Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

雪国と会議

あるものはこう言う、荒野の果に白く鈍る白銀の剣を持つ一人の少女が居るとーー
「何ですかね……?」
「まさか君じゃないよね?」
「おじさん、絶対人違いだからね」
「だってよその剣……噂に聞くやつに似てないか?」
「これ、レプリカ。」
「どっから手に入れたんだよ!?」
馬車の中で空を見上げている少女と、馬の引くおじさん
ここは、アイスヘルム島……かつては雪国の大陸とも言われた大地ーー
いまは、ただの荒野に成り果ててしまった
維持させる秘剣、アイスブレイドが盗まれてしまい
私はそいつを捕まえるべく旅に出た……けど。
「あつい……」
雪国だった前と比べることできない位の暑さ
陽炎が大地を揺らぐ中を馬車は海沿いを目指して走る


そういえば事の始まりを教えていなかった
あれは、二年くらい前の事ーー
かつて雪国だった世界が、一瞬で白から肌色の大地に成り果てた
私はまだ状況がよくわからなくただ不自然と違和感だけを抱いて今日も城の外を眺めていた
「ティナ、まだ起きていたのか?」
何気なく父がノックして入ってきて話をかけてきた
そして私は、白くない世界を不思議に思い父に訪ねてしまった
すると、父は何かを悩んだ顔を浮かべながら話す
「一時的の現状だ……また戻るよ」
「その言葉を聞いて2年が過ぎたよ……一向に戻らないしむしろ悪化してるよ」
そして何故か目の色を変えて話す父
「何も考えなくていいだから寝なさい!」
その言葉は、何を意味するのか気になった私は……ひっそり父のあとを追うことにした
すると、城の中にある部屋の前にたどり着き入っていく姿を見た
その部屋は、何度も気になっていた謎の場所
恐る恐る、扉を開けて中を覗いた
なにやら話声が聞こえる……耳をすませて話を聞くティナ
「だから、渡しただろ!」
「いや、まだまだ足りませんね……」
「ふざけるなよ!いくら貴様に渡したと思ってるんだ!」
「はて?何の事やら……そうそう秘剣を私にくれましたよね……あれどうゆう意味ですかねぇ?」
「意味などはない、交換条件に出せって言ったのは貴様だろうが」
すると、謎の女が秘剣を取り出して刃を父に向けて翳した
「ふん……それで私を切るつもりか?」
「いいえ、ここで凍ってもらいます!」
すると、その言葉通りに足から凍りついていく父ーー
謎の女はあざ笑うかのような眼差しでその場から消えた
その後、扉から出た私は父に話しかけた
「馬鹿なの!何を考えてそんな事を……」
「ティナ……ごめんな。国を維持させるために……すべてを犠牲にしてしまった……」
「犠牲……?まさか?」
「全て、あの女に殺され……奪われてしまった。そして最後に娘と自分……どちらを殺すかって責め立てられた時、有り金全て払って場を持たせていたけど……まさかこんな事になるなんてな……」
私は、この時知った……あの女が何を脅して国自体を崩壊させる目的だったって事を知った
そして、父が完全に凍りつく前にいわれた事それは
「再び、国を復活せてくれ」ってーー
最初で最後の父の願いを無駄にさせないためにこうして私は旅に出たわけだ


今は王国の名前すらない王女、再び取り戻すため私は進む




一方、魔界の集会所ーー
「ほぼ全員揃ったみたいだね」
「小隆太は……?」
「今朝の新聞見なかったのか?」
「マジか……」
アクアは、咳払いをして話し始める
「黒の集団……いや漆黒の集団について知っている人いますか?」
すると、一人の女性が手を上げる
「朝比奈さん、なにか掴めましたか?」
席を立ち、ある文を書いた紙を仲間に配布する
そこに書かれていたのは、あの時の戦闘の事だった
流石にざわつかない人なんていなかったーー
そして、朝比奈はその紙を手に持ち話し始める
「えーと、今から十二年前の戦闘で起きた時……アレクサンダーと接戦していた彼の場所からかなり離れた場所から見つめていた人物……だと判定がつきました」
「根拠はあんのか朝比奈?」
「それは……その人物は、地上の方に見かけたって言う人が多発してるっすね」
再びざわめく、そして辺りが静まり返った時だった
今度は涼太が手を上げて話し始める
「ちょっと未確認情報だけど話していい?」
「涼太……またガセネタかよ?」
「何故そうなるんだ!?」
「はいはい、涼太チャチャッと言っちゃって」
「なんすか!?扱い方ひどくないですかね!?えーと……空翔かれらしき人物を見かけたって人が……」
「…………(全員冷たい目線で見つめる)」
「ちょっ……マジ、その目線やめてくれ!!」
こうして会議はまだ続くーー





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