Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

知られざる真実 1

すべてを知りすべてを予知した幼女ーー
幼女……って言うより少女の方が正しいだろう……
この世界のすべてを予言書として記していたのだろうか?
そしてなんでそんな、悲しいような目をしているんだ?
「さてと、君は幼くして異世界からの転生者……なんでそうなったかと言うとーー」
「事故死だろ?」
思わず言葉から放った言葉は、自分の過去を知っていたかのような感じだ
しかし、少女は……笑みを浮かべていた
「事故死……ね。君の世界で感じた事はそれだけかしら?」
「ーー!?」
何かを知っている口調だ……それにこれだけ嘲笑うかのような笑は……一体なんだ?
「そもそも話がうますぎると思わない?いきなりマフィアみたいな人物に射殺された両親……そして君の父はそれを見送った形でそのゲートを眺めていた、その後ゲートの存在が知れ渡り君の父は存在ゲートをかばうかのようにアレクサンダーに殺された……ここまでは筋下記通り」
「す……筋下記通りだと!?それはどうゆう意味だ!」
相変わらず笑みを浮かべたままでいるが、急に笑が消えて真顔になり空気が一変するーー
「知らないのも無理ないよ、だって君の母親……仮死だったしその後ーー転生者としてこの地に入り込んだ」
流石に驚きを隠せない、自分が知らなかった事……母親の存在だった
あの時妙に、自分の父親が殺されたシーンだけで母親自体の存在すらなかったのは事実だ
そして、俺と同じように転生者としてこの地に踏み入った……?わけ分かんねぇよ……死んだ訳でもないんだろ?
俺は妹を庇ってーー!?
まてよ、あいつ死んでないのに転生したんだよな……?
どうやって入り込めたんだ?
真剣に悩んでいる空翔を笑う声が響きわたる
「君さ、転生者以外のこと本当に知らないんだね……おかしくて笑っちゃうなーー」
「な、なんだよ……真剣に考えてんのに……笑うなよ」
「転移って言葉わかる?死んでもないのにこの地に踏み入った人は全ての転移した人、異世界側からそのままこっちに来た人を意味するんだ」
「転移ってただの移動だけじゃねぇかよ。あれ……?転生って向こう側では肉体が死んでこっちの世界の住人として復活だよな……確か?」
「なんで私に答えがあってるの?的な目線を受けなきゃならないのよ……。その通りだけど」
「当たった……信じられん、学力ほぼ無い知能が動き出すだと……?ありえん、認めんぞぉぉぉぉ!!」
柱に頭をぶつけまくる空翔を引いた目線で眺めている少女
数分後、血を流しながら何食わぬ顔で少女を再び見つめた
「お前の行動は流石に引くものがある……。」
「うるせぇ、話進めろよ」
「母親は、転移した人として生きていた……がーー」
「が……?」
「なんともいい難い……、いや普通にはありえない……実はな……こっちと向こう側を行き来してる」
「……?それってテレポート的な奴か?」
「違うな、精神だけ共有してるって言うべきかな……?」
「精神だけ共有って向こう側の肉体って……ほぼ使えないんじゃないのか?」
「いや、使えないんじゃなくて……動かせるって事だ」
「生きてんのかよ……」
「二つの世界を股に掛ければ……世界を狂わすことが出来る」
「何か言いたげな顔だな……」
死体集団アンデッドって言うやつわかるでしょ、そいつの作り上げて向こう側にも送り込んだ張本人さ」
「おいおい、話が飛躍し過ぎてわけわかんねんだが……あっちの世界はそれは出来ない……いや不可能のはずだろ?何の為にって思うけど……」
自分の母親が研究者であのウザイアンデッドを作り出した張本人……?認められるわけが無い……
空翔は、困惑しつつも乱さないように抑えていた
「コレ見たらわかるんじゃないかな?」
少女が空翔に近づきそして額を指で押された瞬間
脳内に情報が一気に流れ込んできて、視界がぶれ始める
そしてその部分だけが脳内再生された


「クソっ、何よこれは……!」
うまくいかない研究に、頭を悩ませていた
そして、あの日の事件が起きた時ーー
偶然にも急所を外れて意識が遠のくなか見たのが……暗くてトンネルのような空間だった
それに自分達の息子と義理の娘が吸い込まれるように引きずり込まれて消えたのを見たーー
その日から一変したかのように研究に没頭していた
そして遂に完成したし作品、それを試したがやはり空間的問題を含めて失敗に終わっていた
しかし、父親がそれを知ってるかのような口調をした
これは怪しいと思い、ある人物達に頼み込んだ
「お主、何故その存在を知ってる?国連機密の筈だ……」
「えぇ、機密だとしても……存在が表に出れば貴方達すら立場が危うくなるのでは?」
「ふん、それでそいつはどこにいる?」
「この先にある沿岸部にいるはずよ」
そいって指でその方角を指した
その場所を見つめて通り過ぎる際に聞かれた
「貴様、夫を殺したあと何を企んでる?」と
そして目線をずらさずして一点の方角を向いたまま呟く
「何も企んでなんかいないわ……だけどこれだけは言うわ……いつかそちら側に行けることを願うってね」
雨がポツポツとふりはじめた、そのまま2人は歩き始める


「おー……い……?」
誰かの声が聞こえる……?
「おーい……」
ん?なんか意識が、感覚が戻ってきた……?
「おい、お前私のどこ触ってるんだ!」
あっ、なんか柔らかい感触だけど……なんか物足りない?
「起きろぉぉぉぉぉ!私の乳触って、なんていう寝言を言ってるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「あっ……(再び胸にタッチ)」
「死刑だぁぁぁぁぁ、時の間に送ってやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「えっ……うわぁぁぁぁぁぁ!やめっ……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
数時間みっちり裁かれた空翔、意識が飛んだ際に何故か胸を触った上に感想を付けてきたから流石にカチンと来たようだ
「もう、なんで触るんだよ……貴重価値なんだよ国宝なんだよ!」
「貧な乳がステータス化されてるよ……」
「なんか言ったか?」
「いえ、何でもないです……」
こうして、隠された秘密を一つだけ知ることが出来た
自分の母親が何でそうになってまで、あんなことをしたのか謎のままだーー


一方、向こう側の世界ーー
「…………やっぱり見ごたえがあるな」
ある白衣着た女性が屋上から下を見下ろして居た
それは紛れもなくアンデッドで滅ぼされた都市だ
そして、タバコを一本だけすい空を見上げて呟く
「あの子……私を倒せるかしらね?」
勿論背後からのアンデッドに襲われかけたが、なんと簡単に切り裂いてしまう
何をしたわけでもなく、たった視線を合わせただけの出来事だ
夜風がなびくのと同時に揺れる髪の毛と飛び血が月明かりを照らし色合いを見せつける
そして静かに高笑いをしながら次々とアンデッドを倒す
「さて、異世界は消失してしまったし私の計画もおおずめかしらね?この鋭い刀見たくね!」
彼女はどちらの見方なのかは誰も知らない話だーー





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