女嫌いの俺が女に転生した件。

フーミン

90話 魔王軍の技術は世界一

 部屋の適当な場所にそれぞれの荷物を置いて、2つある内1つのベッドの上に横になる。


「ベッドは2人ずつか」
「誰と誰で寝るか決めた方が良いわね」
「クロアちゃんの横!」
「クロアと同じベッド」
「私も同じだわ」


 全員が俺の横を狙っているようだ。別に横で寝ても良いことは何も無いぞ。
 以前は2人に挟まれる形で寝てたけど、今度は1人だけだからな。俺としてはありがたい。


「じゃあ毎日交代で寝ましょう」
「は〜い!」
「分かった」


 何の争いもなくベッドの位置決めは終わったようだ。


「そういえば、ここキッチンとか冷蔵庫とかあるけど誰か料理出来るのか?」
「冷蔵庫……? あの白い箱の事かしら?」
「ああ。あの中に食材入ってるんだけど」


 本当に充実している。それに、家電製品も全て魔力で動くようになっている。不思議な作りだ。


「俺は少しくらいなら作れるが……」
「私に任せなさい。料理くらい作れるわよ」
「じゃあベリアストロよろしく」


 トイレもあるし、風呂もある。かなり広い部屋だし、大勢で住むには最高の部屋だ。
 全てクラウディアが設計したのだろう。どうやって作ったのかは全く分からないが、これだけの技術があれば、グラニート帝国の魔道兵器とやらにも勝てる。


「魔王軍って充実してるな」
「そうね。まあ沢山の神がいるから発達するのも当然よ」
「便利〜!」


 後はテレビさえあれば良いのだが、カメラとかそういうのを作るのは無理なようだ。頑張ってほしいな。


──ピンポーン


 インターホンが鳴った。どういう原理でなっているのかは分からないが鳴った。


「見てくる」


 俺が玄関まで行って扉を開くと。


「全員分の装備、用意出来たから渡しに来たぞ」


 クラウディアだった。わざわざ魔王が部屋にやってきて、鎧やら武器やらを持ってきてくれた。


 とりあえず部屋にあげて、確認する。


「鎧はパクった技術、魔力を込めればサイズを自動的に調整してくれる」


 黒と赤と鎧。王国騎士団の鎧よりもスリムな鎧だが、大体は防げそうだからいいか。


「これが剣。魔力を与えれば傷も修復するから使い勝手は良い」


 物に魔力を入れるのはかなり難しいんじゃなかったか。リグは出来るのだろうか。


「リグの魔力で使えるか?」
「そうだな……使えない事はない」
「頑張るよ」


 ただ修復には時間がかかる、といったところだろう。


「まあ基本的にこの鎧とか武器は、ヴァンパイアとかオーガ達が使うから、神とか人間は使わないね」
「なんでだ?」
「使わなくても勝てるからだ」


 ま、まあそうだな。人間っつっても神がほとんとだし、装備する必要は無いか。


「ヴァンパイアやオーガって魔物なのに仲間なのか?」


 リグが質問した。


「ヴァンパイアも人間の内に入る。オーガは魔物ではあるが、知能が発達していてな。戦闘能力も優れているから、この量にもいるよ」


 ヴァンパイアも人間なのか。


「とりあえず俺は今からする事があるから、他に質問があるなら隣のレヴィアタンに言ってくれ。もう会ったか?」
「ええ会ったわよ。クロアさんが喜んでたわ」
「それは良かった。んじゃ、ばいび」


 クラウディアが転移で消えて、俺達は鎧を手に取った。


「紋章とかそういうのは無いな」
「そうね」


 ベリアストロが鎧を体内に収納するのを見て、俺も入れた。やはり魔力に変換できる物質は便利だ。


「それどうするんだ?」
「教えて〜!」
「2人は使えないんだっけ。ベリアストロ、教えてほしいって」
「仕方ないわね」


 ベリアストロが2人に魔法を教えている間、俺はベッドに横になってサタナキアとクロノスと話すことにした。


『サタナ、身体は今どこにある?』
『僕の体内だよ〜』
『あのクロア様、私も身体が欲しいのですが……どうしてもダメでしょうか』
『ダメだけど、私の身体を使う分には良いよ』
『感謝いたします』


 クロノスはいつも敬語だな。俺より偉いのに、なんだか申し訳なくなってくる。


『良かったら後でクラウディアに会いに行ってくれない?』
『なんで?』
『話したい事があるんだ』
『……? わ、分かった。でも今はクラウディア忙しいって』
『うん。時間がある時でいいよ』


 珍しいサタナが真剣なトーンで喋っている。そんなに大事な話なのだろう。内容は聞かないようにしておこう。


「クロアさん、ちょっと着てくれる?」
「ん?」


 それから、俺はベリアストロにトイレや風呂の使い方などを教えていった。
 ベリアストロにとって未知の技術。慣れるまで大変だろうな。


ーーーーー


ーーーーー


「──ここを捻れば温かいお湯が出る」
「……ちょっと貸してくれる?」
「ああ」


 ベリアストロにシャワーの使い方を教えていたところだ。


「……ちょっ! なんで私にかけるんだ!? 新しい服だぞ!?」
「ふふふ、服が濡れて下着が見えてるわ。いやらしい」
「ああもう! 着替えないんだぞ……」
「まあいいじゃない。久しぶりに楽しませてよ」
「やめっ! ああっ!!」


 ベリアストロによる快楽攻めが突然始まった。


「今まで我慢してて、大変だったのよ」
「んっ〜〜……やばいっ……って……」


 胸にシャワーを当て続けて、変な快感が押し寄せてくる。


「お願い。これでまたしばらく我慢するから」
「んあっ!? らっ……めぇ……!!」


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ーーーーー


「クラウディアに相談しないとなぁ……」
「いいじゃない。服はすぐ乾くし、クロアさんは気持ちよく終われる」
「襲われてる時点で嫌なんだよ……部屋別々にしてもらうぞ」
「お願いクロアさん」
「はぁ……」


 本当にベリアストロの俺への愛がやばい。


「溜めて溜めて一気に解放するからダメなんだろ。今度から定期的に触るだけでいい」
「良いの?」
「その代わり、さっきみたいな事は禁止」
「んん辛いわ……」
「レヴィアタンとしてろ」


 この部屋で1番変なのはベリアストロかもしれない。この人は真面目とかそういうのじゃない、変態だ。

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