女嫌いの俺が女に転生した件。
227話 Rと呼んでくれ
まさか積み木がこんなに楽しいとは思わなかった。他にする事がないからそう思えるんだろうけど、積み木の面白さに気づいた時はもう革命だった。
まるで芸術的な作品を作っているかのような錯覚に陥る。
……んな訳ないだろ。何が楽しいのかさっぱり分からない。
俺はすぐに飽きて、その場に横になった。
きっと研究員はさっきの結果から色々調べてるんだろうな。暇だし、寝てた方が良いや。
「……あ、そうか」
思いついた。この積み木を枕にして寝れば良いのではないだろうか。
いつも地面にそのまま寝ていたから、必ずどちらかの腕が痺れていたり、首を痛めていたりした。だが、高さのある枕を作れば少しは楽になるだろう。
「よいしょ」
適当に色んな形の積み木を合わせて、枕を作る。それを崩さないよう壁の隅にやった後、そこに寝てみる。
「おぉ〜……固いけど前よりはマシだ」
これなら少しは睡眠の質も改善できるな。俺って天才かもしれない。
なんとなく横に寝返りを打ってみる。
「痛い痛い痛いっ!」
耳が潰されて凄く痛かった。ダメだこれ、横向いたら潰れる。
やっぱ横向いても痛くない腕枕が一番だわ。
結局自分の腕を枕にして眠りについた。
◆◇◆◇◆
「ほあぁ〜〜……どのくらい寝たんだ……?」
ここじゃ時間が確認できないから色々と困る。
リグとベッドの上でイチャイチャする夢を見ていた。なんとなくHな気分で起きてしまった俺は、一度深呼吸して立ち上がる。
鏡を見て寝癖を直し、壁を背もたれにしてボーッと壁を見つめる。
「"おはよう"」
「いたなら話しかけてくれよ。暇なんだから」
「"寝起きに何するか見てたんだよ。君そんな姿なのに見た目気にするんだね"」
「こんな姿にしたのはお前らだろうが」
はぁ……ったく。いつもどこから見てるんだ? 監視カメラとかもないし、そういう魔法だろうか。
「……んん……?」
寝起きで分からなかったが、少し吐き気と頭痛がする。
「"あ、気分悪そうだね"」
すぐに気づいてくれた研究員が、部屋に薬を送ってくれた。
確かこの錠剤は気持ち悪さを抑えるんだったっけ? まあいいや。気持ち悪いし、とりあえず飲もう。
「……っはぁ、ありがとう」
「"気持ち悪い時はすぐに言うんだ"」
「あぁうんごめん」
いつもどこからか話しかけてくる研究員、意外と優しいな。
「今更だけど、名前は?」
「"俺? 言えないよ"」
「そうなのか……」
「"でも、あえて呼んでもらうとしたら……Rとでも呼んでくれ"」
「R……」
こっちで日本語以外の言葉を聞くのは、転生者と話す時以外は初めてだ。
「じゃあR、暇だから遊んで」
「"俺は監視して指示するだけの役割だから、遊ぶなら他の研究員になる"」
「えぇ〜……私はRと遊びたい。……けど眠くなってきた」
薬の効果か……はぁ〜仕方ない。寝るか。
「R。寝るから次私が起きた時に許可もらっといて」
「"多分却下されると思うけど……分かったよ。おやすみ"」
「おやすみ」
◆◇◆◇◆
「クロアちゃん大丈夫!?」
「能力が使えたらすぐに助け出すんだがな……」
久しぶりにイザナミとイザナギにあった。
「あぁ〜えっと……おやすみ」
「「待って!」」
休みたいんだけど、ダメかな?
「なんでそんな格好で監禁なんて……悪趣味」
「助けに行けなくて悪い……許してくれ」
「あぁ、いいよいいよ。慣れるし」
最近少しずつあそこでの生活にも慣れてきた頃だ。もう少しで好きになるくらいだろうな。
「しっかし、エッチな格好だね〜」
イザナミが少し顔を赤くしながら、俺の身体を見つめてきた。
「あまりジロジロ見るな……好きで着てる訳じゃない」
童貞のイザナギが目のやり場に困っている。けど、チラチラと足や胸元を見てきたりしている。見るなら堂々としろ。殴る口実ができるから。
「それで今日は何?」
「そ、そうそう! あのね……アリスちゃんが死神に捕まったよ」
「それで……大丈夫なのか?」
「どうやら今クロアがいる場所の近くにいるみたいだ。少ししたら会えるだろう」
あぁ〜良かった。このままアリスを1人で居させたら心配だしな。
「家にいる時に俺がクロアの現状を説明してやったんだけど、なかなか心を開いてくれないんだ」
「うん。今日のイザナギちょっと近寄り難い感じする」
「はぁ……ごめん」
目も合わせてこないし。今日のイザナギは調子悪そうだ。
「そういえば、イザナミ達はアリスについてどう思ってるんだ?」
「どうって……?」
「えっと……封印されてた理由とか」
すると、イザナミは少し考えるような仕草をして。
「詳しい事は知らないけど、今のところ封印される理由は分からない。でもスキルが死神と同じくらい厄介な能力だから、危険である事には間違いないよ」
死神と同じくらいか……。
「クロアちゃんのスキルは使いこなせてる?」
「ん、あぁ【女神の魔眼】? まだ全部の能力確かめきれてないし、全然だよ」
スキルなんだし、色んな事ができるのは確かだ。もっと色んな能力があるに違いない。
「そうなんだ。早く使いこなせるようになるといいね!」
「俺達はしばらくアリスの動向について見てるから、心配しなくていいぞ」
「ありがとう」
アリスについては、この2人に任せて問題ないな。
「じゃあゆっくり休んでね。私達もなるべく協力したいんだけど」
「相手が死神だから迂闊に手は出せない。だろ? 分かってる。じゃあおやすみ」
俺は再び眠りの中に入っていった。
近い内にアリスと再開できる日が来るのだろう。
まるで芸術的な作品を作っているかのような錯覚に陥る。
……んな訳ないだろ。何が楽しいのかさっぱり分からない。
俺はすぐに飽きて、その場に横になった。
きっと研究員はさっきの結果から色々調べてるんだろうな。暇だし、寝てた方が良いや。
「……あ、そうか」
思いついた。この積み木を枕にして寝れば良いのではないだろうか。
いつも地面にそのまま寝ていたから、必ずどちらかの腕が痺れていたり、首を痛めていたりした。だが、高さのある枕を作れば少しは楽になるだろう。
「よいしょ」
適当に色んな形の積み木を合わせて、枕を作る。それを崩さないよう壁の隅にやった後、そこに寝てみる。
「おぉ〜……固いけど前よりはマシだ」
これなら少しは睡眠の質も改善できるな。俺って天才かもしれない。
なんとなく横に寝返りを打ってみる。
「痛い痛い痛いっ!」
耳が潰されて凄く痛かった。ダメだこれ、横向いたら潰れる。
やっぱ横向いても痛くない腕枕が一番だわ。
結局自分の腕を枕にして眠りについた。
◆◇◆◇◆
「ほあぁ〜〜……どのくらい寝たんだ……?」
ここじゃ時間が確認できないから色々と困る。
リグとベッドの上でイチャイチャする夢を見ていた。なんとなくHな気分で起きてしまった俺は、一度深呼吸して立ち上がる。
鏡を見て寝癖を直し、壁を背もたれにしてボーッと壁を見つめる。
「"おはよう"」
「いたなら話しかけてくれよ。暇なんだから」
「"寝起きに何するか見てたんだよ。君そんな姿なのに見た目気にするんだね"」
「こんな姿にしたのはお前らだろうが」
はぁ……ったく。いつもどこから見てるんだ? 監視カメラとかもないし、そういう魔法だろうか。
「……んん……?」
寝起きで分からなかったが、少し吐き気と頭痛がする。
「"あ、気分悪そうだね"」
すぐに気づいてくれた研究員が、部屋に薬を送ってくれた。
確かこの錠剤は気持ち悪さを抑えるんだったっけ? まあいいや。気持ち悪いし、とりあえず飲もう。
「……っはぁ、ありがとう」
「"気持ち悪い時はすぐに言うんだ"」
「あぁうんごめん」
いつもどこからか話しかけてくる研究員、意外と優しいな。
「今更だけど、名前は?」
「"俺? 言えないよ"」
「そうなのか……」
「"でも、あえて呼んでもらうとしたら……Rとでも呼んでくれ"」
「R……」
こっちで日本語以外の言葉を聞くのは、転生者と話す時以外は初めてだ。
「じゃあR、暇だから遊んで」
「"俺は監視して指示するだけの役割だから、遊ぶなら他の研究員になる"」
「えぇ〜……私はRと遊びたい。……けど眠くなってきた」
薬の効果か……はぁ〜仕方ない。寝るか。
「R。寝るから次私が起きた時に許可もらっといて」
「"多分却下されると思うけど……分かったよ。おやすみ"」
「おやすみ」
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「クロアちゃん大丈夫!?」
「能力が使えたらすぐに助け出すんだがな……」
久しぶりにイザナミとイザナギにあった。
「あぁ〜えっと……おやすみ」
「「待って!」」
休みたいんだけど、ダメかな?
「なんでそんな格好で監禁なんて……悪趣味」
「助けに行けなくて悪い……許してくれ」
「あぁ、いいよいいよ。慣れるし」
最近少しずつあそこでの生活にも慣れてきた頃だ。もう少しで好きになるくらいだろうな。
「しっかし、エッチな格好だね〜」
イザナミが少し顔を赤くしながら、俺の身体を見つめてきた。
「あまりジロジロ見るな……好きで着てる訳じゃない」
童貞のイザナギが目のやり場に困っている。けど、チラチラと足や胸元を見てきたりしている。見るなら堂々としろ。殴る口実ができるから。
「それで今日は何?」
「そ、そうそう! あのね……アリスちゃんが死神に捕まったよ」
「それで……大丈夫なのか?」
「どうやら今クロアがいる場所の近くにいるみたいだ。少ししたら会えるだろう」
あぁ〜良かった。このままアリスを1人で居させたら心配だしな。
「家にいる時に俺がクロアの現状を説明してやったんだけど、なかなか心を開いてくれないんだ」
「うん。今日のイザナギちょっと近寄り難い感じする」
「はぁ……ごめん」
目も合わせてこないし。今日のイザナギは調子悪そうだ。
「そういえば、イザナミ達はアリスについてどう思ってるんだ?」
「どうって……?」
「えっと……封印されてた理由とか」
すると、イザナミは少し考えるような仕草をして。
「詳しい事は知らないけど、今のところ封印される理由は分からない。でもスキルが死神と同じくらい厄介な能力だから、危険である事には間違いないよ」
死神と同じくらいか……。
「クロアちゃんのスキルは使いこなせてる?」
「ん、あぁ【女神の魔眼】? まだ全部の能力確かめきれてないし、全然だよ」
スキルなんだし、色んな事ができるのは確かだ。もっと色んな能力があるに違いない。
「そうなんだ。早く使いこなせるようになるといいね!」
「俺達はしばらくアリスの動向について見てるから、心配しなくていいぞ」
「ありがとう」
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