楽しむ異世界生活
16話 イジメっ子の件
「凄い! 凄いよレムさん!」
ソル君が興奮気味に肩を掴んできた。
 一応、攻撃パターンはレインとの幻想空間での戦闘で学んでるからね。
「先輩に勝つなんて凄いよ! そんな凄い人と付き合えるなんて……」
いや、付き合うって言ったっけ? 守るって言ったような…… まあいいか。
 先輩は新入生にはわざと負けてるらしいし、そんなに目立つこともないだろう。
「先輩。他にも案内よろしくお願いします」
「オッケーまかせて。今からは一気に校内を巡るからね」
そういって、早速校内へと走り出した。
 
長時間校内を走り回って、ソル君はほぼついて来れなかったようだ。
 俺が背中に担いで先輩のあとを追って、校内すべてを巡った。
 最後に紹介されたのは図書館。大量の本が置いてあり、魔法のイメージ方法が書いてある本や、昔の英雄達の事。いつか読み漁りに来る日がくるだろう。
「はぁ…はぁ……うおぇっ……」
ずっと背中に乗っていたソル君は、振動によって気持ち悪さを訴えている。
仕方なく医療魔法で回復してやった。
「へぇ〜。レムさんって剣技も力も体力もあるのに、魔法も使えるんだ。万能だね」
「いえいえ。必要と思ったので覚えただけですよ」
昔から必要な魔法は覚えるようにしていたのが、役立ったな。
ソル君は体調が戻って、図書館の中を眺めている。
「広いね〜……。全部読むには何年かかるんだろう……」
何気なく呟いたソル君の一言に
「確か卒業しても全部読めなかった人がいたね。1日に30冊読んでたらしいんだけど」
どんだけ本があるんだ。
 
『私にかかれば、読んだ本のページを一瞬で記憶することができるので、卒業前に全て読めると思います』
『今後レインに頼る日が来るかもね』
広い図書館に、若干酔いそうになりつつ図書館から出ることにした。
「校内はこれで全部だよ。まあいきなり全部は覚えれないと思うから少しずつ覚えようね。
 なんなら君たちの部屋に案内しようか?何号室だっけ」
「487号室です。私が覚えてますので、ソル君をつれていきますね。カナ先輩、今日はありがとうございました」
「うん。レムさんの活躍楽しみにしてるよ。じゃあね〜」
カナ先輩は手を振って、去っていった。
「じゃ、帰ろっか」
「うん」
俺とソル君が帰ろうとしていたその時だった。
「ちょっと待てお前ら」
「待たないと兄貴が怒るでやんすよ」
俺と同じ年代の男が二人。
「ひっ……い、イジメっ子です……」
この2人がソル君を虐めているのか。
「僕達に何か用かな?」
「あぁ? うるせぇ。先輩と仲良くしてんじゃねぇよ、殺すぞ」
やはり子供だからだろうか。話が噛み合わない。
 それに先輩がいなくなってから現れたとなると、先輩には態度が低いのだろう。
「何? 先輩と仲良くしたらいけないの? じゃあこんどあの先輩に言っとくね。君達が先輩と仲良くしちゃいけないって言ったから今後話さないでくださいって」
「はぁっ!? や、やめろよ!」
「冗談だよ」
やっぱり子供は単純だな。こうしておちょくってると楽しい。
 でも、それだとイジメっ子と変わらない。
「おいソルナント。その女の子誰?」
「えっ……か、彼女……」
「お前に彼女なんてできたのか!? 証拠は!?」
証拠といっても、俺とソルが証拠なのだが。
 それ以外に何を証明しろと言うのだろうか。
「れ、レムさん……手…」
そういって手を差し出してきた。手を繋げば恋人。実にわかりやすい。
 しっかりと手を握って、体をソルの方へと寄せる。
「僕のソルに何か用かな?」
「なっ……おいそこの女の子! そんな奴が彼氏で良いのかよ!」
「そうでやんす! 兄貴の方が良いでやんす!」
さっきから兄貴兄貴言ってる出っ歯で禿頭の子はなんなのだろうか。
 ジャイ〇ンとス〇夫に近い何かを感じる。
「人を虐めるような人は嫌いだなぁ」
「虐めてなんかいない!!」
「そんなに僕と付き合いたいの?」
更にからかってみる。
「なっ…別にお前みたいなブスなんかと付き合いたくないし!」
「ブ……ス…………?」
流石にこの一言には俺も反応する。
 前世が男だったから、ブスと美人の判別くらいできる。
 俺は確実に美人の部類だ。その俺をブス呼ばわりとはなんだ。
 ソル君は何かを察したのか、繋いでいた手を話した。
「なっ、なんだよブス!」
更にブスと言われた。
 俺は全身の魔力を高めて、体の周りに魔素を集める。
ソル君の魔眼から見ると物凄い光景だろう。
 他人から見ても、周りの空間が陽炎のように歪んでいる。
「俺がブスだと……? それに2回言ったな?
この俺にそんな事言っていいのか?」
「なんだよブス!」
俺の中で何かが切れる音がした。
 身体強化で、一気に男の後ろへと回り込む。
 そして2人の頭を掴んで地面へと叩きつける。
 2人の男は、地面へ頭をめり込ませてもがいている。
「次俺のことをブスっつったら、そのキ〇タマ捻り潰して2度と使い物にならなくしてやガハァッ!!」
突然、後ろから首に衝撃が与えられ、俺は気を失った。
「やれやれ……物凄い魔力を感じたから来てみたら新入生か」
「先生……?」
ソル君は今起こった出来事に、呆然と立ち尽くしている。
ソル君が興奮気味に肩を掴んできた。
 一応、攻撃パターンはレインとの幻想空間での戦闘で学んでるからね。
「先輩に勝つなんて凄いよ! そんな凄い人と付き合えるなんて……」
いや、付き合うって言ったっけ? 守るって言ったような…… まあいいか。
 先輩は新入生にはわざと負けてるらしいし、そんなに目立つこともないだろう。
「先輩。他にも案内よろしくお願いします」
「オッケーまかせて。今からは一気に校内を巡るからね」
そういって、早速校内へと走り出した。
 
長時間校内を走り回って、ソル君はほぼついて来れなかったようだ。
 俺が背中に担いで先輩のあとを追って、校内すべてを巡った。
 最後に紹介されたのは図書館。大量の本が置いてあり、魔法のイメージ方法が書いてある本や、昔の英雄達の事。いつか読み漁りに来る日がくるだろう。
「はぁ…はぁ……うおぇっ……」
ずっと背中に乗っていたソル君は、振動によって気持ち悪さを訴えている。
仕方なく医療魔法で回復してやった。
「へぇ〜。レムさんって剣技も力も体力もあるのに、魔法も使えるんだ。万能だね」
「いえいえ。必要と思ったので覚えただけですよ」
昔から必要な魔法は覚えるようにしていたのが、役立ったな。
ソル君は体調が戻って、図書館の中を眺めている。
「広いね〜……。全部読むには何年かかるんだろう……」
何気なく呟いたソル君の一言に
「確か卒業しても全部読めなかった人がいたね。1日に30冊読んでたらしいんだけど」
どんだけ本があるんだ。
 
『私にかかれば、読んだ本のページを一瞬で記憶することができるので、卒業前に全て読めると思います』
『今後レインに頼る日が来るかもね』
広い図書館に、若干酔いそうになりつつ図書館から出ることにした。
「校内はこれで全部だよ。まあいきなり全部は覚えれないと思うから少しずつ覚えようね。
 なんなら君たちの部屋に案内しようか?何号室だっけ」
「487号室です。私が覚えてますので、ソル君をつれていきますね。カナ先輩、今日はありがとうございました」
「うん。レムさんの活躍楽しみにしてるよ。じゃあね〜」
カナ先輩は手を振って、去っていった。
「じゃ、帰ろっか」
「うん」
俺とソル君が帰ろうとしていたその時だった。
「ちょっと待てお前ら」
「待たないと兄貴が怒るでやんすよ」
俺と同じ年代の男が二人。
「ひっ……い、イジメっ子です……」
この2人がソル君を虐めているのか。
「僕達に何か用かな?」
「あぁ? うるせぇ。先輩と仲良くしてんじゃねぇよ、殺すぞ」
やはり子供だからだろうか。話が噛み合わない。
 それに先輩がいなくなってから現れたとなると、先輩には態度が低いのだろう。
「何? 先輩と仲良くしたらいけないの? じゃあこんどあの先輩に言っとくね。君達が先輩と仲良くしちゃいけないって言ったから今後話さないでくださいって」
「はぁっ!? や、やめろよ!」
「冗談だよ」
やっぱり子供は単純だな。こうしておちょくってると楽しい。
 でも、それだとイジメっ子と変わらない。
「おいソルナント。その女の子誰?」
「えっ……か、彼女……」
「お前に彼女なんてできたのか!? 証拠は!?」
証拠といっても、俺とソルが証拠なのだが。
 それ以外に何を証明しろと言うのだろうか。
「れ、レムさん……手…」
そういって手を差し出してきた。手を繋げば恋人。実にわかりやすい。
 しっかりと手を握って、体をソルの方へと寄せる。
「僕のソルに何か用かな?」
「なっ……おいそこの女の子! そんな奴が彼氏で良いのかよ!」
「そうでやんす! 兄貴の方が良いでやんす!」
さっきから兄貴兄貴言ってる出っ歯で禿頭の子はなんなのだろうか。
 ジャイ〇ンとス〇夫に近い何かを感じる。
「人を虐めるような人は嫌いだなぁ」
「虐めてなんかいない!!」
「そんなに僕と付き合いたいの?」
更にからかってみる。
「なっ…別にお前みたいなブスなんかと付き合いたくないし!」
「ブ……ス…………?」
流石にこの一言には俺も反応する。
 前世が男だったから、ブスと美人の判別くらいできる。
 俺は確実に美人の部類だ。その俺をブス呼ばわりとはなんだ。
 ソル君は何かを察したのか、繋いでいた手を話した。
「なっ、なんだよブス!」
更にブスと言われた。
 俺は全身の魔力を高めて、体の周りに魔素を集める。
ソル君の魔眼から見ると物凄い光景だろう。
 他人から見ても、周りの空間が陽炎のように歪んでいる。
「俺がブスだと……? それに2回言ったな?
この俺にそんな事言っていいのか?」
「なんだよブス!」
俺の中で何かが切れる音がした。
 身体強化で、一気に男の後ろへと回り込む。
 そして2人の頭を掴んで地面へと叩きつける。
 2人の男は、地面へ頭をめり込ませてもがいている。
「次俺のことをブスっつったら、そのキ〇タマ捻り潰して2度と使い物にならなくしてやガハァッ!!」
突然、後ろから首に衝撃が与えられ、俺は気を失った。
「やれやれ……物凄い魔力を感じたから来てみたら新入生か」
「先生……?」
ソル君は今起こった出来事に、呆然と立ち尽くしている。
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