Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

少女と元の世界

少女の暴走、それはあのスズすら手を焼くーー
かなり手馴れた戦闘、そして読み合いがつかない斬撃は彼女自身を追い詰めていた


「また……かよッ!」
弾き飛ばすにもタイミングが全く噛み合わない
何故ならばスズより少女の方が刀を振るのが速すぎるのだ
一段速……いや数倍早い
もはや刀自体が見えるかどうかのくらいだ
「くっ……!ならばコレならどうだ!」
スズはいつもより数段早い衝撃波を振り抜き間合いを詰めたがーー
何故が喉に刀の刃が突きつけられていた
そして、無表情でなぎ払おうとしていたーーー
「何やってるの……?」
ほんの一二秒だろうか……ヴィヴィが射撃して弾かなければ確実に首がはねられていた
ヴィヴィが放った銃口から煙が舞い上がる
そして、スズは静かに話し出した
「護衛任せてもいいかしら……?」
それを聞いたヴィヴィは平然とした顔で淡々と答える
「パーティにそれを聞いてどうするの?」
その声と反応を見て再び前を向き呟く
「それじゃ、レッツパーティと行こうか!」
「スズ……一つだけいっときたい」
「なんだねヴィヴィ君?今手持ちの剣がちょうど手があかないんだけど……いや、枚数がないんだけど」
「枚数?ん、あくまでもあれの破壊だからね」
「わ、分かってるわよ!」


2人は一斉に動き出し、見えるか見えない速度の少女をかわしては切りつけ、危なくなれば射撃で弾いて軌道をずらしたりするーー
そしてついに、少女の刀をはじき飛ばした
くるくると回転しながら空を舞う刀ーーー
その一瞬の隙に、スズがナイフを投げ飛ばし的中させた
「よし!後は……本体から少女を離すだけーーー」
「待ってスズ!」
「なによ?」
「見える……」
「見えるって……まさか何かまだ……?」
そういった瞬間、その機械から現れたとんでもなくでかいマシンが姿を現したーー
そのマシンを見て苦笑いを浮かべていると、少女が動きだした……地面からはいつくばりながらこちらに向かってきていたがーーー
「起動中ーーープログラム始動します。有害物を駆逐致します!」
動きだしたマシン、その足元にはいつくばっていた少女がおりしてーーー
鈍く潰された音が鳴り響いた
ふたりは声を失ってしまった……目の前であまりにも残酷な場面を目視していた為だった
「貴殿らワレヲナイフデツキサシテクレタナ、コウカイサセテヤル!」
スズは静かな怒りが爆発しそうだった
そして、マシンからの攻撃を眼前まで動かなかった
後悔?悔しさ?虚しさ?憎しみ?そんな言葉が頭の中でぐるぐると回っていた時ーーー
「おいーー糞ゴミがでしゃばんてんじゃねぇよーー!」
素手でマシンの武器を手に取り動きを封じていた
「ナンだ?ナマミノザコガイサギヨクシナナイノカ?ナラバモウイッポンノーーー!?」
右側の腕が何故か破壊されたマシン
そして、ヴィヴィの周辺から魔力が湧き上がってくるーー
握っていたマシンの武器を握り壊してしまった
「おい、ゴミの残骸……よくも俺の目の前でグレぇもん見せてくれたなぁ?」
「ハテ?ナンノコトーー!!?」
マシンの顔に目掛けて破壊した武器の破片を投げ飛ばす
その速さも一瞬過ぎてもはや異次元レベル
顔に突き刺さりマシンは爆発する
そして、手に拳を握りしめて力を集中させる
「よおーく、覚えておきな鉄くずの残骸ーーー次同じようなことをしたらなぁーーーテメェをぶん殴るだけじゃ済ませねぇからなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
振り抜かれた拳の一撃は、マシンを破壊しつつ向こうの崖まで吹き飛ばしたーーー
そして、ヴィヴィは突然地面に倒れ込んだ
目の前の一瞬の出来事にスズは頭をかいていた
「なっさけねぇな……迷っていたらまさかこの子がやつけるとか……はぁ……」
倒れ込んだヴィヴィを抱えてその場を後にしようとした
「ゲホッ……ゲホ……!」
何故かあの踏みつけられた場所から咳声が聞こえた
するとヴィヴィが目を覚まして静かにつぶやく
「スズ……行きましょうか?」
「んぉ?まぁ、うんモザイク入るよね?」
「大丈夫……健全だから作者さんは……多分それと違う」
「作者って誰だ……?」
「水見たくあまり流れない、空気見たく流される人です」
「なんか、わかりずらいような表現だなそれ……」
そんな感じで話しながらその場所に行くとー
目の前にいたのは何故か血だらけの服を着た少女が何事もなく寝そべっていたーーー
まさかのまさかだった、しかも何故か装備品があたりに散らかっていた
これはどう言うことだともうなずける状況だった
「あっ……あのー?生きてますか?死んでますか?」
「これは……なんともいい武器なんだろう……」
ヴィヴィの頭を叩くスズそして小さな声で話す
(お前は馬鹿か?人のもの触っちゃいけないって教わっただろ?)
(いえ、人の物ほど触りたくなる……って気持ちわかりませんか?ほら例えるなら……夏の日に人の食べるアイスあるでしょ……それを食べるなって言ったら食べたくなるでしょそれと一緒……)
(何と一緒にしてんだぁぁぁぁぁ!!)
(共感持てない……?)
(持てないよ!痛々しい貧乏人がやることだよそれは!)
「あのー?」
二人はまだ小声会話を繰り広げている
それを見た少女は、ある事を決意したそれがーー
(そもそもおかしんだよ!何その覚醒と覚醒後のギャップは?例えるなら、アイスの上にマヨネーズをぶっかけている驚異だよ!)
(えへへ……)
(誰も褒めてないわよ!)
(続きましては、少女にインタビューをしてみたいと思います!)
(インタビューだと……?)
(あれ……さっきの声聞き覚えが……?)
2人は顔を見合わせて後ろを振り返ると
刀を抜こうとしてる少女がにっこりスマイルを浮かべていた
そして、刀を降り抜いた瞬間向こうの岩肌が半分に切り落として少女は静かに呟いた
「私を放置するのは勝手だけど、あんまりにも酷すぎると……ね☆」
きらっと輝かせた刃は、少女笑みと重なり
それを見たふたりは恐怖にかられた


「私?望希よ」
「それで……AIとどうゆう関係?」
「んーと、この世界に来た時……なんか転がっていた人物なんだよね……」
「こ、転がっていた……?」
「しっかしこの世界……VR技使えるんだ凄すぎだよ」
ふたりは顔をまた見合わせて頷いた
やはり気づいていない、自分の能力に……
「はい?死後転生能力?」
「うん、死後転生能力って言わば……死んでも生き返る」
「そして、とんでもなく強い技が使えるけど……」
下を向き始めるスズ、そして望希は切り出した
「リスクってあるの?」
答えずらそうな表情を浮かべるヴィヴィ
だが、スズが建物を触りながら話す
「ことが終われば一週間後死ぬ……」
その言葉に重みと深みが重なり、空気が重苦しくなる
しかし望希は、あることを切り返した
「多分それはないよ……私、一部の記憶しかないけど確かなものはわかってるよ」
その言葉は、何故か明るみで確信していた


同刻、現実世界ーーー
「はぁ?希望が行方不明?」
「らしいが……まぁ、あの場所には奴らが沢山いるからな」
俺達が住む街、都市の半分は普通だが半分は汚染された
その理由、どからともなく現れた感染力が強い奴が現れてそして人々を襲っていった
もちろん、両親は既に遅くそして彼女自身も同じだった
生存の為、生き抜いてきたがやはり限界が近かった
食糧不足に見舞われ、食べ物取り合い、人が人を殺す
血が血で洗うような場面が何度も起きていた
そんな時だった、彼女が何者かに奇襲され辺りから奴らが現れ始めた
逃げるにしても難しい状況だった
そんな時にだ、まさかのあいつが彼女の背中を押し飛ばした
眼前に広がる跳ねた血が服につく、俺は目の当たりにしてしまった……そう全てをーーー見てしまったのだーーー
事はその後だった、俺に目掛けて走り出してきた押した奴突然俺の襟をつかみ涙ぐんではなした
「私はっ……悪く……ない……ッ……!」
何を言ってるのかよく分からなかった
押したのは事実、だが何故そんなにも……地面にへたばり泣いているのかーーー
こうして俺は今に至り、捜索をしているが……
「遺体すら見つからないなんてあるのか……?」
「頑張ってるな……」
「おじさん……」
「半分が閉鎖されてもう2年か……」
「そうっすね……あの時、人々はどうかしてましたもんね」
「無理もない、奴らが独占された半分は……生き抜くのがセいっぱいさ。精神的に辛いだろう」
データを見返しながら何度も何度も
文字を眺め返すが……やはり情報が少なすぎる
「はぁ……あいつがいれば……都市奪還できるのに……」
「またまた、夢発言ときたか……今日は休みなさい」
背中を押されながら少年はドアの外に押し出された
「うむむっ……分かりました」
「おやすみ」
雨が降る中、傘もささずに雨道を疾走する
自宅に到着して中に入っていく
そして、部屋に入り一番に目をつけた場所はゴーグルだった
「はは、まさかまた遊ぶ流れか……」
こうして彼はゲームの世界に飛び込んだ
まだこれは予兆に過ぎなかった
まさか帰れなくなるなんて思ってもなかったからーー









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