Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

騎士団出撃

素早い速度で間合いを詰める虚、それを見極めて的確に止めるレオ


『オイオイ、そんな焦んなよ?まだ序盤だぜ、トイレにでも行きたくなったのか?』
『いえ、私は次なる場所へ行かなくてはいけない...それを行うには貴方達が目障りです』 


腕を握るレオと力任せに振り下ろそうとする虚、足場の地面がへこみ亀裂を走らせた


『そう言えば聞いた事あるぞ...不死な肉体と狂人的な力を持つ一人の少年の話だ』


レオは、平然とした顔でその話をする


『ある時、死を求めて彷徨っていた一人の少年は半獣に一度殺されたが生き返りその後...裏組織を立ち上げて色々とやったってのは聞いた事はある』
『はて、何のことやら?』
『とぼけなくてもいいんだぜ?その左腕の刀傷は...初代転生者に挑んで本当に死にかけたんだろ。特異種族である研究体の一人だった、ジャックそれがアンタの名だろ?』
『古き良き話です、特異種族の免疫があった彼には確かに負けました。ただし最後まで止めを刺さずにその場を去りましたが...ジャック?いえ、私はエース...詰まり一番最初で最後の研究体の一人。今は虚って名があります忘れないで頂きたいですね』


力任せにレオを岩肌に向かって飛ばした
すると胸に空いた傷口は消えて、岩肌に足を付けて虚に向かって跳ねた


そして虚の顔を思いっきり殴り、首の骨が折れる音が鳴り響いた


『二代目転生者も倒さなきゃ行けない壁さ...虚よ、お前は何を企んでやがる?』
『はて?貴方は私の計画を知らないのですか?』


虚は、折れた首を掴み頭を元の位置に戻した。微かに鈍い音が聞こえた


『知らないのでしたらいいでしょ。教えてあげます...破壊ただこれを掲げてるだけデスよ?』


微かに語尾の口調がおかしく聞こえた
首を折ったせいか声帯も変に聞こえる
レオは、耳をほじり出して死んだ魚の目で喋り出した


『お前さ、頭いかれたか?』
『?』
『いやだって変だろ、その声も語尾も首折るとああなるんだと今実感したよ』
『??????』
『いや、理解不能ならいい。シャーペンの芯をプレゼントするから機嫌直せや』


レオは、ポケットからシャーペンの芯を大切そうに取り出しながら言う


『うっ、うっうっ...俺の家貧困だから...これ以上は...育てられない。だから...新しいシャーペンで入れて使って貰えよ...』


かなり受取りずらい空間と空気が流れ
肩膝ついて両手を前に差し出して言う


『どうか、どうか...可愛がってーーー』
『何しとるんじゃいーー!!』っと言いながら飛び蹴りをレオの脇腹に入れた


『ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!』って言いながらレオは地面を転がった


空中に舞うシャーペン芯一本、それに目を向けずにレイヤーはレオの顔を何度も殴り始めた
さっきの緊張感が台無しにされた怒りが爆発したのもあるが、虚を馬鹿にしたやり取りを見て更に火がついたらしい


『ちょっ...ぶっ!ちょっ...と...待てよ...レイヤー!』
『サンドバッグの分際で口聞くなよ!』
『そうだよね!今まさに読者の目線からしたらボケたのをツッコミを入れたんだよね!って誰がサンドバッグだ!』
『ノリツッコミウゼェ...もう一回死ぬ?』


レイヤーは、レオの額に指を突き出した
そこから強い光る魔法の玉を作り出して、レオを怯ませた


『ま、まて、落ちつけ!焦るなレイヤー』
『じゃあ、前回の戦闘と緊張感を無駄にして出来事をタオルに来るんでドブ川に投げ捨てた説明をしてよ?』
『なんとなく(笑)』
『やっぱ、死んでおくべきだ』
『待て待て待て!あ、アレだ...お前が欲しがっていたあの服買ってやるから見逃してくれ!』
『どうせゴスロリでしょ?』


レオは絶句というピンチ感と焦りを覚えた
門番払いされた気分でそのまま大地に寝転びるあの虚しさしかないのだ
虚は、首を触り治そうとしている時だった
肩にシャーペンの針が刺さりそのまま起爆してしまった


それをレイヤーは、呆然として眺めていたがレオが顔を押して体から引き離した
そしてレオは服を払い一息ついてスタートダッシュポーズをした


『逃げるに絶頂のタイミング』
『えっ?さ、さっきのは何なのよ?』
『説明はあと、ではさらば!』


レオは、思いっきり地面を踏み込み走り去った
レイヤーも、慌てながらゆっくりと走る


崖から離れた場所にたどり着くレオ、そして周りを見渡すと一人の少年が腕を組んで下を向いたまま向こうから話し出してきた


『君か?僕の...秘密書に書いたのは?』
『それ以外なら誰がいるんだ?』
『いや、構わない...僕は何をすればいい?』
『化物の相手さ、ほらあの場所に居る』


レオは崖の上に指をさす、白煙の煙が上がってるのが見える
それを見て、少年は目指して呟く


『なるほど、アレだけの威力でも...死んでないのか。これは円卓の騎士団に持って来いの敵だな』
『なんだその平和な騎士団の名は...』
『平和な食卓も、円卓も、僕からすれば大事な騎士団の名だよ。さて、僕は仲間を引き連れて行かせてもらうよ』


そう言い切り、少年は馬に跨ぎ走らせた
レオは、遅れてくるレイヤーの方を掴みゆっくりと歩きながら話す


『ったく、足引っ張るなよ...』
『しょうがないでしょ...このこの体自体が...』


レイヤーはそう静かにつぶやき意識を失った
レオはため息をついて背中にレイヤーを背負い荒れて燃えている町を見ながら塔の近くにある街にたどり着く


そっから数週間後、空翔は待合室の一角で座っていた
ガラス張りの先に居る酸素マスクをしている一人の子を眺めた
横から現れたレオは話し出した


『目覚めたのか?』
『あぁ』
『この子は今は集中治療中で、いつ目覚めるかさえ分からない...深追い受けて無理して動かしたからな』
『そうか...』


どことなくレオは、空翔の顔を眺めた
普通にしている様にも見えた
しかし、彼から見れば...心が折れている状態にしか見えない


かつての師をどういった経緯で殺したかは俺は知らないが...2度目となると精神的にも苦痛だろうな
なんとかしたいが、なんとも出来ない
それが最善で最大の対応だ。俺達がこれくらいしか出来きないが...


沈黙ワールドの最中で
『おっ、居た居た』っと話かけてくる一人の少年が居た
空翔は、思い当たる人ではなく勿論あの反応ーー


『誰だお前?』
ガクッとする少年、そして苦笑いをしながら話す


『円卓の騎士団の団長だよ、名は今は言えない。それより結果報告しに来たよ』
『結果報告...?なんの...?』
『や、やめてくれ...君や話忘れたフレンズは流石に泣きたくなる』
『んー...それで結果は?』


一枚の紙を取り出して少年は読み上げる


『現状報告、虚は我々円卓の騎士団でも歯が立たたなかった仲間数名深追いを受ける傷を負った。奴は一隻の飛空艇に乗り込み逃亡、北西に向けて飛んでいった。我々は調査を勧め更なる精度を身に付ける為...あの塔へ行きます。奴の狙いもそこなら行くと決断しました以上です』


空翔は、親指をくわえてある事を提案する


『そこよりも、いい場所を教えてやる』
『それは何処だい?』
『パラレルワールドじゃない普通の世界さ...今や魔窟とした場所だが腕は上がるに違いない』
『ほう、それは興味深いな...行く方法は?』
『魔力を空間をねじ曲げる感覚で何もない空間に殴って見ればわかる』
『なるほど...では、君は向こうから来たのか?』
『まぁな』


少年は紙に書き始めて纏めて胸にしまった


『これは面白いね...では早速仲間の容態回復次第やって見ます。ではこれでーー』


背中につくマントを靡かせて後ろを振り向き少年は歩き出したーー











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