Reset ーインテクトSー

双葉エレン

05 犯罪少女

後日、俺は相変わらず冷凍パンを片手て食いながら登校した
あの日から一件、生徒会メンバーは重苦しい空気のままだ
改善も見られずに、ただギグシャクした状況だ
過去にそんな事あった?様な空気を漂わせて...いや、的確にいえば...宮姉の事、一ノ宮が暗い表情を浮かべてるせいでもあるわけか
それを軽々しく口にした卯月...何があって唐突に傷口を開かせるような発言をしたのか...
渚らパンをかじりながらミルクコーヒー缶を飲む
考えても拉致あかないか...
そう思い、学園近くにあるコンピ二を通りかかった時だったーー


一件見覚えがある顔の子がレジ近くのパンが置かれてる場所でたっていた
『......?』
勿論関係ない俺は学園がある方へ足を運んだ
その直後、後ろから警報音が鳴り響くーー
渚は、後ろを振り向くとさっきの子が何かを盗んで走り去ってるのが目に映る
『あの子..やばいな、逃げたら重罪だぞ...くそっこんな時に限って世話好きが...!』
渚は、その子後を追い始めた
数分間追い回したが、結局見失ってしまった
『くそっ...無駄に足が早いな...!』
息を整えてた渚は、アスファルトを眺めながらある物が目に映る
光のつぶ...って事は能力者に違いがないな
そして、この...一般人には見えない様に特殊な加工されてるこの学生証...あの子の物か
拾いあげた渚、そして名前が記載されてる場所を見つけて呟く
『本城...秋保...?』
聞き覚えがない名前だ...だが、俺と同じ学園の学生証ぽいな...
てか、なんで透明なんだ...?まるで名前を隠してるぽい

時計の針が九時丁度指す、時間的にはもう余裕が無い
サボろうか?とか考えているとーー
一台の車が渚の真横に止まった、そして車の窓から一ノ宮が姿を現した


『渚君、時間もうないよ?何でこんなところでボーっとしてるのかしら?』
『えっ、あ...うん。そうだな...』
『うん?その手に持ってる学生手帳は...?』
『あ、さっき通りすがった時に拾ったんだ』
『ふーん、見せてくれない?』
『えっ、いや...それはできない話って奴ーーあ』


瞬きの一瞬しただけで、手にあった学生手帳は一ノ宮の手に渡っていた
そして中を覗くと、かなり驚いた表情を浮かべて呟いた


『ま、まさか...あの事件の生き残り...』
『えーー?』


はっとした顔をして渚の方を振り向き、そしていつも通りの笑みを浮かべる


『何でもないよ、さっ早く行かないと遅刻しちゃうわね』
『...?』
『では、また生徒会室で会いましょうーー』


車の窓が締まり、一ノ宮が乗った車が発車するーー
その後ろを呆然として眺めていた
さっきの表情と言い、あの呟きは...何か知ってそうだな
時計を再び見つめ直す、時計は9時半って表示されていた
もう一時限目始まってる時間だな...今日は休んで資料探すか...図書館ってここあるのか?


一方、一ノ宮の車内ではーー
物々しい雰囲気になっていた
『見つかったそうですね...』
『爺、この事は父上に秘密にしてくれませんか?』
『はい、ですが...バレるのは時間の問題では?』
『幸い彼が行方不明の一人、本城秋保の学生手帳を手に入れました...がやはり時間の問題ですね...』


一ノ宮は、どこかに電話をし始めた


『分かってるとは思いますけど、頼みましたよ』
『了解、出来るだけカバーします』


電話を切り窓辺を眺め始める
窓に肘をつけて退屈そうに呟く


『はぁ、父上にバレたら...また悲劇が繰り返されますわ...なんであんなことしたのかしらーー?』
 『ん?』
『爺どうしました...?』
『コレは...』


前方に見られない服装の集団が、道路一列に立っていた
爺は、冷や汗を書きながら静かに話す


『バレましたね...この服装は旦那様が率いる兵士達です』
『えっ?なんでこんな場所に...?』


爺は、後部座席の方を振り向き一ノ宮に話す
当然顔色は良くない、冷や汗をかき続ける
そんな、爺を初めて見る一ノ宮は驚きを隠せない


『姫様...お逃げください。私がこの場をなんとかします!』
『でも、それじゃ...爺死ぬんじゃ...?』
『いいえ、私めは死ぬわけには参りません。かつて旦那様の右腕、そして姫様を守る役目です。何よりも姫様の将来が見たいのでしてね...くたばるにくたばれません』
『だ、だからといって置いていくなんて私には...』
『姫様は優しい...だからこそ生きてもらいたいのです。今はその地位ですがいずれ...』
『爺...なにを言ってるんですか?』
『いえ、さっお逃げくださいーー!』


爺が一ノ宮に触れた瞬間、意識が一瞬飛び気がつくと学校の屋上に立っていた
その直後、サイレンが鳴り響いた
雨がポツポツと降り出してくるーー
一ノ宮は、ただ呆然として立ち尽くしていた
悲劇はこの雨の音のように何もかもを消し去ろうとする様にーー







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