どうやら僕は世界で4人目の妖魔のようです

ゆーちゃ

2 登校

みちると話しながら学校までの道のりを歩く。
歩いている間止まることなくみちるは話し続けている。
…相変わらずのマシンガントーク
「お兄聞いて聞いて!私昨日部活でスリーポイントシュート5本連続で決めたんだよ!!そのおかげでミニゲーム勝てたよ!あっでもね私だけじゃなくてやっぱりチームワークが良かったかな!昨日組んだチームは私と特に仲がいい人たちでね…」
こんな感じでずっと話している。正直僕が口を挟む余裕はない。最近は僕が聞いているかどうかは関係なく、ただ自分が話していたいだけなんじゃないかと思っている。

とまぁ毎朝妹の話に付き合いつつ僕らの学校、桜蘭学園に向かう。僕は高等部2年、妹は中等部3年だ。
さっきの話でわかるように妹は頭は少し弱いが運動神経がよく、バスケ部エース。
僕は運動も勉強も普通。僕にだってひとつくらい取り柄があってもいいじゃないか!

なんて思いながら歩いていると学校に着いた。
「じゃあお兄!私は中等部の方に行くからね!」
「ん、じゃあな。」
ぶんぶん手を振りながらみちるが中等部の方へ行く。
僕も軽く手を振りながら高等部へと向かう。

「よっあきら、相変わらず眠そうな顔してんなぁ!」
「この顔は生まれつきだ。しかも今日はいつもより目が覚めてる方だぜ」
「おぉー!わかりづらいがあきらがドヤ顔してるのはわかる…!」
下駄箱のところで会ったのは小等部から一緒の件河 雄斗(けんが ゆうと)。強面でヤンキーみたいな鋭い目つきをしていて最初はちょっとビビる。
(実際僕もはじめましてのときはびびったなぁ。)
でも話してみるとどんな話題でも楽しそうにしてくれて、例えるなら…でっかいわんこだな。
「そうそうあきら、今朝のニュース見たか?」
今朝のニュースというと…
「あれか?駅前で女性が襲われたってやつ。」
「それそれ!噂によるとさ、襲ったやつ吸血鬼だって話だぜ!」

ここでこの国のことを教えよう。
今の日本は多種族共存国家と言って、様々な種族がいる。
さっきも出たように、獣人。
見た目は人間だが、獣人本来の力を開放すると身体能力は人間のおよそ1,5倍。
嗅覚や聴覚も優れている。
次に吸血鬼。
と言っても血を飲むために人を襲ったりはしない。(たまに出るけど…)
普通に人間の食べてるご飯も食べることができる。なんなら血はスーパーとかで売ってる。そりゃあもう普通に。
血を飲む前は人間と変わらないが、血を飲むと人間のおよそ4倍。だが自分の限界を超え血を大量に摂取すると、自我がなくなり無差別にあらゆるものを破壊する怪物になってしまう。
あとは…体内に幻獣をやどし幻獣の数が多ければ多いほど体内に保有する魔力が多い…この世界で最強と言われる…妖魔。
今現在世界中で確認されている妖魔は3人。
1人で国を壊滅できるほどの戦力を保有している…らしい。

「本当に吸血鬼なのか!?あきらはどうおも…ぎゃん!」
「邪魔なんだけど!」

雄斗の頭を鞄で叩いたのは中等部から一緒の  扇河 麗羅(せんが れいら)。緩やかなウェーブしている金髪。うっすらとしているメイク。体型はスラッとしていて10人が10人美人だと言い切れるほどの美人さんだ。
(ただし口は悪い…)
「叩くことねぇじゃねぇか!」
「うっさいわ、邪魔なものは邪魔なのよ!」
ぎゃんぎゃんと言い争いをする2人。まぁいつものことだ。
「2人とも、そろそろチャイムなるよ?」
「ちっ、仕方ないわ。決着はまた今度つけましょう。」
「売られた喧嘩は買うまでだ!やってやるぜ!」
…喧嘩するほど仲がいいっていうしね!
現実逃避しながら教室へ向かう。



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