楽しむ異世界生活
11話 ネロとレインの姿
 黒猫の名前を決めようと思う。
 レインはシンプルにブレインからとった名前なのだが、黒猫はどうしようか。
 くろ……ねこ……くろ……ねくろ……ねろ……。
 うん、ネロで良いか。
「今日から君の名前はネロだ。よろしく」
これまた随分と簡単に決めてしまった名前。
「なかなかセンスあるね」
ネロは尻尾をパタパタと振って喜んでいる様子。
 口調は可愛くないが、動作はとても可愛い。
 父は俺が1人で寂しいからとくれた物だが、レインがいるから実質2人と会話ができるのだ。
 寂しさなんて1ミリもない。
「そうそう、ネロの性別はオス?メス?」
「魔族猫に性別はないんだ」
「ん? 魔族猫って?」
「魔界っていう魔族が住んでる世界があるんだけど、そこにいる猫の事を言うんだ。僕は魔族猫の中でも神級だから舐めてもらっちゃ困る」
なんか凄いヤツ貰っちゃったな。
 
「ネロは魔族猫の神様なの?」
「違う違う。あくまでも階級だよ。魔力量によって階級分けされるんだ。そんな僕よりも魔力量が多いのがレムだけどね」
あれ? 俺の魔力量ってどうなってんの?
 今度試してみる必要があるな。
昼食は静かに終わり、俺はまた自室へと戻る。
 昼食中、ネロは頭の上に乗っていた。
 どんなに動いても落ちないから思いっきり傾けてみると、床に落ちかけて俺の服の中へズボッと入ったのは笑った。
 魔族猫は何も食べずに、魔素さえあれば生きれるようだ。
 部屋の中では、明日の学校に向けて魔法の練習をしていた。
 まず医療魔法。
 試しに剣で指先を切って医療魔法を唱えた。
 医療魔法は魔力によって体内の細胞等を大幅に活性化させて自然治癒能力を早めているだけらしい。
 もし指を切断した場合、切断面以外の細胞が完全に死んでいたら、元に戻すことはできず。早めに魔法を使わないといけないらしい。
「医療魔法って万能じゃないんだね」
「禁術にどんな傷も完璧に治す魔法があるんだけど、あれは時間を巻き戻す魔法だからね」
そういうのもあるのか。
 時を操るのは危険っていう話を前世で聞いたことがある。
 この世界では禁術として存在するようだ。
 次に試す魔法は、幻影魔法。
 空気中の魔素を集めてイメージを写す魔法だ。
 この魔法もイメージが難しいらしく、レインによるサポートに頼った。
 まず試すのは自分の姿。
 目の前に現れるようにイメージする。
《幻影スキルを獲得しました》
実体があるかのように現れた自分の姿。
 長く綺麗に伸びた黒髪に、赤い瞳。
 客観的に見るとスタイルはなかなかの良さで、胸も膨らみ始めている。
 幻影は自在に動かすことができたが、触ることは不可能らしい。
 しかし、幻影に幻影を持たせることは可能。
 使い方次第では便利になるだろう。
「流石レムだね」
「まあレインのサポートのお陰でもあるよ」
『私は役に立ってるけど、ネロは何ができるの?』
ネロとレインは、指輪をはめている間会話ができるようだ。
 指輪を外すことはまず無いだろう。
 そしてレインに煽られたネロは、少しやる気を出したのか、魔力を集中させる。
ネロの周りが黒い煙に覆われる。煙が無くなり、ネロがいた場所を見るとイケメンな男性が立っていた。
「どうだい? シンプルな体に化けてみたよ」
化け猫ってやつか。執事服を着て、黒い短い髪に黒い猫目。目だけは変わらないようだ。
『ぐぬぬ……私だって幻影で現れることくらいできますよ……』
ネロの横の空間が歪み、メイド服を来た金髪の美少女が現れた。
 髪は軽くウェーブがかかっている。
 俺の目の前に2人のイケメンと美少女が現れて、ドヤ顔で俺の方を見ている。
 ていうかレインすげぇな。
 いままで脳内でしか会話した事がない相手と、幻影ではあるが向かい合って会話ができている。
 
「レイン、今度からずっとその姿で居てくれないか?」
「えっ? 流石にそれは無理ですよ。幻影になっている間、レム様の魔力を使っているので、レム様の体が持ちません」
レインはそういうと、煙のように消えていった。
「僕はずっとこのままで居れるよ」
「あぁ〜ネロは時々猫の姿に戻って欲しいな。モフモフしたいから」
「じゃあ、それ以外の時はこの姿でいるよ。レムを守るためにもね」
イケメンに言われると俺の乙女心がキュンとしちゃう。
 あらやだ、何かに目覚めそうだわ。
 あ、そうだ俺女だったんだ。罪悪感なんて感じる必要はないんだ。
俺は男と女の間で苦闘を繰り広げていた。
 レインはシンプルにブレインからとった名前なのだが、黒猫はどうしようか。
 くろ……ねこ……くろ……ねくろ……ねろ……。
 うん、ネロで良いか。
「今日から君の名前はネロだ。よろしく」
これまた随分と簡単に決めてしまった名前。
「なかなかセンスあるね」
ネロは尻尾をパタパタと振って喜んでいる様子。
 口調は可愛くないが、動作はとても可愛い。
 父は俺が1人で寂しいからとくれた物だが、レインがいるから実質2人と会話ができるのだ。
 寂しさなんて1ミリもない。
「そうそう、ネロの性別はオス?メス?」
「魔族猫に性別はないんだ」
「ん? 魔族猫って?」
「魔界っていう魔族が住んでる世界があるんだけど、そこにいる猫の事を言うんだ。僕は魔族猫の中でも神級だから舐めてもらっちゃ困る」
なんか凄いヤツ貰っちゃったな。
 
「ネロは魔族猫の神様なの?」
「違う違う。あくまでも階級だよ。魔力量によって階級分けされるんだ。そんな僕よりも魔力量が多いのがレムだけどね」
あれ? 俺の魔力量ってどうなってんの?
 今度試してみる必要があるな。
昼食は静かに終わり、俺はまた自室へと戻る。
 昼食中、ネロは頭の上に乗っていた。
 どんなに動いても落ちないから思いっきり傾けてみると、床に落ちかけて俺の服の中へズボッと入ったのは笑った。
 魔族猫は何も食べずに、魔素さえあれば生きれるようだ。
 部屋の中では、明日の学校に向けて魔法の練習をしていた。
 まず医療魔法。
 試しに剣で指先を切って医療魔法を唱えた。
 医療魔法は魔力によって体内の細胞等を大幅に活性化させて自然治癒能力を早めているだけらしい。
 もし指を切断した場合、切断面以外の細胞が完全に死んでいたら、元に戻すことはできず。早めに魔法を使わないといけないらしい。
「医療魔法って万能じゃないんだね」
「禁術にどんな傷も完璧に治す魔法があるんだけど、あれは時間を巻き戻す魔法だからね」
そういうのもあるのか。
 時を操るのは危険っていう話を前世で聞いたことがある。
 この世界では禁術として存在するようだ。
 次に試す魔法は、幻影魔法。
 空気中の魔素を集めてイメージを写す魔法だ。
 この魔法もイメージが難しいらしく、レインによるサポートに頼った。
 まず試すのは自分の姿。
 目の前に現れるようにイメージする。
《幻影スキルを獲得しました》
実体があるかのように現れた自分の姿。
 長く綺麗に伸びた黒髪に、赤い瞳。
 客観的に見るとスタイルはなかなかの良さで、胸も膨らみ始めている。
 幻影は自在に動かすことができたが、触ることは不可能らしい。
 しかし、幻影に幻影を持たせることは可能。
 使い方次第では便利になるだろう。
「流石レムだね」
「まあレインのサポートのお陰でもあるよ」
『私は役に立ってるけど、ネロは何ができるの?』
ネロとレインは、指輪をはめている間会話ができるようだ。
 指輪を外すことはまず無いだろう。
 そしてレインに煽られたネロは、少しやる気を出したのか、魔力を集中させる。
ネロの周りが黒い煙に覆われる。煙が無くなり、ネロがいた場所を見るとイケメンな男性が立っていた。
「どうだい? シンプルな体に化けてみたよ」
化け猫ってやつか。執事服を着て、黒い短い髪に黒い猫目。目だけは変わらないようだ。
『ぐぬぬ……私だって幻影で現れることくらいできますよ……』
ネロの横の空間が歪み、メイド服を来た金髪の美少女が現れた。
 髪は軽くウェーブがかかっている。
 俺の目の前に2人のイケメンと美少女が現れて、ドヤ顔で俺の方を見ている。
 ていうかレインすげぇな。
 いままで脳内でしか会話した事がない相手と、幻影ではあるが向かい合って会話ができている。
 
「レイン、今度からずっとその姿で居てくれないか?」
「えっ? 流石にそれは無理ですよ。幻影になっている間、レム様の魔力を使っているので、レム様の体が持ちません」
レインはそういうと、煙のように消えていった。
「僕はずっとこのままで居れるよ」
「あぁ〜ネロは時々猫の姿に戻って欲しいな。モフモフしたいから」
「じゃあ、それ以外の時はこの姿でいるよ。レムを守るためにもね」
イケメンに言われると俺の乙女心がキュンとしちゃう。
 あらやだ、何かに目覚めそうだわ。
 あ、そうだ俺女だったんだ。罪悪感なんて感じる必要はないんだ。
俺は男と女の間で苦闘を繰り広げていた。
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