世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

海月結城

出発

ここからルークサイド


 マリーがダンジョン都市に向かって、出発して三日後。

「大丈夫かな? 風邪ひいてないかな?」

 ルークは、マリーのことが心配でそわそわしていた。

「ちょっと、落ち着いてルーク。マリーちゃんを守るためにミカエルを召喚したんでしょ」
「そうだけどさ。子供が親から離れていく、親の気持ちが今ならよく分かるよ」
「はぁ、はいはい。わかりました。それに、私たちも出かけるんでしょ」

 ルークとカレンは、とある場所に向かおうとしていた。

「そうだな。うじうじしててもしょうがないか。いざとなればアレがあるしな」
「そうですよ。あれがある限り、マリーちゃんは安全です」
「よし、そうと決まれば、準備するぞ。必要なものは全部俺が持つ。足りないものがあったら教えてくれよ」
「分かってるよ。ルーク」

 そして、それから二日後。

「よし、準備完了だな」
「そうだね」
「今日から1ヶ月馬車での移動になるけど大丈夫か?」
「大丈夫よ」

 そして、ルークとカレンは王都を後にした。鍛冶屋は一旦休業だ。今からは、冒険者だ!

 それから、二週間。

「そう言えば、カレン」
「どうしたの?」
「風呂。入りてぇ」

 二人は今まで、ルークの浄化の魔術や消臭の魔術を使って過ごしていた。その為、お風呂がとても恋しくなってしまったのだ。

「そうだね。私も入りたいな」
「よし、もう太陽が傾き始めたし、ここら辺で休憩するか」

 二人は手分けをして、薪を集めたり料理したりして、簡単なキャンプが完成した。

「やっぱり、ルークのご飯は美味しいわね」
「そうか? 嬉しいね。でも、カレンのご飯も美味しぞ。特に、カレー? とか言うやつ。あれは、好物だな」
「世界が違くてもカレーは人気だね」

 カレンが小さくそう言った。

「ん? 何か言ったか?」
「別に、何でもないよ」

 カレンは、聞かれていなくて、ホッとしていた。

「それより、ルーク。お風呂どうするの?」
「そうだな。少し待ってろ」
 
 そう言って、ルークは地面に手をついた。すると、地面に半径2.5mの魔法陣が展開され、正方形に地面がえぐれた。
 次は、えぐれた側面や地面にまたもや魔法陣が展開され、側面や壁が、綺麗に整えられた。

「どうだ? これなら、入れるだろ?」
「入れるけどさ、これじゃ、裸見られるんだけど、そこんとこはちゃんとしてよ」
「あ、忘れてた」

 三千年も過ごしていたら、羞恥心とか無くなるのだろうか?

「だったら、壁を作るか」

 そして、土の壁と天井を同じように作り、小さな小屋が完成した。

「これならどうだ?」
「うん。いいね」

 そして、お湯を入れて、一人ずつお風呂に入り、旅の半分の疲れを取った。


お風呂って気気持ちいいよね

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