかける。
「うーん…強いて言うなら、見守り役ね」
「うん」
「あぁ…わかった。それじゃ2人は、向こうのベンチがあるところで見守ってやってくれ」
おじさんはベンチがある方を指差しながら言う。
「ええ。わかったわ。ユウがんばりなさい」
「がんばって」
「はい。ありがとうございます」
2人はそう言うと指定されたところに行ってしまった。
「よし。それじゃちいさい嬢ちゃんはこっちだ」
ちょ、ちいさいは余計じゃないかな!? 事実だけど!
☆
「ねえ、リュミナ。どう思う?」
「とてもいい子」
思っていた言葉とはまったく違っていたため若干崩れ落ちるアリシエル。リュミナとは、Dランクからの付き合いで、1年以上は一緒にいる。リュミナはあまり感情が表に出ない性格で、やっと最近になって少しだがわかるようになってきたところだった。この言葉もからかっているということも。
「いい子なのは分かるわよ。そうじゃなくて」
「わかってる。ユウが本当の事を言ってないってことは」
ちょっと危なっかしいが、今もなお楽々と木材を運んでいる姿を見て、確かに身体能力スキルがレベル3はあるのかもしれない。だが、おかしいのだ。
「年齢は14。だったわよね?」
「うん。鑑定で見たから」
"鑑定"。対象のステータスを除くことができるスキル。これにも、もちろんレベルがある。
そもそもスキルというのは、簡単に会得はできない。早い人でも1年はかかる。そして、レベル1からレベル2にあげるのは5年。2から3にあげるのは10年かかると言われている。それなのにだ。ユウはたった14才でレベル3まであげているのだという。
「…普通はありえないわ」
「うん。私みたいに継承ならわかるけど…」
「でも、継承ではない?」
「うん。そして、そもそもスキルを1つも持っていない」
リュミナの言葉にアリシエルは驚愕する。
「それだけじゃない。…適正属性も、使える魔法も1つもなかった」
「…まさか……固有スキル?」
固有スキルとは、その人にのみ使えることが許されたオリジナルスキルである。発現方法はいずれも不明。最初から発現している者もいれば、途中から発現する者もいる。
固有スキルはその全てが最強とされている。戦闘系のスキルなら1人で一国を相手にできたり、補助、回復系のスキルなら、そのたった1人をめぐって国が戦争すら起こすこともある。
「うん。その可能性はある。もしくは、何らかの魔道具。どちらかというと、こっちの方が可能性は高いけど…」
「見た感じ、そんなものないわよね…」
ユウが身に付けているものは、ワンピースにイヤリング、そして何の変哲もない女物のサンダル。
「うん。あのイヤリングは魔道具だけど、あれは疲労軽減のやつ。前に見たことある。他のは特に魔法力が感じられないからただの服とサンダル」
疲労軽減のイヤリング。身に付けていると、少しだけ疲労を軽減する。ただそれだけ。
「…はぁ、それにしても恐ろしい子に出会ったわね」
「うん。それと、隠したがってるのに無理に聞くのはダメ。悪いことしそうにはみえない」
誰があんな天使みたいな笑顔で仕事をしている少女が固有スキル持ちだと思うだろうか。少し危なっかしいが…。
「そうね。それに、ユウ自身隠しているようだし、大丈夫よね」
「うん」
2人はそれを区切りに、あとは、ユウがいかに可愛いのか話ながら仕事ぶりを見学しているのだった
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