魔王LIFE
54話 タイムリープ
「疲れた〜……」
大勢の人に返信していく作業は、いくら仕事が出来る人でも大変だ。
ㅤアキはテレビゲームで遊んでるし、俺はアキのスマホで今も少しずつ送られてくるリプに返信していく。
ㅤ今日中に500ツイート行くんじゃね?
「アキ〜……」
「何? あぁ〜死んだ……」
FPSで遊んでいるようだ。
「疲れた」
「知らんがな」
「……」
つまらない友人だな……。
「そういえばさ〜……アキ、なんでそんなに食べてるのに太らないの?」
「ん?」
ゲームをしている最中も、ポテチに炭酸飲料を食べるわ飲むわで……普段から運動しないアキはどうして太らないのだろうか。
「俺太りにくい体質なんだよね」
「ふ〜ん……」
なんとな〜く魔眼でアキを見てみた。
「……あれ?」
「どうした?」
アキ……魔力持ってないか? いや、もしかすると誰でも持ってるものかも知れないが……。
「ちょ、ちょっと窓開けるよ」
「急にどうした?」
窓の外を見て、歩いている一般人を魔眼で見てみるが……魔力は見えない。アキ限定……なのか?
「ね、ねぇアキ……ちょっと聞きたい……。聞きたいことがある」
「お、おう」
「お前……なんで魔力持ってるんだ?」
口調が変わったが、今女言葉で話す必要は無い。俺は不自然に思ったので聞いた。
「……ルト……いや悠人。今まで黙っていて悪かった」
「……」
「俺も……転生者なんだ」
「……マジ?」
予想していた言葉の内の1つが帰ってきて、少しだけ驚いた。
「俺の場合、魔素がある世界で魔物に殺され……そのままこの世界の子供として転生してきた」
「だから……魔力を……」
魔力を回復する為に食事を取っていた。という事か。
「ご、ごめんちょっとゲーム消すわ」
アキが先程まで遊んでいたテレビゲームの電源を切って、俺の前に座り直した。
「何か質問があるなら何でも答える」
どうやらバレたからといって態度を変える事は無いようだ。
「どうして転生者の……アキが俺なんかの友達に?」
「ハルトがいつか転生する。そしてここに帰ってくる事を知っていたから……といっても信じてもらえるか分からないけどな」
「予知能力……?」
「いや……正確にはタイムリープかな」
時間操作系の技能……。アキが転生者だということには驚いたが、珍しい技能を持っている事にも驚いた。
「それで……俺と友達にならないといけない理由ってのは……?」
「その言い方はちょっと違う……ハルトとは友達になりたかった。俺の目的の為に友達になったんじゃない」
「じゃあ……タイムリープと何の関係が……」
「この世界が滅びる。それも転移者と魔物によって」
世界が滅びる!?
ㅤ転移者と魔物……ってことは他の世界からここに誰かが来るって事なのか!?
「詳しく教えてくれ」
「まず。ハルトが異世界に飛ばされなくても、この世界は滅びる運命にある。俺以外にもこの世界には転生者や転移者がいて、今も魔素によって地球の環境は乱れつつある」
……知らなかったな。
「そして魔素が集まると、その空間は別世界に繋がる」
「そこから転生者が来る……って事か」
「それも、人間を魔物と認識した生き物達がね」
人間を魔物と……まるで宇宙人が支配しにくるみたいだな。
「それを……俺達が何とかしなきゃいけないのか……?」
「何とか出来るのなら嬉しいけどな……。残念な事だけど、そいつらはハルトやサハルの比じゃないくらい強い」
「じゃあどうしようも……」
「まだ時間はある。それに、俺が絶対に地球を救う方法を考える」
昔から、アキは本当の事しか言わない。俺が困った時も、アキのアドバイスのお陰でなんとかなってきた。
ㅤ今はアキを信じるしかない。
「……俺、いや。私達に出来ることなら何でもする。私はアキの事を信じるから、アキも私達の事を信じて頼ってほしい」
「ハルトは昔から話が下手だな。俺がルトを信じる、なんて当たり前の事だろ」
「ありがとう……」
これから何が起こるか、俺にはハッキリと分からない。
ㅤ今はアキを信じて行動するしかない。地球上の生物全員の命が懸かっている。理想郷の全国民が一致団結して、アキを手伝おう。
ㅤふと、テレビに映ったニュースに目をやった。
『先日、都内に住む男性が行方不明になりました。今回の件で……行方不明者は11名。これらは何らかの事件巻き込まれた物と思われます。
ㅤ夜遅くの外出、家の戸締りはしっかりとしましょう』
11名……。
「最近増えてきてる。これも地球に異変が起きてる証拠だ」
「タイムリミットはいつまで?」
「まだ遠い、4年後。異変は波でやってくるんだ」
4年後か。余裕は……それなりにはありそうだな。
「分かった。私は1度帰ってサハルに伝えてくる」
「よろしく。……あ、できれば俺が転生者ってのはーー」
「勿論言わないよ。2人だけの秘密だな」
「っ……。じゃあな」
「また明日な〜」
空も赤くなってきたし、寄り道しないでそのまま帰ろう。
ーーーーー
俺は城に戻って、4年後に起こるであろう事をサハルに話した。
ㅤどうやって知ったのかは、アキとの約束で言わないことにしている。
タイムリミットは4年後。今後、地球にどのような異変が起こるか分からない。
ㅤアキはかなりの重要人物となりそうだ。
大勢の人に返信していく作業は、いくら仕事が出来る人でも大変だ。
ㅤアキはテレビゲームで遊んでるし、俺はアキのスマホで今も少しずつ送られてくるリプに返信していく。
ㅤ今日中に500ツイート行くんじゃね?
「アキ〜……」
「何? あぁ〜死んだ……」
FPSで遊んでいるようだ。
「疲れた」
「知らんがな」
「……」
つまらない友人だな……。
「そういえばさ〜……アキ、なんでそんなに食べてるのに太らないの?」
「ん?」
ゲームをしている最中も、ポテチに炭酸飲料を食べるわ飲むわで……普段から運動しないアキはどうして太らないのだろうか。
「俺太りにくい体質なんだよね」
「ふ〜ん……」
なんとな〜く魔眼でアキを見てみた。
「……あれ?」
「どうした?」
アキ……魔力持ってないか? いや、もしかすると誰でも持ってるものかも知れないが……。
「ちょ、ちょっと窓開けるよ」
「急にどうした?」
窓の外を見て、歩いている一般人を魔眼で見てみるが……魔力は見えない。アキ限定……なのか?
「ね、ねぇアキ……ちょっと聞きたい……。聞きたいことがある」
「お、おう」
「お前……なんで魔力持ってるんだ?」
口調が変わったが、今女言葉で話す必要は無い。俺は不自然に思ったので聞いた。
「……ルト……いや悠人。今まで黙っていて悪かった」
「……」
「俺も……転生者なんだ」
「……マジ?」
予想していた言葉の内の1つが帰ってきて、少しだけ驚いた。
「俺の場合、魔素がある世界で魔物に殺され……そのままこの世界の子供として転生してきた」
「だから……魔力を……」
魔力を回復する為に食事を取っていた。という事か。
「ご、ごめんちょっとゲーム消すわ」
アキが先程まで遊んでいたテレビゲームの電源を切って、俺の前に座り直した。
「何か質問があるなら何でも答える」
どうやらバレたからといって態度を変える事は無いようだ。
「どうして転生者の……アキが俺なんかの友達に?」
「ハルトがいつか転生する。そしてここに帰ってくる事を知っていたから……といっても信じてもらえるか分からないけどな」
「予知能力……?」
「いや……正確にはタイムリープかな」
時間操作系の技能……。アキが転生者だということには驚いたが、珍しい技能を持っている事にも驚いた。
「それで……俺と友達にならないといけない理由ってのは……?」
「その言い方はちょっと違う……ハルトとは友達になりたかった。俺の目的の為に友達になったんじゃない」
「じゃあ……タイムリープと何の関係が……」
「この世界が滅びる。それも転移者と魔物によって」
世界が滅びる!?
ㅤ転移者と魔物……ってことは他の世界からここに誰かが来るって事なのか!?
「詳しく教えてくれ」
「まず。ハルトが異世界に飛ばされなくても、この世界は滅びる運命にある。俺以外にもこの世界には転生者や転移者がいて、今も魔素によって地球の環境は乱れつつある」
……知らなかったな。
「そして魔素が集まると、その空間は別世界に繋がる」
「そこから転生者が来る……って事か」
「それも、人間を魔物と認識した生き物達がね」
人間を魔物と……まるで宇宙人が支配しにくるみたいだな。
「それを……俺達が何とかしなきゃいけないのか……?」
「何とか出来るのなら嬉しいけどな……。残念な事だけど、そいつらはハルトやサハルの比じゃないくらい強い」
「じゃあどうしようも……」
「まだ時間はある。それに、俺が絶対に地球を救う方法を考える」
昔から、アキは本当の事しか言わない。俺が困った時も、アキのアドバイスのお陰でなんとかなってきた。
ㅤ今はアキを信じるしかない。
「……俺、いや。私達に出来ることなら何でもする。私はアキの事を信じるから、アキも私達の事を信じて頼ってほしい」
「ハルトは昔から話が下手だな。俺がルトを信じる、なんて当たり前の事だろ」
「ありがとう……」
これから何が起こるか、俺にはハッキリと分からない。
ㅤ今はアキを信じて行動するしかない。地球上の生物全員の命が懸かっている。理想郷の全国民が一致団結して、アキを手伝おう。
ㅤふと、テレビに映ったニュースに目をやった。
『先日、都内に住む男性が行方不明になりました。今回の件で……行方不明者は11名。これらは何らかの事件巻き込まれた物と思われます。
ㅤ夜遅くの外出、家の戸締りはしっかりとしましょう』
11名……。
「最近増えてきてる。これも地球に異変が起きてる証拠だ」
「タイムリミットはいつまで?」
「まだ遠い、4年後。異変は波でやってくるんだ」
4年後か。余裕は……それなりにはありそうだな。
「分かった。私は1度帰ってサハルに伝えてくる」
「よろしく。……あ、できれば俺が転生者ってのはーー」
「勿論言わないよ。2人だけの秘密だな」
「っ……。じゃあな」
「また明日な〜」
空も赤くなってきたし、寄り道しないでそのまま帰ろう。
ーーーーー
俺は城に戻って、4年後に起こるであろう事をサハルに話した。
ㅤどうやって知ったのかは、アキとの約束で言わないことにしている。
タイムリミットは4年後。今後、地球にどのような異変が起こるか分からない。
ㅤアキはかなりの重要人物となりそうだ。
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