前章 目覚める人と記憶

ある日、何も無いどことない日々を...送っていた
そして、ある日...弟子一人を剣を教え
更に二人拾い子として育てた
また、ある日は...世界が滅亡しつつある時に見た先にある光景ーー
僕、いや俺は忘れやしない...
世界が何度変わったって、結果が見え過ぎた場所なんて片腹痛い
それを何度記憶が消されて繰り返されても
最終的には蘇る


そう、すべての始まりはーーー


『なっ、なんだ貴様！？』


言葉を口にする前に、警備の男は半身を切り下ろされた
返り血が顔につき、足元に溜まる赤い血だまりを淡々と眺めて呟くーー


『殊更でもない、私がそれを憎み何度も蘇らせる。それが定めであっても私は...この世界を終わらせる』


剣を横になぎ払い剣に付く血を飛ばした
その眼差しは虚ろとしてどこかへと消えた


その頃、空翔は死にかけた娘に自分の血を傷口から垂らして入れた
すると、嘘のように傷口が消えてまぶたをゆっくりと開く


空翔は、それと同時に力が抜けた感じでゆっくりと倒れ込んだ
アヤは誰かが横に倒れる瞬間を眺めて
虚ろとした眼差しから、生き返ったような目に光る眼差しになり体をゆっくりと起こして叫んだ


『お、お父さん...！！』
空翔は、腕を抑えながら話す
『騒ぐな...それより、動けるか？』


アヤはゆっくりと立ち上がり周りを見渡した
酷い有り様だった、すべて焼き尽くされたような跡...まるで爆撃を受けたような有り様だった
アヤは立ち上がり周りを見渡してるのを空翔は確認して話し出す


『アヤ、今から言う事をよく聞け...お父さんは力を半分アヤに渡した。コレで、今まで以上と不死の力が宿るはずだ...それでだ、お前は今行くべき場所がある...お父さん立ちの過去に向かい書の所有者を探し出してくれないか？』
『書の所有者...？それに...お父さん力を半分私にくれたって...それって...』
『お前は察しがいいな、お母さんそっくりだな...そう力を半減した。書の所有者が揃えば決戦の地に向かえる...お父さん行ったことないけどね』


あどけない顔を浮かべるアヤ、そして黒い剣を手に持ち空翔を見つめ直す


『バカだよ、いくなら娘が死にかけたからって自分の力を半減する覚悟で普通やるかな？』
その言葉が空翔の心に突き刺ささった


『うぐぅっ...お父さん悲しいなぁ...』
『冗談、お礼くらいは言わせてよ。ありがとうお父さん...こうしてまた会えたのが嬉しいかったけど、しょうがないよね頼まれたしやるよ』
『...お父さんはここで待つから見ておいて、ライカ来てるんだろ？』


すると、ガレキの下から普通に押し上げて地面から出てくる
そして、手を地面に付けて飛び越えて出てきた一人の少女
変な登場の仕方に二人は沈黙する


『何じゃい？如何にも『玄関のドアの取り付け間違えてる』って感じの目線は？』
『ガレキから...』
『普通ならやらないよな？ガレキっていえども何百kgある物を普通片手一本で持ち上げられるか？』
『いや、私は...こう見えても野人』
『野人って...確か怪力が凄い人立ちの種族だよね』
『野人っさ種族って意味合いじゃなくねぇ？ただの野ーー』


瞬時に二人は空翔の腕を強く踏みつけた
空翔は、地面を転がり何処かえと消えた


『恥をしれ、恥を...』
『ボケなくていいから寝ててよ』


すると、陥没した穴から青白い炎が吹き上がり...空翔がゆっくりと腕を組んで浮かんでくる
そして地面に着陸するなり肩膝を付く


『...』
『ど、どうしたの...お父さん？』
『気にするな...ライカ早めに頼むぞ』
『うむ、ではゆくぞ...』


魔法陣が二人の頭上と足元に貼り巡り
そして、ライカが手を鳴らした瞬間強い光が放たれて一瞬で過去へと飛んだ


久々に見る都市の後継にアヤは絶句してしまう
それを見たライカは、アヤにある事を告げた


『アヤ、お主はまだこの世界に生まれてない時代の子じゃ...。だからもし知ってる人が居ても二人の子っては口にはしてはいけぬぞ。けしてじゃ、万が一言えば主自身が消えることを意味する』


アヤは、ライカを見てゆっくりと頷き話す


『一つだけ聞いてもいい？』
『何じゃ？』
『この時代は何が起きる前なの？』
『都市が一度王女の手により開放されてるのはわかるじゃろ？』
『うん、本に書いてた...第一女王により帝国軍及び、アレキサンダーを一度負けさせて手にした都市...ザナガル』
『そうじゃ、そしてまた都市を取り返そうとして帝国軍と科学者たちが手を結び黒曜の召喚とゾンビの大群が都市に襲い掛かったくる数日前の日じゃ』
『数日前ってずいぶんとまぁ...微妙な所つきましたね』
『私のセンスじゃ...』
『そう言ってるそばから、何ですかこの紙は...』


その紙に書かれていた文字はこうだった


明日は、カレー
明後日、カレー
弥明後日、カレー
全日、カレー
年間、250日はカレー＋うどん


っと何故なカレーしか書かれていない
年間カレーは流石に飽きるっと思った
アヤは流石に顔を引きずっていた


『献立表みたな...？』 
『うん...』
『カレー以外作ってくれないライナを私は恨むしかないんだ！』
『(うわぁ...酷い...)』
『しかも、年間甘口カレー率高い！ガチャ率よりも遥かに高過ぎる高確率で排出されて...糖尿系引っかかりそうだよ』


ライカはいきなり体育座りして顔を埋めた
アヤはさりげなくライカの方を叩き話す


『大丈夫...私なんて食べていいかわからない料理をフルコースで何回かありましたから...母さんの手料理の酷さを思えばまだ優しいですよ』
『それって...フォローしてるつもり？』
『うん...多分』
『なら私は明日からカレーに塩入れるわ』
『！？』


って変な会話が続いたそうです