ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第64話帝国戦記

『帝国』それは全てを支配するーー
護られた幾つものの『法』を充実に守り、従う。
時には、裁き、時には、自らの命さえ絶つ...そんな冷酷な法があるこそ秩序が守られているのだ。


それが例え『作られた人物』だとしてもーーー


《ファクトリーオンライン》


自分自らで何かを世界を作り上げる世界。敵モンスター、街、スキル、NPCだって製作可能だ。
但しそれは、自分の『種族』の領土内でしか行うことが出来ない。
各領土に踏み入るには、ある『印』を手に入れなくてはならない部分がありそれらを手にすれば自由に行き来が出来る仕様だ。
言わば印は、通行許可証みたいなものでみんなが思い、思いの世界を作り上げて、けして争いごとなんて起こらない。


ミディアング平原、草木や生い茂る見通しが良い平原。
そんな場所に、一人のダークエルフがモンスターとエンカウントして倒す
手に入れたドロップ品をウィンドウを開き確認して、再び閉じる


今回のイベント《大開拓する的な奴》
と言う何だか適当に投げ飛ばすようなタイトル名に、レクトは...呆れ顔をするするしかない。
今回のイベントは、特定のモンスター
ドロップする品を集める...わかりやすく言えば、pointタイプのクエストを何回も周回して特定のアイテムを手に入れる感じなのだ。


そんな感じで、まだ100個しか手に入れてない。1回のエンカウントでたったの1個や2個が最高ドロップ数だ。
凍てつく大国、マグマ火山、空中古代遺跡...そして、このミディアング平原
で4箇所目だ。


全て国境外の大陸にあるから『印』は必要ないが、その分敵が若干強めだ。


剣を肩にある鞘に静かに収める
い心地が良いゆるい風を全身で浴びる


息抜きでもするかな...


軽く飛び上がり、背中から生える羽を広げて空に向かって飛ぶーー


初期の頃は、全く飛び方を知らなく..
何故ならば、運営が独自に作った解説書の書かれている内容があまりにも意味がわからなず、時間と手間がかかった。


当時の飛行高さは10cmで、地面とスレスレな超絶低空飛行したなぁ...。
高く飛べたかと思えば、頭から墜落してゴミ箱に突っ込むし、制御不能ってレベルにしてはかなりの的確さがあったと思えたかな...。


『貴様...邪魔だ』
『ん?』


声がする方を振り向く
全身黒い甲冑を身にまとい、鉄の兜でその素顔を見る事が出来ない。
その姿からして軍事的な感じが、滲み出ている


『そこをどけ、帝国軍の通りだぞ』
聞き覚えがない、名前に首を傾げて取り敢えず常識にある質問をする
『帝国軍...?どこの種族領だ?』
少しだけ間を開けて答える甲冑の人
『その質問こそ、なんの意味だ?』


レクトは、少し驚き顔をする


質問の意味が通らない...?
おかしいな、普通なら今の会話ですぐ答えが返ってくるはずだが...。


試しにレクトは、カーソルコアをその甲冑の人に飛ばした。
コアは、その甲冑の人を捉えて名を表示する


NOP001 符号ジャッチマスター。レッグ・バルス・テール...?


聞き覚えがない名前とその《NOP001》と書かれた部分。
試作段階のNPCなのか定かではないが、多分NPCを管理するコードっと捉える。
ただ少なくても、《N》から始まるコードだとすれば...AI機能が付いてる場合もある。


『ふん、貴様らは空を飛べる妖精か...我が帝国軍は陸地を支配する旧型だが、武力には誰も抗うことは出来ぬ』
『レッグ・バルス・テールさん、それってどうゆう意味ですか?』
『貴様に教えてやらん...が、名前を呼ぶ時なレッグかジャッチマスターと呼ぶんだな』


甲冑を鳴らしながらどこかへと歩き始める。


随分上から目線だな...にしても、こいつ出来すぎてるな。
本当に人間みたいだな...喋り方。


そんな出会いから数日後のある日
新星グランド・アスタルタワー
第1層にて、一人でボスフロアを制した人物が居たらしい...。
その見た目は、黒い甲冑で羽すら生えてない変わった人種、それに削ぎあわないぐらいの的確な攻撃の速さに言葉すら出ないっと評判になっていた。


その情報は一躍ネット検索1位を誇っており、それを引っ越したばかりのマンションに新しい木製ディスクの上にPC画面を置いて立ちながら、配線などを弄り、起動させてすぐに、ズールグのアプリをダブルクリックする。


まだ片付いてない部屋での、手短の作業は結構シビアを要求される
それが、積み重なった段ボールがあと何箱あるのかっと思うぐらいだ。
それに、今日も待ち合わせ、だから時間的にも部屋の片付けが追い付かない
猫の手も借りたいほど...とはまさにこの事であろう。


そう言ってるまもなく、ズールグは検索ワード1位をすぐに映し出す。


あの時あった、あの兵士さんか...
しかも、ソロで第1層クリアって...普通なら不可能、HPバーが五本ある訳だしな...それを意図もなくやすやすとクリアしたって、結構な腕前だな


眺めていると...デジタル時計が鳴る、午後1時半を知らせる。
はっとした顔で、デジタル時計のアラームを止めた
そっから間もなくして、次になったのは...スマホの着信音だ
空斗は、ポケットからスマホを取り出して電源ボタンを押して画面を点灯させる。


赤坂梨紗っと書かれた名前と通話ボタンが現れる。
空斗は、通話ボタンをタップして電話に出る


『はい』
『待ち合わせ時間すぎてるわよ』
『ごめん、部屋の片付けが...終わってなくて...』
『それ昨日も聞いたよ?確かに、空斗君のマンションは使えなくなって引っ越したのは分かるけど...課題も終わらせなきゃ進級出来ないよ』
『痛いとこつくなぁ...』
『当然な話よ...あとすこしで終わるんだからその後手伝ってあげるって約束なんだからね』
『分かってるよ』
『うん、じゃ早く来てよね』


通話ボタンをタップして、画面を閉じる。PCの電源を落として、黒いジャケットを着てマンションから出て行く。


自転車に跨り、漕ぎ始める
場所は隣町のメディア横丁
旧都市東京だったが、最近...改名を移民しなかった人達が提案してそれを採用した新都市側の偉い人達。
だから、名前を付けることが許されており、好きな名前に出来る。
だが、区分に分かれてる為...当時は23区あったが全て統一。
さらにそっから半分割ったので、現在は海側の都市と山側の農民の2区のみ。


で、今言ったのは仮名...まだ正式に決まってない。
これを正式発表するのが、半年後らしい。
行き良いよく、自転車専用道路を漕ぐ
そして、ものの数分で、図書館にたどり着いた。
自転車から降りて、停車場まで運び置き、鍵をかけてキーを抜く。
図書館に入り数歩、何故かシャッター音が目覚しく煩い。


左側を向くと、梨紗が何故か様々なポーズをして撮影されていた
空斗は、目を細めて二階に繋がる階段を上り、木製の木のテーブルと椅子に座り...ある1枚のタブレットを開き眺める


課題の写し、っと見せ掛けてのアニメ動画アプリを開いて、イヤホンを接続して耳の穴にイヤホンを入れて眺める


第1話...主人公死滅させた


いきなり主人公がしぬ急展開
とゆうか、どっかで聞いたことある
それはさておき...


1時間後、アニメは...2話目のEDソングに差し掛かったあと...突如退屈スキルが発動し...眠気が襲う


そして、重い瞼は閉じてしまい寝てしまう...
それから、さらに1時間後...誰かに体を揺らされ瞼を擦りながら後ろを向くと
梨紗がこれまででもない殺意をした眼差しでコチラをじろりと見下ろしている...。取り敢えず何かを話さなければならないと空斗が思い口にした一言


『り、梨紗さん...おはよう?』


何かのドジを踏んだのだろうか、笑う顔がピキピキと強ばっている
梨紗は、そんな顔つきで『私を助けずに、なんで寝て悠長にアニメ動画なんか見てられるのかしらね...?』


このあと、無茶苦茶にしばかれたっとは言わないでおきたい...。
その日の夜、落ち合う流れになりベットに横たわりログイン果たす。


目の前には、夜景が広がり、人々が交差する。待ち合わせ場所は、こっから少し飛んだ高い山があり、名前は特に決まってないがそこがいつも落ち合う場所としている。


飛行時間約5分ほど飛んで、山の地表にゆっくりと着地する
そっから間もなくして、アリスが上空から飛び降りる様に着地する
ふわりと赤い髪の毛を揺らし、白いロングコートを靡かせる。
青い瞳は相変わらずで、コチラを見る


『毎回おもうんだけどさ、そのシーンいる?』
『普段味わえない巧妙な風を全身に浴びたいと思ってまして...どうですか?』
『俺に聞くなよ』
『まぁまぁ、そう言わないの。こうゆうスリルもこの世界の醍醐味よ』
『確かにそうだけどさ、ジェット飛行から急停止して、そのまま落下だぞ?普通なら...あまりの速さで涙ヨダレが横流れで、そこでいきなり停止して、不意から始まるジェットコースターを受けるようなもんだぞ...。死を前提にしてるにしか過ぎんない』
『そう言えば、レクトって高い場所駄目なんだっけ? 』


返す言葉は見当たらなかった
切実的に事実である
そう、高度恐怖症ーーなのだ。


『なんか意外、てゆうか...女々しいし斬新かな...イメージと違ってね』
『アリスさん、今まで一体どんなイメージを...』
アリスは顎に手を添え、考えながら言う


『お人好しの馬鹿で、考えなしで、割強い』


レクトはそれを聞いてガクっとする
そんな的確に言われたら流石にへこむ
確かに、彼自身の三拍子ならそれが的確でもあり答えなのである。
しかし、アリスは顎から手を離してレクトを振り向き、微かに笑いながら言う


『でもね、今回はそれ以外で新たな一面を私は見た。これだけ嬉しいことは他にはないよ?』


その笑みを見て少しだけこそばゆい気がした。そっから数分間、他愛もない会話が続いてーーそしてあの話を始める。


『ねぇ、最近話題になってるよねぇ...第1層をソロ攻略した一人の人物』
『その人物とあった事ある...』
『えっ?』
『全身黒い甲冑で兜もかぶっていたから素顔は分からない、だから試しにカーソルコアを飛ばしたら《NOP001》って出ていた』
『何それ...?NPCに付いてるナンバーコードみたいじゃない』
『うん、管理されてるって意味合いを持ってるには違いないけど...人みたいな喋り方なんだ』
『なにそれ、面白そう...!』
『アリスが思ってるような人じゃないよ、軍人的な堅い苦しい話し方だぞ』
『えー、そんなキャラこの世に要らないわ』
『誰もが、堅苦しい喋り方しないなんていないと思うが...。でも、興味湧いてきたことには変わりがないか』


アリスは石に座りつつもあることを話し始める。


『でもさ、おかしいよね...。そんなふうに話せるNPCなんてこれまであまりかったでしょ?そこら辺が不自然だし...あと、『帝国』って口に出してる地点で何らかのクエストが発生してもおかしくないわ』


言われてみて初めてわかる不審な部分
確かに、NPCにしては出来すぎてる
それに、『帝国』っと口にしてる事態で何らかのクエストが発生する可能性もある。
となれば、一刻も早くその兵士に合わなければならない事態となるわけだ。


『アリス明日時間作れそうか?』
『出来なくはないわよ』
『んじゃ、ついでにアヤとブリーフ指揮官...じゃなかった将軍様にもアポ取れるか...ってあれ?』


アリスがかなり嫌な顔を滲ませる
というのも無理がなく、もっさりブリーフ指揮官の事、上杉将軍は常に快楽を求めるスペシャル変態リストだ...
こよなく、女子からの悲鳴と通報が炸裂してしまうに違いない。
なら、その補佐代官の...ビルガード
略してビルガにも来てもらうしかない


『ビルガも一緒に頼めるか...?』


すると、アリスの表情は華やかになる
萎れた花に水を与えたように息を吹き返す様な顔つきにレクトは軽くため息をついて流すことにした。


次の日、第1層ボス部屋にて現地集合する...5名。その表情は険しく凛々しさをするが、上杉将軍だけ上半身裸で凛々しさの欠片もなくしていた。
とゆうか、アヤがどこを見て良いか目線が石でできた石像に飛べば、アリスは、殺意むき出しでレクトの睨みつける。


『ビルガさん、なんで来たのかわかるか?』っとレクトはビルガに視線を向けた。咳払いして『上杉将軍の全裸防止のためだろ?』っとそう答えた。
レクトは、首を左右に振り言う


『いやいや、見ろよ...上半身裸とかエキサイドスティック前身系だろ。なんか着せろよ』
ビルガは顎に手を添えながら、微妙な顔で言う


『悪いが、自分女子だから出来ない』


周りが『えっ?』って凍りつく
それを見かねて、上杉将軍は言う


『一応、男の服着こなしてるけど...実は女の子なんだよね。最近、私を拒むようになってしまってね...どうやら乙女心に目覚めたみたいなんだ』


さらに、ないはずの冷気が背筋を走る


女の子...?
そんな筈は...だって、胸がないじゃん
そうか、着痩せか?着痩せなのか!?


静まり返ったフロアに、カツン、カツンっと音を鳴らし、ガチャガチャっと鎧を鳴らす黒い甲冑を着た兵士がその姿を現したーー

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