ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました

きくりうむ

第8話ー冒険者生活3日目

 今日も今日とて依頼を受けにギルドにやって来ている。今回受けるのはこれ。


 お店の店番。


 報酬は、銅貨5枚。なぜこれを受けたのかというと、他にこれといってやりたいのがなかったから。


 いつもどおりミルフィリアさんに、ハンコをもらい、地図をみる。


 「あれ、これギルドの3つとなりだ」


 全然気づかなかった。んー、運いいなぁ僕。


 そんなことを思いながら、歩いてお店にへと向かう。今日は昨日ほどではないけど、また若干早めに来たので、人はあまりいない。これが、お昼辺りには、人通りがやばくなるのが本当につらい。街とかより、村辺りのが合ってるのかもしれないな僕。


 「えっと、雑貨ライル店?」


 雑貨屋としか書いてなかったから、なにも思わなかったけど、こういう○○店って、書かれているのを見ると、どういう経緯でつけたんだろうなぁ。と、いつも思う。思うだけで、特に聞いたりはしないけどね。


 カランカラン。


 扉を開けると、鈴の音がなった。この世界は、お店とか宿屋は鈴が常識なのかな。結構きれいな音するよね鈴って。


 「いらっしゃい!」


 カウンターには、剥げてるおっちゃんがいた。…なむ。


 「ん? どうかしたのか? 嬢ちゃん」


 「いえ、なんでも…あ、私冒険者のユウです。今日は依頼を受けてやってきました」


 カウンターに行き、おっちゃんに依頼書を見せる。


 「おぉ、冒険者なのか。いやぁ、まだ、子供なのによくやるじゃないか」


 依頼書を受け取った、おっちゃんは何がおもしろいのか笑っている。


 「俺は、ガルドっていうんだ。今日はよろしくな。嬢ちゃん」


 「よろしくおねがいします」


 まだこの街に来て3日目だけど、初めて会う人に、緊張しなくなっている気がする。今も普通に話せてるし。いやぁ、あの門のおじさんの時とかすごかったなぁ。結構テンパったような気がする。


 門のおじさん元気にしてるかな? かといっても、これといって外に用事がないから、まだおじさんに会うのは先かなぁ。


 「それじゃ、内容を教えるぞ。こっちだ」


 「はい」


 ガルドさんに手招きされカウンターにへと入る。


 「嬢ちゃんにやってもらいたいのは、依頼書に書いてあった通り店番だ。とはいっても、俺がいなくなることはないから、そこは安心してくれ」


 知ってた。むしろ、ここに1人置き去りにしたら、色々と物とか取られそうだしね。あ、僕は取らないからね! 本当だよ!?


 「まぁ、なんで依頼を出したのかというとだな、ここんとこずっと働きづめでよ。さすがにそろそろ休みがほしいんだわ」


 自営業って、定休日とかないと、ずっと働きづめだよね。


 「んで、依頼を出して、俺が裏で、今日1日休んでるから、閉店までの間、店番を頼みたいわけだ」


 …チラリと置かれている依頼書に目をやる。…わぁ、本当に閉店までって書いてある。全然気づかなかった。


 「基本的、客が来なかったら、嬢ちゃんは自由にしてもらって構わない。あ、勝手に外にでるのは禁止だぞ。もし何らかの理由があって外に出たいときは言ってくれ」


 自由行動の許可をいただきました。え? 出てないって? いやいや、お店の中は自由行動でしょ?


 「椅子持ってきてやるから、座っててもいいし、そこらの品物を見ててもいいぞ。あ、盗むのはだめだからな」


 「はい、大丈夫です。そんなことはしません!」


 盗みは犯罪。絶対にだめ。


 「うん、いい返事だ。それじゃ、料金についてなんだが、品物1つ1つにこういうちいさな紙が巻き付けられている」


 付箋みたいなやつだった。さすがに、色とりどりじゃなく、真っ白い付箋だけど。


 「この紙に特殊なインクで、銅、銀、金と書かれていてな。わかると思うが、銅と書かれていたら、銅貨、銀と書かれていたら銀貨になる」


 ガルドさんが丁寧に説明をしてくれる。それに、これなら僕でも間違わずにできそうだ。


 「こんな風に、銅 3 とか、こっちの銀 5とか。こんな風に書かれているのは、銅は銅貨3枚、銀は銀貨5枚の料金ってことになる。数字が書かれてないのは、1枚だ」


 付箋を見てみると、たしかに数字が書かれている。ここまで親切設計とは。このお店良いところじゃん! 僕も何か欲しいものがあったらここにこようかな?


 「それじゃ、俺は裏にいるから、何か分からないことがあったら言ってくれ」


 「はい! がんばります!」


 さーて、お仕事開始だ。










 店番を始めてから約1時間経過した。僕は、誰もお客さんが来なかったので、どんな物があるのか物色中。 


 うーん、ペン、小物入れ、果物ナイフ、木製のスプーンにフォーク、何かよくわからない物。見たことあるような物もちゃんとあるけど、よくわからないような物も結構ある。


 「…ん?」


 これは、髪留め? 


 見つけたのは、流れ星模様のきれいな髪留めだった。


 「おぉ…きれい」


 何かしら塗ってあるのか、キラキラと淡く光っている。…ちょ、ちょっとだけつけてもいいかな。


 カウンター近くに置いてあった、ちいさな鏡があるとこに向かう。そして、ぱちん。


 「お…おぉぉぉぉ……」


 ただでさえ、見た目がすごくかわいいこの神様作の体に、髪留めというちいさなアイテムで、さらにかわいさに磨きがかかった気がする。


 「これいくらするんだろう」


 もし安かったら、お金に余裕できたら買いたいな、と思い、付箋を見てみる。


 「…へ? 金の5枚? え? 金貨ってこと?」


 ……そっと、元の場所に戻す。


 さーてお仕事お仕事。

「ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く