魔王LIFE
23話 不自由のない
ㅤ部屋に戻って、これから自分が何をすべきか考える。
ㅤもし本当にミシェルが俺の救出を諦めたのなら、何とかして脱出方法を考えないといけない。
ㅤ働いてる人達の場所に行って、まずはお互いの仲を深める事から始めるか。その間サハルとはあまり関わらないようにしないとな。
ㅤいまリアンはサハルにお仕置きを受けているところだし、俺は城の内部しか把握してないから、この国のどこに何があるのか分からない。リアンが帰ってくるまで待つか。
ㅤ先程のバルコニーから街の景色が少し見えたが、かなり広い。もしかするとこの国は元々誰かの支配地で、そこをサハルが乗っ取ったのかもしれない。
ㅤ許せないな。
ーーー
ㅤベッドの上でダラダラしていると、部屋の扉がノックされた。ということはリアンか。
「どうぞ〜」
「失礼致します……くくく」
しかし入ってきたのはリアンではなく、羊の顔をした男だった。
「えっと……どちら様で?」
「私はサハル様にお仕えする執事でございます」
「お名前は……?」
「執事で結構。サハル様から伝言があります」
結構サハル関連か。
「『暇なら城の外にある街を散歩するといい。一応普通に生活してる人も、店を営業してる人もいるから。
ㅤ不自由な生活はさせてないから安心して、遊んできていいよ』 
ㅤとのことです」
へぇ〜案外普通に生活させてるのか。サハルの事だからずっと働けせてるのかと思った。
「失礼ですねぇ」
「……え?」
「サハル様は寛大なる御方でございます。そのような事はしません」
「いや、そうじゃなくて……私声に出してた?」
確実に心の声を読まれたような感じがしたんだが。
「はい。しっかりとお口で喋っておりました」
「そ、そうですか……」
無意識に声を出すなんて初めてだな。疲れが溜まってるのか。
「じゃあ……しばらく休んで遊びに行くから、サハルには着いてこないように頼んどいて」
「かしこまりました。では失礼します……くく」
この執事の笑い方、不気味だなぁ……。
「よく言われます」
また声に出てたか。休まねぇとな……。
「あ、そうそう。お出かけになる時は、この服に着替えて頂きたい、とサハル様が」
「ん?」
執事がどこからか取り出したのは、白いコートにズボン。とてもシンプルなデザインだ。
「ドレスは汚れては困る、とのこと」
サハルのせいで1着汚したんだけどな。
「では、失礼しました」
執事が服を置いて部屋から出ていった。
ㅤ白いコートを広げてみると、何かの紙が落ちた。何だろうと思い拾って見ると。
□■□■□
そのコートはルトの体にピッタリフィットするように作ったんだ。ボディラインが綺麗に見えるからね。それを着たら1度僕に見せてくれるかな?
■□■□■
サハルからだった。
ㅤすぐに破ってゴミ箱に捨てた。
ーーーーー
あまり着たくないが、もうそろそろ遊びに行きたいし、ドレスも動きにくいだろうから仕方なくコートとズボンを着た。
ㅤ確かに体にフィットして、違和感なくとても動きやすい。立ち鏡の前に立ってクルッと回ってみた。
「ん〜良いね。美少女が際立つ」
我ながら良い着こなしだと思う。
ㅤ顔もカッコイイし、スタイル抜群。身長は低いけど似合ってる。
ㅤ棚の上に、靴がいくつかある。その中から自分に似合う靴を探す。
「うん、これで良いかな」
白には白。キャバリエブーツと呼ばれる靴だ。
ㅤ少しだけ黒が入っているが、それもオシャレの一つだろう。
ㅤこの靴も俺の足にピッタリだった。
「いつの間にサイズ測ったんだ……?」
いつサイズを測ったのか。どうやって測ったのか。
ㅤ想像すると鳥肌が立った。
「あまり考えないようにしよう」
新しい衣装に、心を弾ませながら部屋の外に出る。
「お、やっぱり似合うね〜」
サハルがいた。
「なんで…………」
会いたくない奴に早速会ってしまい、一気に気分が落ち込んだ。
ㅤもし本当にミシェルが俺の救出を諦めたのなら、何とかして脱出方法を考えないといけない。
ㅤ働いてる人達の場所に行って、まずはお互いの仲を深める事から始めるか。その間サハルとはあまり関わらないようにしないとな。
ㅤいまリアンはサハルにお仕置きを受けているところだし、俺は城の内部しか把握してないから、この国のどこに何があるのか分からない。リアンが帰ってくるまで待つか。
ㅤ先程のバルコニーから街の景色が少し見えたが、かなり広い。もしかするとこの国は元々誰かの支配地で、そこをサハルが乗っ取ったのかもしれない。
ㅤ許せないな。
ーーー
ㅤベッドの上でダラダラしていると、部屋の扉がノックされた。ということはリアンか。
「どうぞ〜」
「失礼致します……くくく」
しかし入ってきたのはリアンではなく、羊の顔をした男だった。
「えっと……どちら様で?」
「私はサハル様にお仕えする執事でございます」
「お名前は……?」
「執事で結構。サハル様から伝言があります」
結構サハル関連か。
「『暇なら城の外にある街を散歩するといい。一応普通に生活してる人も、店を営業してる人もいるから。
ㅤ不自由な生活はさせてないから安心して、遊んできていいよ』 
ㅤとのことです」
へぇ〜案外普通に生活させてるのか。サハルの事だからずっと働けせてるのかと思った。
「失礼ですねぇ」
「……え?」
「サハル様は寛大なる御方でございます。そのような事はしません」
「いや、そうじゃなくて……私声に出してた?」
確実に心の声を読まれたような感じがしたんだが。
「はい。しっかりとお口で喋っておりました」
「そ、そうですか……」
無意識に声を出すなんて初めてだな。疲れが溜まってるのか。
「じゃあ……しばらく休んで遊びに行くから、サハルには着いてこないように頼んどいて」
「かしこまりました。では失礼します……くく」
この執事の笑い方、不気味だなぁ……。
「よく言われます」
また声に出てたか。休まねぇとな……。
「あ、そうそう。お出かけになる時は、この服に着替えて頂きたい、とサハル様が」
「ん?」
執事がどこからか取り出したのは、白いコートにズボン。とてもシンプルなデザインだ。
「ドレスは汚れては困る、とのこと」
サハルのせいで1着汚したんだけどな。
「では、失礼しました」
執事が服を置いて部屋から出ていった。
ㅤ白いコートを広げてみると、何かの紙が落ちた。何だろうと思い拾って見ると。
□■□■□
そのコートはルトの体にピッタリフィットするように作ったんだ。ボディラインが綺麗に見えるからね。それを着たら1度僕に見せてくれるかな?
■□■□■
サハルからだった。
ㅤすぐに破ってゴミ箱に捨てた。
ーーーーー
あまり着たくないが、もうそろそろ遊びに行きたいし、ドレスも動きにくいだろうから仕方なくコートとズボンを着た。
ㅤ確かに体にフィットして、違和感なくとても動きやすい。立ち鏡の前に立ってクルッと回ってみた。
「ん〜良いね。美少女が際立つ」
我ながら良い着こなしだと思う。
ㅤ顔もカッコイイし、スタイル抜群。身長は低いけど似合ってる。
ㅤ棚の上に、靴がいくつかある。その中から自分に似合う靴を探す。
「うん、これで良いかな」
白には白。キャバリエブーツと呼ばれる靴だ。
ㅤ少しだけ黒が入っているが、それもオシャレの一つだろう。
ㅤこの靴も俺の足にピッタリだった。
「いつの間にサイズ測ったんだ……?」
いつサイズを測ったのか。どうやって測ったのか。
ㅤ想像すると鳥肌が立った。
「あまり考えないようにしよう」
新しい衣装に、心を弾ませながら部屋の外に出る。
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