Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

寂しいのはお互い様

魔法陣が四方八方に展開する中、沙里紗は人一倍の速さで動き回る


巨人のギアに向かって杖を投げつけて心部に突き刺した
すると四方八方に展開する魔法陣が反応して無数の色鮮やかな光の筋が杖に向かって伸びて繋がる


沙里紗は、右手首を握りしめて前に翳して呟いた


『七色の雷光爆撃レインボーフラッシュバースト


七色の光を放ちながら心部を中心とした爆発が起きて巨人のギアは一歩後に弾かれた
手元に杖が飛んできたのを沙里紗は受け取り様子を伺った


七色の煙が舞い上がり後ろに倒れ掛けたが、体制を立て直して巨大な手のなぎ払いが沙里紗に向かって動いた


『んー、少し甘かったかな?ともあれ...お姉さんを怒らせると怖い事を教えてあげるよ...骨の髄迄ね☆』


迫り来る巨大な手を動じもせず動かない沙里紗、そして手が当たる直前なにやら弾く音が響くと同時に巨大な手は丸焦げて岩肌に向かって弾かれた


杖をくるくると手首を軸に回して再び手に取り肩を軽く二回叩き地面に杖を刺した


『呆れた、見た目より抗体がない。ただ再生力だけが早い...ふふ...久々に骨がありそうね?』


空翔は、沙里紗の戦闘を見て思った


爆裂魔法は、本来すべての属性魔法を扱えてやっと手にして使える様になる
ただこの姉妹は...既に会得している
天才っと言うより天武の才能、だがその技がいつでも使える訳じゃないし勿論物理的な技は使えない。
一回の戦闘に使える回数は五回までだ
五回以上使うと肉体が耐えられなくなりやがて自らの体を痛めつけ始める
もう此処に来るまでに数発は使ってるのもわかる...疲労感を見せない為だろ、あんな変なキャラになっていたのも
馬鹿だな...何でそうしてまで来たんだ


沙里紗は、ふらつき始めながらも魔法をぶつけながら戦っていた
魔法陣が揺らぎ始めてきている、精神が安定してない証拠だ
そろそろ限界を知らせていた


『もう少しよ...耐えてよ体...!』
『ブチノメス!オマエヲクラッテヤル!』


沙里紗は、かわしたが足に躓き体制を崩して地面に倒れ込む


『しまっーー!!』


巨大なギアに手に捕まってしまい握られてしまいそのまま口へと放り込まれ掛けた時ーー


でかい光る矢が、巨大の巨大な口を貫通して貫いた
沙里紗は、手と口の間の空間に落ちてしまう
空翔は、体を起こして空を見上げた
すると一人の少女が滑落する沙里紗を腕を掴みゆっくり地面に落ちてくる


左肩から腕と手先まで巻かれた呪符
右手に杖を持ち紫色のマントを靡かせてゴシックの様な服装でインタレースぽい感じの履いていた
見るからにマニアックぽさが引き立つ格好をした十百香の姿だった


『お姉ちゃん、来てくれてありがとう...こっからは私一人で大丈夫だよ』
『大丈夫だ...私は...まだ...』
『無理しちゃダメ、もう限界なんだから...休んでいて。』
『だ、たが...それでは...っ!?』


沙里紗は左腕を抑えたすると、掠った訳でもないが血が滲んでいた


『体は意思に背くってよく言うけど、本当は正直なんだよ?ほら、休んでるの!』


十百香は、沙里紗の肩を掴んで押した
すると沙里紗は、力が抜けたかのように座り込んでしまう


『な、なんだこれ...?力が入らない』
『さ、私は行くよ。先輩一応言っときますが、お姉ちゃんに手を出したら許さないんだからね』
『は、はい...』


十百香は、空を見上げて飛んだ
そんな後継を沙里紗はさみしそうな眼差しで十百香の飛んで行く背中を見ていた
空翔は、頭を書きながら巨人の麓に向かって歩こうとしていた時
沙里紗に話しかけられた


『まて、私を置いていく気か?』
『全身体に力が入らない奴を連れていく訳には行かない』
『それはそうだが...』
『あん?ひょっとして寂しいのか?』


挑発的な眼差しで後ろを振り返った空翔だったが、その表情とは一変する
沙里紗が、下を向き震えていた
普段は見せない部分が現れて空翔は驚いてしまう


『妹を救う為に、ここに来たって言うのに...とんだヘマをした...』
『.........』
『何時も近くにいた妹は、いつの日か遠い場所にいて...変わって行くのが...怖いし寂しい...な...やっぱり...』


『何も感じなかったのかよ?』っと空翔は口にした
そして、そのまま話を続けた


『遠くに行く?違うだろ、自分から離れていく妹が寂しいのだろ。何時も近くにいた?違うだろ、お前は自分の寂しさの故に妹をそばに置きたくてしょうがないのだろ。怖いし寂しい?違うだろ、お前はただ暖かい場所を求めていた性で眼中に妹しか入らなくなった哀れな奴だろ。よく見ろよ、妹は姉を求めてない皆が守れる力があれば救うことが出来る...例えお姉ちゃんが居なくなっても私一人でやらなきゃ駄目だって言う意思をお前には感じ取れなかったのか?』


『!?』


『寂しいのはお互い様だ、炸裂魔法が使えるのは自分たち姉妹だけだし...どちらかが病気とかなっても動ける様にする...それにアイツはお前に迷惑をかけない頑張っているぞ何時もな』


そういえば、十百香...


『いつの日か、お姉ちゃんを超えて守れる様に頑張るよーーそしたらお姉ちゃんも寂しくなくなるよねーー?』
 

あぁ、そうだったのか...いつの日かその言葉を私は忘れていたな...
幼き日のあの発言を忘れているなんてな...姉として失格だよ


だから、十百香は強くなろうとして私から離れて暮らしたんだ
ふふ...もう、あの頃のままじゃないんだね...私も変わんなきゃね


『ふふ...流石妹が好んだ男だけの事はあるな...』
『ん?それどうゆう意味だ?』
『くくっ...いいこと思いついたよ。』


不気味な笑みを浮かべて居る沙里紗だった
巨人のギアに無数の近距離技を屈指して戦う十百香
果たして決着は如何にーー?



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