女嫌いの俺が女に転生した件。
217話 べナードって優しいよね
「来い……来い来い…………やっぱ無理っ!!」
目の前まで引き付けたが、やはり恐怖心で避けてしまう。これを何度も繰り返していて、べナードは若干イライラしてきている。
「怖いなら死ねばいい。慣れるぞ」
「つ、次こそ行けるから!」
この言葉を何度言ってきた事か……もう次はないと思った方が良いな。腕を組んだべナードの指の動きが早くなっている。
「受け止めるぞ……」
かなり昔の事だが、1度能力で出たシールドが破られた事があった。かなり威力のある攻撃は受け止めきれないのだろう。
今回ももしかすると、シールドが耐えられずに受け止めきる事は不可能だ。シールドで少し威力を弱めた後に受け流す作戦。
「次こそはやってみせる!」
「頑張れ」
「ん? ……えっ!?」
いつの間にか、地面から生えた触手のような物が足に絡みつき、その場から動くことができなくなっていた。
べナードを見ると、ニヤリと笑っていた。
その間にもイノシシは目の前まで迫っており、シールドが張られる。
──バリッ
「うおおお……あっ……」
気合と怒りで叫ぼうとしたが、一瞬でシールドが破られイノシシの巨体に轢かれた。
咄嗟に魔力で全身を強化して一命は取り留めたが、あまりの衝撃に意識が飛びそうになった。
「あ……やばい……」
そのまま地面に落下して意識を手放した。
◆◇◆◇◆
気づいた頃には、俺は家のベッドで横に……。
「死んだのか!?」
「ああ、死んだ」
バッと起き上がると、横に座っていたべナードが即答した。
「あの後、あの魔物に食われて死んだ」
「なんで助けてくれなかったんだ!? 気絶してただけで、まだできた!」
「戦場で気絶したら負け同然だ。助けてくれる仲間なんていないと思え」
うっ……ってことは、今日の訓練は終わりか。
「明日もするから落ち込むな」
「いや、それを聞いて余計に落ち込んだよ」
横を見ると、アリスがスヤスヤ眠っていた。
「今日は終わりだ。じゃあな」
「あっ待って」
「あ?」
どうしてもお願いしたい事があるんだった。
「リグに会いたい」
「知るか」
「酷い……」
昨日の夜にリグを思い出したせいで寂しくなったんだ。
「じゃあ明後日にでも一緒に来てやるよ。それでいいな?」
「……べナードって優しいよね」
「そうだな。死神の中では優しい方だ。じゃあ明後日な」
そういうとべナードは転移で帰っていった。
よっしゃぁぁぁぁぁぁぁああ!!! やっとリグに会える! 久しぶりのリグ! リグが足りない!
リグ大好きだぞぉぉぉおおおおお!!!!!
「ん……もう訓練終わったの?」
「あっアリス。おはよう、もう終わったよ」
心の中でガッツポーズを決めていたら、アリスが起きてきた。
「オッス二人共」
「っ! ……」
いつの間にか部屋の中にイザナギもいた。
「いつからそこに?」
「クロアが訓練に行ってる間に部屋に隠れてたんだ」
ストーカー? まあいいや。
「私は寝るからな」
「じゃあ私も」
「えぇ〜……じゃあ俺はクロアの寝顔を楽しむかな」
「はぁ……イザナギって暇なのか?」
いつも俺に会いに来てるけど、イザナミと話さなきゃいけない事とかあるんじゃないだろうか。
「暇なわけないだろ〜? クロアに愛を伝える為に日々頑張ってるよ」
「あぁそう。とにかく私は寝るから、休憩の邪魔しないでくれ」
それに早く明後日になってほしいんだ。
「リグの事が?」
「大好き…………お前……」
昨日の夜の拷問の癖が残っており、つい反射的に言葉にしてしまった。
「その言葉を聞けただけで満足だよ。じゃ、俺は空から観察するとするよ」
はぁ……常にイザナギに見られてるって思うとロクな事できないな。早く明後日になってほしいものだ。
「じゃ、アリス寝よう」
「うん」
「……俺、百合好きかも」
「死ね」
イザナギと話してると休めないな。ま、飽きないから良いけど、今だけは休ませて欲しい。
目の前まで引き付けたが、やはり恐怖心で避けてしまう。これを何度も繰り返していて、べナードは若干イライラしてきている。
「怖いなら死ねばいい。慣れるぞ」
「つ、次こそ行けるから!」
この言葉を何度言ってきた事か……もう次はないと思った方が良いな。腕を組んだべナードの指の動きが早くなっている。
「受け止めるぞ……」
かなり昔の事だが、1度能力で出たシールドが破られた事があった。かなり威力のある攻撃は受け止めきれないのだろう。
今回ももしかすると、シールドが耐えられずに受け止めきる事は不可能だ。シールドで少し威力を弱めた後に受け流す作戦。
「次こそはやってみせる!」
「頑張れ」
「ん? ……えっ!?」
いつの間にか、地面から生えた触手のような物が足に絡みつき、その場から動くことができなくなっていた。
べナードを見ると、ニヤリと笑っていた。
その間にもイノシシは目の前まで迫っており、シールドが張られる。
──バリッ
「うおおお……あっ……」
気合と怒りで叫ぼうとしたが、一瞬でシールドが破られイノシシの巨体に轢かれた。
咄嗟に魔力で全身を強化して一命は取り留めたが、あまりの衝撃に意識が飛びそうになった。
「あ……やばい……」
そのまま地面に落下して意識を手放した。
◆◇◆◇◆
気づいた頃には、俺は家のベッドで横に……。
「死んだのか!?」
「ああ、死んだ」
バッと起き上がると、横に座っていたべナードが即答した。
「あの後、あの魔物に食われて死んだ」
「なんで助けてくれなかったんだ!? 気絶してただけで、まだできた!」
「戦場で気絶したら負け同然だ。助けてくれる仲間なんていないと思え」
うっ……ってことは、今日の訓練は終わりか。
「明日もするから落ち込むな」
「いや、それを聞いて余計に落ち込んだよ」
横を見ると、アリスがスヤスヤ眠っていた。
「今日は終わりだ。じゃあな」
「あっ待って」
「あ?」
どうしてもお願いしたい事があるんだった。
「リグに会いたい」
「知るか」
「酷い……」
昨日の夜にリグを思い出したせいで寂しくなったんだ。
「じゃあ明後日にでも一緒に来てやるよ。それでいいな?」
「……べナードって優しいよね」
「そうだな。死神の中では優しい方だ。じゃあ明後日な」
そういうとべナードは転移で帰っていった。
よっしゃぁぁぁぁぁぁぁああ!!! やっとリグに会える! 久しぶりのリグ! リグが足りない!
リグ大好きだぞぉぉぉおおおおお!!!!!
「ん……もう訓練終わったの?」
「あっアリス。おはよう、もう終わったよ」
心の中でガッツポーズを決めていたら、アリスが起きてきた。
「オッス二人共」
「っ! ……」
いつの間にか部屋の中にイザナギもいた。
「いつからそこに?」
「クロアが訓練に行ってる間に部屋に隠れてたんだ」
ストーカー? まあいいや。
「私は寝るからな」
「じゃあ私も」
「えぇ〜……じゃあ俺はクロアの寝顔を楽しむかな」
「はぁ……イザナギって暇なのか?」
いつも俺に会いに来てるけど、イザナミと話さなきゃいけない事とかあるんじゃないだろうか。
「暇なわけないだろ〜? クロアに愛を伝える為に日々頑張ってるよ」
「あぁそう。とにかく私は寝るから、休憩の邪魔しないでくれ」
それに早く明後日になってほしいんだ。
「リグの事が?」
「大好き…………お前……」
昨日の夜の拷問の癖が残っており、つい反射的に言葉にしてしまった。
「その言葉を聞けただけで満足だよ。じゃ、俺は空から観察するとするよ」
はぁ……常にイザナギに見られてるって思うとロクな事できないな。早く明後日になってほしいものだ。
「じゃ、アリス寝よう」
「うん」
「……俺、百合好きかも」
「死ね」
イザナギと話してると休めないな。ま、飽きないから良いけど、今だけは休ませて欲しい。
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