魔王LIFE
33話 経験から来る勘
〜イベント開催まで残り2日〜
今日もいつもと変わらずダラダラするだけだ。
ㅤいや、いつもと違うのは部屋にサハルとリベルトがいることだけかな。
「なんで二人ともここに?」
「俺は王女様の右腕として、常に傍にいた方が良いと思っただけだ」
「僕は "これ" が変な行動を起こさないか監視するためさ」
お互いの仲はあまり良くないようだ。
ㅤまあ俺もまだリベルトを信用した訳じゃない。最初に出会った時は犬の真似してたし、正直心配な部分もある。
ㅤしかし、全身の筋肉の付き具合といい礼儀作法、更には持っている剣まで一流一品。それに何度も転生しているからなのか、俺よりも強い感じだ。
ㅤ技能を取得するポイントを溜めてたりしてるのだろうな。
「ねぇ、リベルトのボーナス技能って何?」
ボーナス技能ってのは、ポイントが溜まりすぎている時にランダムな技能が貰える物だ。俺の知り合いにはサハルとフェンディアがそれを持っている。
「今は《一流騎士》だ」
「今は……?」
「ああ、何回も転生繰り返してるから今は、だ。この前は《未来予知》とかだったな」
《一流騎士》ってのは凄いのだろうか。
「ちなみに今のボーナス技能は外れだな」
「当たり外れがあるの?」
「技能にも種類がある。ゲーム風に説明すると、《ステータスUP系》《能力追加系》《効果発動系》。この三つ」
流石転生のプロ。知り尽くしてるな。
ㅤ《ステータスUP系》ってのはフェンディアが持ってた《神速》って技能がそうだろう。
ㅤ《能力追加系》が、サハルが持ってる《全能》(?)だっけか。
「《効果発動系》っていうのは?」
「そうだな。簡単に説明すると……条件を満たした時、自動的に発動する技能。
ㅤ例えば自分の体が傷ついたとする。すると、回復能力を持った《効果発動系》技能があれば、勝手に治癒してくれる」
へぇ……便利だな。それって俺の《モテモテ》だったり《ラッキースケベ》もそうなのかな?
ㅤにしてもリベルトは何でも知ってるなぁ。そりゃ経験した事が多いからだろうけど、何度も自殺繰り返して人生攻略するって凄いぞ。
「あ、自殺に失敗して記憶を失ったりした事ある?」
「失敗した記憶はないけど、今のところ無いかな」
まあそりゃ記憶無いから分からないか。
ㅤあ、サハルがつまらなさそうな顔してる。
「サハルどうしたの?」
「別に……」
この反応は……拗ねてる時だ。俺がリベルトばっかりと話してるから嫉妬してるんだな。
「サハルおいで」
俺の横の椅子を引いて、隣に座るよう誘導した。
ㅤサハルはその椅子に座って、リベルトに敵意を込めた目線を送る。
「魔王2人に見つめられると流石の俺も怯むな」
「でも強いんでしょ?」
「横のサハルには勝てないさ」
「僕には呼び捨てか?」
「まあまあ二人共仲良く仲良く」
「無理」
これはサハルが一方的にリベルトを嫌ってる感じだな。
ㅤどうにか二人の関係を良くする方法は無いだろうか……。
ㅤそんな事を悩んでいると、リベルトが立ち上がった。
「どうしたの?」
「なんとな〜く嫌な予感がする」
「嫌な予感?」
「長年の経験から来るただの勘、なんだけどね。一応戦闘の準備はした方が良い」
俺はとりあえず壁に掛けてある剣を手に取った。
ㅤサハルはリベルトの事を信じていないのか、椅子から動こうとしない。
「サハル様、この国の出入り口はどちらでしょうか」
「……」
「お願いしますサハル様! もしかすると国民達が危険に晒される可能性も!」
リベルトが焦っている。ただの勘にそこまで焦る必要も無いと思うけどな。
「西に真っ直ぐ行けば門があるよ」
「王女様ありがとうございます!」
リベルトがすぐに転移していった。
「なんだと思う?」
「知らない」
まだ拗ねてる様子だ。
ㅤなんとなくサハルの頭を撫でてみた。
「……」
「あれ、抵抗しないんだね」
「そう言われるから抵抗するんだ」
バッと俺の手を弾いた。
ㅤん〜……機嫌戻るまでしばらくの辛抱かな。
ーーーーー
しばらく2人で紅茶を飲んでいると、リベルトと帰ってきた。
「何かあった?」
「ああ。ミシェルという奴が大軍引き連れてやってきたよ。俺がなるべく友好的に対応したところ、『ルトを助けに来た』だそうだ」
ミシェル!? 俺の救出を諦めて逃げたんじゃなかったのか!? しかし……ミシェルに会いたいな。
ㅤチラッとサハルの方を見ると。
「ルトは二又どころか三又する気かい?」
と睨まれてしまった。
「違う違う。逃げないし、会うだけだからさ」
「まあ……僕はルトを信じてるから。一緒に行ってもいいなら許す」
それって完全には信じてないって事だろ。
ㅤまあいいか。
「じゃあ門まで転移して」
サハルの肩に捕まり、西門へと転移した。
今日もいつもと変わらずダラダラするだけだ。
ㅤいや、いつもと違うのは部屋にサハルとリベルトがいることだけかな。
「なんで二人ともここに?」
「俺は王女様の右腕として、常に傍にいた方が良いと思っただけだ」
「僕は "これ" が変な行動を起こさないか監視するためさ」
お互いの仲はあまり良くないようだ。
ㅤまあ俺もまだリベルトを信用した訳じゃない。最初に出会った時は犬の真似してたし、正直心配な部分もある。
ㅤしかし、全身の筋肉の付き具合といい礼儀作法、更には持っている剣まで一流一品。それに何度も転生しているからなのか、俺よりも強い感じだ。
ㅤ技能を取得するポイントを溜めてたりしてるのだろうな。
「ねぇ、リベルトのボーナス技能って何?」
ボーナス技能ってのは、ポイントが溜まりすぎている時にランダムな技能が貰える物だ。俺の知り合いにはサハルとフェンディアがそれを持っている。
「今は《一流騎士》だ」
「今は……?」
「ああ、何回も転生繰り返してるから今は、だ。この前は《未来予知》とかだったな」
《一流騎士》ってのは凄いのだろうか。
「ちなみに今のボーナス技能は外れだな」
「当たり外れがあるの?」
「技能にも種類がある。ゲーム風に説明すると、《ステータスUP系》《能力追加系》《効果発動系》。この三つ」
流石転生のプロ。知り尽くしてるな。
ㅤ《ステータスUP系》ってのはフェンディアが持ってた《神速》って技能がそうだろう。
ㅤ《能力追加系》が、サハルが持ってる《全能》(?)だっけか。
「《効果発動系》っていうのは?」
「そうだな。簡単に説明すると……条件を満たした時、自動的に発動する技能。
ㅤ例えば自分の体が傷ついたとする。すると、回復能力を持った《効果発動系》技能があれば、勝手に治癒してくれる」
へぇ……便利だな。それって俺の《モテモテ》だったり《ラッキースケベ》もそうなのかな?
ㅤにしてもリベルトは何でも知ってるなぁ。そりゃ経験した事が多いからだろうけど、何度も自殺繰り返して人生攻略するって凄いぞ。
「あ、自殺に失敗して記憶を失ったりした事ある?」
「失敗した記憶はないけど、今のところ無いかな」
まあそりゃ記憶無いから分からないか。
ㅤあ、サハルがつまらなさそうな顔してる。
「サハルどうしたの?」
「別に……」
この反応は……拗ねてる時だ。俺がリベルトばっかりと話してるから嫉妬してるんだな。
「サハルおいで」
俺の横の椅子を引いて、隣に座るよう誘導した。
ㅤサハルはその椅子に座って、リベルトに敵意を込めた目線を送る。
「魔王2人に見つめられると流石の俺も怯むな」
「でも強いんでしょ?」
「横のサハルには勝てないさ」
「僕には呼び捨てか?」
「まあまあ二人共仲良く仲良く」
「無理」
これはサハルが一方的にリベルトを嫌ってる感じだな。
ㅤどうにか二人の関係を良くする方法は無いだろうか……。
ㅤそんな事を悩んでいると、リベルトが立ち上がった。
「どうしたの?」
「なんとな〜く嫌な予感がする」
「嫌な予感?」
「長年の経験から来るただの勘、なんだけどね。一応戦闘の準備はした方が良い」
俺はとりあえず壁に掛けてある剣を手に取った。
ㅤサハルはリベルトの事を信じていないのか、椅子から動こうとしない。
「サハル様、この国の出入り口はどちらでしょうか」
「……」
「お願いしますサハル様! もしかすると国民達が危険に晒される可能性も!」
リベルトが焦っている。ただの勘にそこまで焦る必要も無いと思うけどな。
「西に真っ直ぐ行けば門があるよ」
「王女様ありがとうございます!」
リベルトがすぐに転移していった。
「なんだと思う?」
「知らない」
まだ拗ねてる様子だ。
ㅤなんとなくサハルの頭を撫でてみた。
「……」
「あれ、抵抗しないんだね」
「そう言われるから抵抗するんだ」
バッと俺の手を弾いた。
ㅤん〜……機嫌戻るまでしばらくの辛抱かな。
ーーーーー
しばらく2人で紅茶を飲んでいると、リベルトと帰ってきた。
「何かあった?」
「ああ。ミシェルという奴が大軍引き連れてやってきたよ。俺がなるべく友好的に対応したところ、『ルトを助けに来た』だそうだ」
ミシェル!? 俺の救出を諦めて逃げたんじゃなかったのか!? しかし……ミシェルに会いたいな。
ㅤチラッとサハルの方を見ると。
「ルトは二又どころか三又する気かい?」
と睨まれてしまった。
「違う違う。逃げないし、会うだけだからさ」
「まあ……僕はルトを信じてるから。一緒に行ってもいいなら許す」
それって完全には信じてないって事だろ。
ㅤまあいいか。
「じゃあ門まで転移して」
サハルの肩に捕まり、西門へと転移した。
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