妖精王になるとは言ったが、女になるとは聞いてねぇ!

私氏

モンスターの脅威

「俺達っていい感じのパーティーだよな!」
ナシオはさきの戦闘が快勝で、調子に乗っていた。そんなナシオを見て、ミライナは
「調子に乗ってると、足元すくわれるよ」
と注意していた
「まあ嬉しいのはわかるけど、アカデミーに着くまで気は抜くなよ」
「うぃーす」
そんなことを話しながら歩いていると、ヒメナが
「っ!皆さん何か来ます!」
と叫んだ
茂みの奥から、一匹の狼が飛び出て来た
「ホワイトウルフ!?」
ミライナはこの狼のことを知っていたようだ
「このモンスターはゴブリンの比じゃない!危険過ぎる!」
「みんな逃げるぞ!」
「こりゃやべえ!」
俺達はすぐに走りだした
「リストレイン!」
ヒメナはホワイトウルフを拘束していた
「何やってるんだヒメナ!」
俺はヒメナに叫んだ
「このまま逃げても追いつかれて全滅です!私が時間を稼ぎます!誰か助けを呼んできてください」
ヒメナの言う通りだ。このままでは全滅は免れない
「くっ分かった!死ぬなよ」
「はい」
俺達はアカデミーに助けを求めに行った

「あーあ。私の人生ここまでかな」
私は白く大きな脅威を見て、そう呟いた
「グルルル」
ホワイトウルフは拘束されて動けないが、拘束が解けたら間違いなく私は死ぬだろう
「みんなともっと話したかったな」
私はいつも一人ぼっちだったが、やっと仲間みたいな人達が出来た
「やるだけやってやる」
せめてみんながアカデミーに着くまでは時間を稼ぐ
「マリオネット!」
私は自分の人形を立たせた。大きさは私とあまり変わらないが、かなりカラクリを仕込んである
ホワイトウルフは拘束が解け、襲いかかって来た
「千本針!」
人形の腕から無数の針を出した
ホワイトウルフはそれを軽く避け、腕に噛み付いて来た
「ぎゃああああ!!」
腕は軽く千切られ人形を操れなくなり、人形はその場に崩れた
(レベルが違いすぎる!!)
私はあまりの激痛に悶える事しか出来なかった
次の一撃が来ることは分かっていたがどうすることもできなかった
「ガアァァ!」
飛びかかってくる所で私の意識は切れた




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