女嫌いの俺が女に転生した件。

フーミン

241話 サタナの胸は魔王を超える



「皆買い物終わった〜?」


 それぞれ店の前に出てきて、手元には袋やアクセサリーなんかを持っていたりする。


「次はどこに行くんですか? 私、もう満足しました」
「そうね。このまま帰っても幸せかもしれないわ」


 ふっふっふっ……実は、昼食食べていた時から考えていたのだ。


「皆で、マッサージ店に行こう!」


 すると、すぐにベリアストロが反応した。


「近くにあるかしら」
「大丈夫! 私が案内するから、皆で行かない?」
「ん〜私はアリスちゃんとお外で待ってます」


 エリフォラはアリスと外で待つのか。じゃあ、残りの皆で行こう。気持ち良いから。


「リグもサタナもイザナギもクラウディアも、良い?」
「あ、ああ……まあ問題ない」
「僕も気になるから行ってみる」
「じゃあ俺も行くよ」
「俺は別に構わない」


 よし、皆の同意も得られたことだし、レッツゴーだ。


◆◇◆◇◆


「はい、では女性の方はこちらを真っ直ぐ進んでください」


 マッサージ店で、案内通り進んでいく。俺とサタナとクラウディアとベリアストロ。この4人でマッサージは珍しい。


「こんにちは、クロアさんですね。こちらにどうぞ」


 それぞれに店員が声をかけて、マッサージ台に案内された。


「カーテンを締めますので、服を脱いでこのタオルを巻いてください。脱いだ服はこの籠にお願いします」
「はい」


 どうやら、俺の隣はクラウディアとサタナのようだ。カーテン開いたら話せるかもしれない。


 タオルを巻いて、店員を呼ぶ。


「はい。ではここにうつ伏せになってください。お連れの方と話しますか?」
「あ、話しながらできるならお願いします」


 1人でボーッとしてると眠くなるからなぁ〜……心地の良い香りと暖かさで、フワフワするんだ。
 隣の店員と話した後、カーテンが開かれた。


 どうやら俺の右手側にサタナ。左手側にクラウディアがいるらしい。


「クロア〜! 僕すっごい緊張してる!」
「ははは、リラックスリラックス」


 早速サタナが興奮した感じで声を上げた。


「ではマッサージを始めますね。ゆっくり話してていいですよ」
「は〜い」


 ちょっとヌメッとした手が首元から背中にかけて、スーッと通っていった。


「うひゃっ、擽ったい」
「すみません。魔王様は擽ったくないですか?」
「俺は大丈夫だ」


 左側では、緊張した様子のマッサージ師がクラウディアに声をかけていた。やっぱり魔王をマッサージするとなると緊張するよな。


「サタナさんは胸が大きいので、肩が随分と凝ってますね」
「あぁ〜……そうなんだよ〜。すごく気持ちいいね……」


 手足も首も肩も、色んな部位をマッサージされて、皆気持ちよさそうな声をあげている。


「サタナは胸が大きくて羨ましいなぁ……」
「邪魔なだけだよ〜」
「クラウディアは肩凝りとかする?」


 クラウディアって、普段の服だと胸の大きさ分かりにくいんだよな。後で見ないとな。


「そりゃ勿論、少しはする」
「私あんまりしないんだよな。一番小さいのかな」


 どうせある胸なら、大きい方が良いよな〜。小さいと自慢できないし。


 その後も、全身を色々とマッサージされて最高にリラックスした。


◆◇◆◇◆


「では仰向けになってください」
「はい」


 体勢を変えて仰向けに。サタナとクラウディアも同じタイミングで仰向けになり、それぞれタオルが剥がれて胸が見えている。


「うわっ!! サタナ胸大きすぎ!」


 マッサージ師の女性も、羨ましそうに足や腰をマッサージしながら見つめている。


「そ、そんなに見つめられると恥ずかしいよ〜……んっ……」
「こんな小さな胸してる私の方が恥ずかしいよ」


 サタナが顔赤くしてるけど、俺の方が恥ずかしいからな。


 今度はクラウディアの方を向いた。


「あれ、クラウディア意外と胸あるんだね」
「意外とは余計だ」
「やっぱりクラウディアも、サタナの胸憧れる?」


 そう聞くと、クラウディアは頭を上げてサタナの方を向いた。


「……凄いな……」


 サタナの胸を見て、クラウディアは言葉を失っていた。
 サタナの胸は魔王を超える……流石だ。


「私は小さな胸の方が好きですよ」
「え……?」


 マッサージ師の人が、ニコッと微笑んできた。


「大きい胸が良いと思うけど」
「いえいえ、小さな胸の方が可愛げがあるじゃないですか。ふっくらしてる胸……」


 マッサージ師がイヤらしい手つきで、お腹や胸を撫でてきた。
 細い指先が胸を優しく包み込んだり、周りの肉を胸に集めるようにマッサージしている。


 まあ、気持ち良いからいいや。


「サタナ〜?」
「う……んっ?」
「どう〜?」
「気持ちいいよ〜。マッサージって凄いね〜」


 全身の血の巡りも良くなって、ポカポカしてくるよな。


 それからしばらくして、やっとマッサージが終わった。



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