さあ、始めようか

きくりうむ

冒険者ギルド

赤髪と青髪に連れられてやってきたのは冒険者ギルド。
 今、俺の目の前にはそのギルドが立っている。
 なんというか、想像通りの建物だなと思った。
 目印としては、入り口の上に剣が2本交差してるような看板が目に入る。

 そして、俺はその中へと入った。
 中には今まで騒いでいた冒険者と思える奴らが急に静かになり、ほとんど全員が俺の事をみる。
 そして口々に、「誰だあれ?」「新人か?」など、言っている。

 俺は特に気にせず前へと歩み出す。
 後ろから、赤髪と青髪も続く。
 その瞬間静かだった冒険者達が急に騒ぎ出した。
 「ミナにアイリ!?」や「な、なんでこんな見るからに怪しいやつと一緒に…!?」

 (…ちっ、騒がしくなりやがった。こいつら有名なのか?)

 「おい、お前ら。用があるならさっさとしてくれ」

 「あう、あ、あの、あなたも一緒に来てもらいたいんだけど…?」

 なに? 俺もだと?

 「…何処だ……」

 物凄く低い声で赤髪を睨みつけながら言う。
 赤髪は、「うう…」と下を向きながら目的の場所へと歩いてく。
 青髪は、何故か赤髪の後ろに隠れながら歩いている。

 赤髪が着いた先は、真ん中の多分だが受付をする場所だった。

「シィルさん」

 シィル…と赤髪は言った。
 緑の綺麗な髪を伸ばし、見た感じ20代前半で、とても綺麗な顔立ちをしている。
 引っ込んでる所は引っ込み、出ている所も引っ込んでいた。
 シィルと呼ばれた、受付の人はすでに赤髪達に気づいていたらしく、名前を呼ばれた途端涙目で返事をした。

 「よかった! 2人とも無事で! 心配したんですよ? …あと、その人は誰でしょう…?」

 最初は赤髪と青髪の奴を見て、喜んでいたが、今度は俺の方を見て、頭に? マークを浮かべている。
 赤髪は、少し苦笑いしながら答えた。

 「その、私達が死にそうなところを助けてくれた人なの」

 「そうだったんですか!? あ、ありがとうございます!」

 シィルは赤髪からそう聞くといきなりその場から立ち上がり頭を下げてお礼を言いはじめた。

 「別にいい…それより、お前らの用事はなんだ…?」

 「あ、そうだ。シィルさん、聞いてください!」

 「は、はい!」

 やっと本題に入った2人。
 青髪は、何故か俺の所に来てる。

 「おい、お前は行かなくていいのか…?」

 「はい。こういうのは、ミナに任せるようにしてるんです。…私、話すの苦手ですから」

 「ああ…」

 青髪の今までの態度を見てた俺はすぐに納得した。つまりあれだな。
 コミュ症というやつか。
 まあ、どうでもいいが早く帰りたい。




 5分後。
 やっと、話し終わったのか、赤髪がこちらにやってきた。
 そしてシィルは何処かに行ってしまった

 「あ、ミナ! どうでした?」

 「うん、シィルさんが一旦ギルドマスターに報告しに行くって。だから、ここで待っててって…言ってたんですけど……」

 最後の方は俺の方に目を向けながら言ってきた。
 理由は分かっていたので気にしなくていいと言いと言っておく。

 「その、すみません。私達の用事に付き合わせちゃって…」

 「すみません…」

 赤髪と青髪が俺に対して軽く頭を下げ謝る。
 俺的にはもう、今日中に帰れればいいかなと思ってたので特に気にしてない。
 ……帰れるよな?

 シィルが報告に行ってる間、することがなく、暇だったので、入口付近の壁に寄りかかっていたが、いきなりピロンさんから連絡が来た。

 (どうした?)

 <暇だったので、つい。特になにもありません>

 (まじかよ!?)

 やっぱりピロンさんって、感情あるよな…? 
 …いや、実は神とかその辺りが話してるんじゃないのか?

 ピロン♪

 <さぁ、それはどうでしょう…ふふふ>

 (ピロンさんが笑っただと!?)

 そのあと俺はシィルが来るまで暇を潰すためずっとピロンさんと話していた。

 それからシィルがやってきたのは5分後だった。
 その間赤髪と青髪は他冒険者達と何か色々と話していた。


 ☆ ★ ☆ ★


 「お待たせしてすみませんでした。あのギルドマスターが貴方たちの事を読んでいるのでついてきてください」

 シィルがやって来て口にしたのはそんな言葉だった。

 (これはまた長くなりそうだな…)

 と、内心ため息をついた。
 ってか、俺こいつらとあってからため息ばっかりついてるような気がする。

 赤髪と青髪はこうなることが分かっていたのか「「はい」」と言い、二つ返事で了承した。

 「…あ、えと、貴方も来てください。ギルドマスターが呼んでますので」

 「…あ?」

 っと、俺が睨んでいると、シィルは次第に体を震えさせ、慌て出した。

 「…用があるならそっちから来いとそいつに言っておけ」

 俺はそんなシィルにお構いなく冷たく言い放つ。
 シィルは「…え? あ、あの…は、はい」と震える声で言い歩きだす。
 赤髪と青髪は同時に「すみません」と謝り、シィルのあとについて行った。

 そして2人がいなくなるとギルドに静寂が訪れた。
 ギルド内にいる他の奴らが俺の事を親の仇みたいな形相で睨んでくるが、気づかないふりをする。
 そしてすることがないためステータスでも見ようかと思い、出そうとしたところで声がかかる。

 「おい」

 俺は声の方向に振り返る。
 そこには、3人の男の冒険者らしき奴らが真剣というか、怒ったような表情で立っていた。

 「…何だ」

 俺は出来る限り低い声でそう言った。

 「なぜお前みたいな怪しい奴が、ミナとアイリと一緒にいるんだ?」

 そう男は言った。
 俺は、どうでもよさそうに答えた。

 「お前らに関係あるか…?」

 俺がそう言った途端、両端にいた男共が、声を荒げながら俺に手を伸ばしてきた。

 それを見た俺は、もう何度目かのため息をつき、2人に向けて、氷属性の魔法“氷鎖”を発動。
 すると、俺の周りに魔法陣が二つ展開し、氷の鎖が現れ男2人を拘束した。

 「な…!?」

 「…いつのまに!?」

 「…貴様!」

 真ん中にいた男は背中にあった大剣を抜き、構える。
 それを見た俺はそいつにこう言い放つ。

「剣を抜いたってことは、死ぬ覚悟は出来てるんだろうな?」

 俺はアイテムボックスから、死神の鎌デスサイズを取り出す。
 真っ黒く禍々しい鎌はとてつもない存在感を醸し出している。
 これは、俺があいつらのところに行く時、神が俺に与えたものだ。
 曰く、今の姿にとてつもなくあっているらしい。
 神が死神の武器を与えてどうするんだ? っと一瞬思った俺は悪くないだろう。

 男はいきなり俺が武器を出したからか、一緒驚いたが、すぐに、表情を消し俺に向かって剣を構えながら走り出した。

 「おらぁ!」

 男は真っ正面から俺に向かって上から下へと、剣を振り下ろした。
 俺は大剣を受ける直前、体を左に移動させることでよける。
 大剣は俺の真横に降る落とされた。
 男はよけられるとは思っていなかったのだろう。
 顔を驚愕にそめていた。
 …なぁ、気づいてるか? 大鎌がお前の足元に待機してるのを……

 「…!? ぐわああああ!!!」

 両腕を掬い上げるよう斬る。
 ボトッボトっと腕が血を吹き出しながら床に落ちた。
 男は痛みに床を転げ回っている。
 俺は無言でその男に鎌を向ける。

 その時だった。

 殺気…いや、殺気に似た何かを背後から感じた。
 俺が振り返ると、そこには、赤髪、青髪、シィル、そして、顔が結構怖いじじいがいた。
 俺が黙ってそいつを見てると、じじいがいきなり笑い出した。

 「がはははははっ! 儂の呼びかけに応じない奴がどんな奴かと思い来て見たが…こりゃ面白い奴だな」

 最初こそ、笑っていたが、最後の方は真剣な表情になりそう言った。
 俺は特に何も言わずそいつを見つめる。

 「念のため聞く。お前が、この2人を助けた者か?」

 「そうだが…?」

 「ふはははは! そうかそうか。それで、儂の部屋で少し話しがあるんだが、いいかね?」

 俺が断ったから直接来たというわけか。

 「…いいだろう」

 「よし、ではついて来てくれ」

 そういってじじいは後ろに振り返り歩きだした。
 俺もその後に続く。
 赤髪、青髪、シィルは何故か俺のところに来た。

 「あ、あの、大丈夫でしたか…?」

 …こいつなかなか場違いな事を言うな。
 どこからどう見ても俺がこいつを殺そうとしてる状況だというのに。

 っと、その時、ピロン♪ と、音が頭の中に響いてきた。

 <先ほどカミヤさんの攻撃で両手がなくなった男ですが、どうせなら両足も切り落としたらどうですか?>

 …ピロンさんって結構恐ろしいこと言うんだな。
 …まぁ、それはいいとして。
 良い見せしめになってもらったしお礼に治してやるとするか。

 そして振り返り、倒れて叫んでいる男のそばに行く。

 「え? あ、あの、さすがにこれ以上は!」

 赤髪が何やら言っているが無視する。
 そして、男のそばに行き、光属性の魔法“部分回復”を使う。
 男の傷口が光輝いて、それが収まると男の両手が元の状態へと治っていた。

 「「「…え?」」」

 じじい以外の奴らがポカーンとしている。
 じじいは「ほほう…」とかいって、興味深そうに俺の事を見ている。

 俺はそのままじじいのところに行き、さっさとその場所に行くように言う。

「わかった」

 じじいはそう返事をし目的の場所へと歩きだした。
 他3人も慌てて歩き出す。
 階段を上り少し行ったところに、じじいは止まった。
 目の前にはドアがある。

「ここだ」

 そう言ってじじいが着いた場所は、ギルドマスター室。
 ドアの上にそう書いてあるのだから間違いない。

 俺は面倒なことが起きなければいいなと思いながら、入って行った。





名前:レイコウ・カミヤ LV.6
 種族:人族
 性別:男
 年齢:15

 体力:51000
 魔力:51000
 筋力:51000
 敏捷:51000
 耐性:51000

 称号:【異世界人】【下克上】

 固有スキル:【スキル一覧】【全属性適正】【神の力】【武具創造】

 スキル:【剣術LV.MAX】【解体LV.MAX】NEW【火魔法LV.MAX】【水魔法LV.MAX】【風魔法LV.MAX】【土魔法LV.MAX】【氷魔法LV.MAX】【雷魔法LV.MAX】【光魔法LV.MAX】【闇魔法LV.MAX】

【アイテムボックス】

 適正属性:【火】【水】【風】【土】【氷】【雷】【光】【闇】【無】

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