とある能力者と無力者の消失記憶

双葉エレン

第12話少女の過去と守れなかった物

最近は殺人事件ばっかりニュースで見かけるようになった
銃で射殺されたらしい...、だがこの都市には能力者が沢山いるはず
妙に引っかかるなーー
と静かに思い、朝食を済ませて普段通りに通学、下校してる時だった
人気がない場所に、誰かが入っていく姿を見かけた空と蜜柑ーー
二人は顔を見合わせてあとを付いていくと、路地が少し狭く感じながら進み出す
『蜜柑...お前先帰ってろよ』
『帰らないよ、だってまた無茶する気でしょ?』
『そうだけどさ、何かあったら俺が困るんだよ』
『なんで?』
『なーんか、しっくり来なくなる...突然現れてパートナーと言われてロックキーつきドアを破壊されて今度は消えるって?ココまで俺を連れてきた責任取れよな』
びちゃ...
なにかの水滴を踏んだのかと足元を見るとーー
『こ、これは...血だ...』
『な、何でこんな場所で血だまりが...?』
蜜柑は気を引きながら一歩ずつ後ずさりして空の背後に隠れた
袖を掴み離そうとしないーー
『蜜柑...これ以上は危険だ...帰るんだ』
『やだよ...私の力を舐めないで』
仕方が無いから、とりあえず足を先に踏み続けたーー
路地が抜けた場所は、かなり広くて見渡しがいいくらいの河川が流れる場所についた
『これは...?』
蜜柑が、周りを見渡すとなにかの文字を見つけて眺めて呟くーー
『ログ・ア・メモリアーー?!』
突然頭を抱え始めた蜜柑ーー
顔色がだんだん良くない色に染まり始めた
冗談じゃねぇ、こんな場所で...病院なんてないーー
すると、どっからともなく女性の声が響くーー
『来たか』
後ろを振り向くと、見覚えがあるセーラー服と刀鍔の少女の姿だったーー
『お前...あの時のーー!』
『覚えていたのか、なら話が早いーー』
刀に手をかけて静かに抜いた瞬間
空の顔に斜めに切られていたーー
『ちっ、外したか...』
あまりの一瞬の出来事に戸惑いを隠せないーー
『驚くのはこれからさ』
一瞬で間合いを詰めて空を無数に切りつけたーー
『ぐっ......』
相手が魔術使いの一人だ...この攻撃も俺の力に変えればーー!
空は剣速を見切りながらかわして刃に左手を伸ばしたーー
が、左手を全てを切られてしまう
『ぐぁぁぁぁぁぁ!!』
『勘違いが仇となったな、悪いが私は魔術を使わない。この剣類先あれば私は十分だからな』
くそっ...甘く考えてた...パターン的にもそうだと思っていた
アレは本物か...、だとすればーー
空は、受けた能力を少女に向けて放ってみたがーー
二つに切り裂かれてしまう!
『ふん、私にはこんなの通じた無い!』
『そうか...なら物理的になら早いだろ!』
空は、少女に容赦なく拳の連撃
すべてをかわした少女は空の腹に刀の鞘を強く押し付けた!
『ぐはっ...!』
『動きが甘過ぎる、そんなんで蜜柑を守れるのか?』
地面に両手足を付けていた空ーー
そしてゆっくりと立ち上がり呟く
『なぁ、前からきになっていたが...あんたら蜜柑を何処に連れていく気だ?』
『......ある施設にあずける』
『まさか、ココじゃないよな...?』
空が見せたある紙、それは坂本から貰った奴の中にもう一枚紛れ込んでいたーー
それは、蜜柑を何処に連れていかれるかの場所だった
『研究所の元ラボ跡地...ここは、元々能力研究する場所だ...今は凍結がくらい使えなくなってる場所のハズ...どうゆうことだ?』
うすだまり、何も発しない...
だが表情はさっき好戦的とは違い、悲しん様な感じだったーー
『なんか話せよ』
『私はただーー』
空の周りを一瞬で切り裂かれてしまいその残骸が空に目掛けて次付きに飛ばされていくーー
『蜜柑を守りたかっただけだぁぁぁぁぁぁ!』
少女は、地面に刀を突き刺すーー
残骸が剣化となり空を襲う!
無数に切られた空は血塗れとなり地面に倒れたーー
『はぁっ...はぁっ...貴様に何がわかる。蜜柑ああなる前までは、普通の少女でもあり友達だった...がる日突然...研究体を集める奴らが現れて二人で守ってたけど...私達を助ける為自らあの研究所へ...』
動けるような体ではない空だが、無理くり体を起こそうとする
『まだそんな体で動くつもりか?』
空は血を垂らしながら、ゆっくりと体を起こしふらつきながら立ち上がる
『悪いな...俺もこいつに...仮があるもんでな...寝れない...友達だったのかっ...なら普通なら止めるべきじゃないのか...?』
刀を薙ぎ払払った少女ーー
風圧が顔に思いっきり当たる
『黙れ...』
『黙るもんか...心配してんだろ?』
『黙れ...って言ってんだ...』
『否定すんな自分の心に!』
刀を強く握りしめて大きく振り落とした少女ーー
『黙れっていってるんだぁぁぁぁぁぁ!これ以上、心を掻き乱さないでくれ!』
砂煙が舞う中、静かに声が響くー
『迷ったるんだろ本当は?どうしたらいいのか...こんなことしたって誰も報われないことくらい、分かってんだろ』
少女は強く唇を噛んで、空がいる場所に刀を振り回すーー
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
空はふらつきながら刀をかわしす
『お前なんかに何がわかる!友達が、研究体扱いされて助けられなかった自分の無力さがどれだけ痛いのかぁぁぁぁぁぁ!!』
『わかるさ、だからこそーー』
空は振り上げた少女右手を左手で掴むーー
『お前が強くならなきゃ意味がねぇんだ!』
『!?』
『過去がどうあれ否定しないで向き合ってここまで強くなったんだろ?なら次は自分の番だろ!』
言葉をつまらせて、静かに泣き崩れたーー
すると、背後が強く光出した
突然姿を現した男が現れた
『マズイね...このままだと...都市が消し飛ぶ』
『アンタ生きてたのか?』
『運良く生きていたのさ』
『で、アレなんだ?』
『見てのどおり研究所の最後の力を結集させた能力の暴走さ』
どんどん青白い場所が広がってくるーー
『これが...蜜柑を悩ませていた破壊能力...この、幻想吸収(イマジネーションドレン)で吸い取って壊すしかないみたいだな...』
だが、左手はボロボロだ
腕もボロけた雑巾のように使い物ならないーー
『ああああああああああああ!!』
考えてる時間が無い、だがこれをどうすれば...能力があまりにも強いし迂闊にすれば吸い込まれるー
『くっ、早くしないと蜜柑の身体が持たない!』
刀を地面に突き刺してゆっくりと立ち上がる少女ーー
『私達が発動時間を抑えるからその隙に...あんたのそのボロ左手で破壊して!』
その発言を聞いた、空は少しだけ笑みを浮かべて呟く
『あぁ、任せろ!』
三人の前に立ちはばかる能力の驚異、蜜柑を救うえるのかーー



          

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