世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

海月結城

神の御前

神vs人


 ルーク達は、邪神が置いていったポータルに向かっていた。

「あ、あの、ルークさん。本当に今から行くんですか?」
「被害者を出さないためにもいますぐの方がいいだろう?」
「そ、そうですけど」

 カナハルムは腑に落ちない様子でルークの後を追っている。
 ほかの三人もそうだ。難しい顔をしながら歩いていた。

「どうした? しけた面してよ。顔を上げろ」
「ルークさん。この顔は貴方のせいです」

 ユリーカがそういった。

「まぁまぁ、負けないから大丈夫だって」

 そんなこんなで、ポータルまでついてしまった。

「さ、潜るぞ」

 ルークが四人に促す。

「分かりましよ」

 カナハルムがそう言ってポータルに入ろうとしていると、周りでは、

「おい、あいつら邪神の討伐に行くのかよ」
「今、騎士達が倒すための戦力を補充してるらしいぞ。それに参加したら良いのにな」
「手柄が欲しいんだろうよ。まだ、あんなに若い」

 カナハルム達はその言葉を無視してポータルに入っていった。

 ポータルに入ると、そこは、邪神が言っていた通り、茶色の土しか無い。ただの荒野だった。しかしそこには、所々に赤い水溜りが出来ていた。

『次の挑戦者は君たちか?』

 さっきと同じ声がすぐ近くから聞こえ、顔を上げる。
 そこには、髪も服装も全てが真っ黒の男女がいた。

「そうだが。次ってことは俺たちの前にも挑戦者が居たのか?」
『勿論だとも。そこに血だまりが有るだろう。それが残骸だよ。いやはや、弱すぎて準備運動にもなりやしない。プチッと潰して終わっちゃったさ』

 そう言って、邪神はくっくっと嫌な笑みを浮かべた。

「次は俺たちの番だ」
『ふん。少しは楽しませてくれよ?』

 そう言って、カナハルム達は自分達の武器を構える。

『おい。そこの人間は何故何もしない?』
「俺か? しないじゃなくて、出来ないんだよ」
『……意味がわからない。まぁ良い。そこで仲間が死んでいく姿を眺めてるんだな』

 そして、邪神も自分の武器を構えた。

『我は罪の邪神なり』
『私は運命の邪神よ』

 二体の邪神は短くそれだけを言い、カナハルム達に襲い掛かった。


戦闘だー

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