魔王LIFE
5話 生きるとは守るということ
窓から外の景色を眺めていると、扉がノックされた。
「どうぞ〜」
「失礼します」
リアンが部屋に入ってきて、寝ている俺の横までやってきた。
「なに?」
「客人です。配下に入れて欲しいとのこと」
来たか。
「連れてきて」
「分かりました」
リアンがすぐに部屋から出ていき、廊下を走る音が聞こえた。……はしゃぎ過ぎだろ。
ーーー
コンコン「連れてきました」
「あい」
寝ながらダラダラしているところにリアンがやってきたので、適当な返事で部屋に入れた。
「失礼致します」
リアンの後ろにいる男は、白い肌と赤い目をしている。
「ヴァンパイアのキースと申します。魔王様の配下に入れていただきたくやってきました」
綺麗にお辞儀をしたキース。
「はいはい。自分の部屋は自分で探して」
「つまり配下に入れてもらえたということですね。ありがとうございます」
キースは更に深くお辞儀をして、リアンと共に部屋から出ていった。
ㅤ正直、一人一人に丁寧な対応をするのは面倒臭いんだ。これからどんどん人がやってくるんだし、適当に対応してれば良いだろう。
ㅤというか、次からリアンに任せるか。
コンコン「客人です」
「またか……部屋探させといて」
「分かりました」
俺はとにかくゴロゴロしていたい。
ㅤベッドの上でダラダラしているだけで、仲間が増えていく。寝ているだけで戦力が上がっていく。
ㅤ魔王最高だな。
ㅤきっと今頃リアンが城の中走り回って楽し……仕事しているだろう。その間俺は何をしていようか……。
ㅤ悩んだ俺は、とりあえず筋トレすることにした。
ㅤスクワット、腕立て伏せ、腹筋運動。重いボールを魔法で作って、それをゆっくり持ち上げる運動まで。
ーーー
「暇だぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
あまりにも暇すぎて叫ぶことしか無くなった。
ㅤ前世ではスマホなりゲームやらがあったんだが、この世界にはスマホなんてない。作ったとしても電波が通ってないしな。電波作るにもイメージが沸かない。
コンコン「魔王様、どうなさいましたか」
「あぁリアン。暇なんだけどさ、何かない?」
「部屋に入っても宜しいでしょうか」
「どうぞ〜」
そして入ってきたリアンの姿に、俺は目を丸くした。
ㅤ皮の汚い服ではなく、綺麗なメイド服。黒いガーターベルトにニーソックス。誰の趣味か知らないが、客人の仕業だ。
「その服はなんだ」
「ドワーフが即興で作ってくださいました」
ドワーフ、手先がかなり器用で力仕事もできる。配下に入れるには最高の種族だな。
「地下に広い部屋があったので、ドワーフ達に配下達の装備を作ってもらうことにしました」
「お、気が利くじゃん」
「当然の事をしたまでです」
ただのバカかと思ったけど、どうやら使えるようだな。
「魔王様の趣味とは何でしょうか」
「魔王様じゃなくてルトでいい。趣味か……じゃあリアンの耳触らせてくれ」
「ルト様と呼ばせていただきます。耳ですか、ルト様の命令ならなんでも致します」
そういうと、寝ている俺の横に寝転がった。
「な、何をしてる?」
「耳を触りやすいようにしただけです。どうぞ」
「じゃあ遠慮なく」
耳の付け根らへんを指先でスッと撫でると、耳をピクンと動かした。
ㅤ更に、ゆっくり撫でていくとピクピクと動く。そしてリアンがエッチな声を漏らしている。
「気持ち良いのか?」
「は、ひゃい。流石ルト様です…」
トロけた声のリアン。俺が男だったら理性を失っている程可愛い。でも女になった今、可愛いだったり美しいという感情は湧くが、性的興奮は持てない。
ㅤ悲しいなぁ……。
「他のところも触っていいか?」
「ルト様にならどんなところでも」
どんなところ……か。性的興奮を持つためにも触るか。
ㅤメイド服の上からリアンの豊満な胸を触る。自分の胸で気持ち良い揉み方は分かっている。優しく揉んでみる。
「っ……っっ……」
一生懸命口を抑えて声を出さないように堪えているようだ。若干俺も興奮してきた。
ㅤ小動物のように可愛いリアンをもっと虐めたくなった。
「っ……ひあぁっ!?」
耳に軽く息を吹きかけると、耐えていた声をついに出した。
「気持ち良いなら我慢しなくていいんだよ」
「わ……分かりました」
それからしばらく胸を揉んだら満足した。
「はぁ…はぁ……もう終わりですか」
「次からもこんな事するけど良いかな?」
俺はホモじゃない。女の子が好きなノーマルだ。それを証明するためにもリアンにそういう事をしなくてはならない。
「よ、喜んで」
「ありがとう。部屋から出ていっていいよ」
「失礼します」
リアンが部屋から出ていったのを確認すると、俺は履いているズボンに目をやる。
「……触ってみるか」
ズボンの中に手を入れて、股の間にある割れ目に触れてみる。
「こ、これが……」
一気に心臓が高鳴り、性的興奮が押し寄せてきた。ーー
ーーーーー
「んっ……ミシェルッ……あ、あぁっっ!!」
初めての行為。
ㅤ終えた後に息を整えて、自分が誰を想像しながらしていたのかを冷静になり思い出す。
「っ! ……俺、ホモなんかじゃ…」
凄く悲しい気持ちになり、布団の中に潜る。
ㅤ俺、異世界に来てから何してるんだろう…。何をしたら良いんだろう……自分でもよく分かんないな。魔王になった。だからといって何か目的がある訳じゃないし、整った生活環境がある訳でもない。
ㅤ自分の家、自分の部屋、暇潰しのゲーム、食事。それがあった前世に戻りたいと思った。
ㅤラノベを見ていた頃は、異世界に行ってハーレム作って最高の日々を過ごしたいなんて夢見てたけど。恋愛対象が男になって、友達も作れず、人とも打ち解けない俺の未熟さ。
ㅤ嫌な現実を知ったな。異世界に来たところで、俺自信の行動力だったりやる気がないと何も楽しめないんだな。
「何したら良いんだろ……」
深いため息をついた。
ㅤ未来が見えない。このままずっと何もしないでいるのか、そんな未来は嫌だ。我が儘なのかもしれない、楽して幸せな日々なんて遅れるはずが無い。
ㅤ俺は魔王なんだ……でも人々を恐怖に陥れるような事はしたくない。国で暮らすにしても、いままで親に頼ってきた俺は1人で人前に出る事が苦手だ。だから楽をしたい。
「はぁ……」
コンコン「ルト様、配下の者達がルト様に会いたいと仰っています」
「あぁ〜……ホールに集めといて」
「分かりました」
配下。今の俺の仲間、でもそれも全部魔物だったり魔族だったりで人間なんていない。俺は人間なのだろうか。それとも魔王という種族なのだろうか。それすらも分からない。
ㅤ動くのが面倒だと思いつつ、仲間が俺に会いたいと言っているからホールに行かなければならない。
ㅤなんとなくイメージでホールに瞬間移動してみた。
「ーーれより魔王ルト様がっ……来ました」
リアンが集めた配下達に説明をしている時に、俺が横に現れた。転移成功だ。
ㅤホールにはパッと見500人。それ以上がホール全体、二階に登っていたりしていた。
「私が魔王だ。君達が…私の配下に加わったのだな。ありがたく思う」
と、適当に挨拶をすると。
「うぉぉぉぉお魔王様の復活だぁぁあ!!!」
「「ルト様〜!!」」
「魔王様がついに…」
大声で歓喜する者。感動のあまり泣き始める者。
ㅤ色んな魔物や魔族達が、俺が来るのを待ち望んでいたようだ。まさかこんなに……祝福されるとはな。
ㅤもしかして俺はコイツらを守る為に生まれてきたのだろうか。
「お前ら……」
「ルト様? どうして泣いてらっしゃるのですか?」
「「魔王様〜!!!!」」
俺は、何のために生きるのか。何をしたらよいのか分かった気がする。
「ふぅ……お前ら!」
「「はいっ!」」
俺が声を上げると、配下達みんなが一斉に返事をした。
「今日から私の時代が始まる! 着いてこれる奴らは拳を掲げて叫べ!!」
「「うおおぉぉぉおおおおおおお!!!!!」」
あ、うるせっ。
ㅤ500人以上の配下達が一斉に叫んだことによって、大気が振動を起こしている。
「「ルート!ルート!ルート!」」
ルトコールが何度も城に響いた。
ーーー
その日、世界中の国に『魔の森に突然城が現れた』という知らせが届き、それぞれの国王が集まり会議が開かれることになった。
「どうぞ〜」
「失礼します」
リアンが部屋に入ってきて、寝ている俺の横までやってきた。
「なに?」
「客人です。配下に入れて欲しいとのこと」
来たか。
「連れてきて」
「分かりました」
リアンがすぐに部屋から出ていき、廊下を走る音が聞こえた。……はしゃぎ過ぎだろ。
ーーー
コンコン「連れてきました」
「あい」
寝ながらダラダラしているところにリアンがやってきたので、適当な返事で部屋に入れた。
「失礼致します」
リアンの後ろにいる男は、白い肌と赤い目をしている。
「ヴァンパイアのキースと申します。魔王様の配下に入れていただきたくやってきました」
綺麗にお辞儀をしたキース。
「はいはい。自分の部屋は自分で探して」
「つまり配下に入れてもらえたということですね。ありがとうございます」
キースは更に深くお辞儀をして、リアンと共に部屋から出ていった。
ㅤ正直、一人一人に丁寧な対応をするのは面倒臭いんだ。これからどんどん人がやってくるんだし、適当に対応してれば良いだろう。
ㅤというか、次からリアンに任せるか。
コンコン「客人です」
「またか……部屋探させといて」
「分かりました」
俺はとにかくゴロゴロしていたい。
ㅤベッドの上でダラダラしているだけで、仲間が増えていく。寝ているだけで戦力が上がっていく。
ㅤ魔王最高だな。
ㅤきっと今頃リアンが城の中走り回って楽し……仕事しているだろう。その間俺は何をしていようか……。
ㅤ悩んだ俺は、とりあえず筋トレすることにした。
ㅤスクワット、腕立て伏せ、腹筋運動。重いボールを魔法で作って、それをゆっくり持ち上げる運動まで。
ーーー
「暇だぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
あまりにも暇すぎて叫ぶことしか無くなった。
ㅤ前世ではスマホなりゲームやらがあったんだが、この世界にはスマホなんてない。作ったとしても電波が通ってないしな。電波作るにもイメージが沸かない。
コンコン「魔王様、どうなさいましたか」
「あぁリアン。暇なんだけどさ、何かない?」
「部屋に入っても宜しいでしょうか」
「どうぞ〜」
そして入ってきたリアンの姿に、俺は目を丸くした。
ㅤ皮の汚い服ではなく、綺麗なメイド服。黒いガーターベルトにニーソックス。誰の趣味か知らないが、客人の仕業だ。
「その服はなんだ」
「ドワーフが即興で作ってくださいました」
ドワーフ、手先がかなり器用で力仕事もできる。配下に入れるには最高の種族だな。
「地下に広い部屋があったので、ドワーフ達に配下達の装備を作ってもらうことにしました」
「お、気が利くじゃん」
「当然の事をしたまでです」
ただのバカかと思ったけど、どうやら使えるようだな。
「魔王様の趣味とは何でしょうか」
「魔王様じゃなくてルトでいい。趣味か……じゃあリアンの耳触らせてくれ」
「ルト様と呼ばせていただきます。耳ですか、ルト様の命令ならなんでも致します」
そういうと、寝ている俺の横に寝転がった。
「な、何をしてる?」
「耳を触りやすいようにしただけです。どうぞ」
「じゃあ遠慮なく」
耳の付け根らへんを指先でスッと撫でると、耳をピクンと動かした。
ㅤ更に、ゆっくり撫でていくとピクピクと動く。そしてリアンがエッチな声を漏らしている。
「気持ち良いのか?」
「は、ひゃい。流石ルト様です…」
トロけた声のリアン。俺が男だったら理性を失っている程可愛い。でも女になった今、可愛いだったり美しいという感情は湧くが、性的興奮は持てない。
ㅤ悲しいなぁ……。
「他のところも触っていいか?」
「ルト様にならどんなところでも」
どんなところ……か。性的興奮を持つためにも触るか。
ㅤメイド服の上からリアンの豊満な胸を触る。自分の胸で気持ち良い揉み方は分かっている。優しく揉んでみる。
「っ……っっ……」
一生懸命口を抑えて声を出さないように堪えているようだ。若干俺も興奮してきた。
ㅤ小動物のように可愛いリアンをもっと虐めたくなった。
「っ……ひあぁっ!?」
耳に軽く息を吹きかけると、耐えていた声をついに出した。
「気持ち良いなら我慢しなくていいんだよ」
「わ……分かりました」
それからしばらく胸を揉んだら満足した。
「はぁ…はぁ……もう終わりですか」
「次からもこんな事するけど良いかな?」
俺はホモじゃない。女の子が好きなノーマルだ。それを証明するためにもリアンにそういう事をしなくてはならない。
「よ、喜んで」
「ありがとう。部屋から出ていっていいよ」
「失礼します」
リアンが部屋から出ていったのを確認すると、俺は履いているズボンに目をやる。
「……触ってみるか」
ズボンの中に手を入れて、股の間にある割れ目に触れてみる。
「こ、これが……」
一気に心臓が高鳴り、性的興奮が押し寄せてきた。ーー
ーーーーー
「んっ……ミシェルッ……あ、あぁっっ!!」
初めての行為。
ㅤ終えた後に息を整えて、自分が誰を想像しながらしていたのかを冷静になり思い出す。
「っ! ……俺、ホモなんかじゃ…」
凄く悲しい気持ちになり、布団の中に潜る。
ㅤ俺、異世界に来てから何してるんだろう…。何をしたら良いんだろう……自分でもよく分かんないな。魔王になった。だからといって何か目的がある訳じゃないし、整った生活環境がある訳でもない。
ㅤ自分の家、自分の部屋、暇潰しのゲーム、食事。それがあった前世に戻りたいと思った。
ㅤラノベを見ていた頃は、異世界に行ってハーレム作って最高の日々を過ごしたいなんて夢見てたけど。恋愛対象が男になって、友達も作れず、人とも打ち解けない俺の未熟さ。
ㅤ嫌な現実を知ったな。異世界に来たところで、俺自信の行動力だったりやる気がないと何も楽しめないんだな。
「何したら良いんだろ……」
深いため息をついた。
ㅤ未来が見えない。このままずっと何もしないでいるのか、そんな未来は嫌だ。我が儘なのかもしれない、楽して幸せな日々なんて遅れるはずが無い。
ㅤ俺は魔王なんだ……でも人々を恐怖に陥れるような事はしたくない。国で暮らすにしても、いままで親に頼ってきた俺は1人で人前に出る事が苦手だ。だから楽をしたい。
「はぁ……」
コンコン「ルト様、配下の者達がルト様に会いたいと仰っています」
「あぁ〜……ホールに集めといて」
「分かりました」
配下。今の俺の仲間、でもそれも全部魔物だったり魔族だったりで人間なんていない。俺は人間なのだろうか。それとも魔王という種族なのだろうか。それすらも分からない。
ㅤ動くのが面倒だと思いつつ、仲間が俺に会いたいと言っているからホールに行かなければならない。
ㅤなんとなくイメージでホールに瞬間移動してみた。
「ーーれより魔王ルト様がっ……来ました」
リアンが集めた配下達に説明をしている時に、俺が横に現れた。転移成功だ。
ㅤホールにはパッと見500人。それ以上がホール全体、二階に登っていたりしていた。
「私が魔王だ。君達が…私の配下に加わったのだな。ありがたく思う」
と、適当に挨拶をすると。
「うぉぉぉぉお魔王様の復活だぁぁあ!!!」
「「ルト様〜!!」」
「魔王様がついに…」
大声で歓喜する者。感動のあまり泣き始める者。
ㅤ色んな魔物や魔族達が、俺が来るのを待ち望んでいたようだ。まさかこんなに……祝福されるとはな。
ㅤもしかして俺はコイツらを守る為に生まれてきたのだろうか。
「お前ら……」
「ルト様? どうして泣いてらっしゃるのですか?」
「「魔王様〜!!!!」」
俺は、何のために生きるのか。何をしたらよいのか分かった気がする。
「ふぅ……お前ら!」
「「はいっ!」」
俺が声を上げると、配下達みんなが一斉に返事をした。
「今日から私の時代が始まる! 着いてこれる奴らは拳を掲げて叫べ!!」
「「うおおぉぉぉおおおおおおお!!!!!」」
あ、うるせっ。
ㅤ500人以上の配下達が一斉に叫んだことによって、大気が振動を起こしている。
「「ルート!ルート!ルート!」」
ルトコールが何度も城に響いた。
ーーー
その日、世界中の国に『魔の森に突然城が現れた』という知らせが届き、それぞれの国王が集まり会議が開かれることになった。
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