世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

海月結城

攻略

ミカエルの言葉遣いが決まらない。


「パパにそんな過去があったんだ」
「そうだよ。教えたことは内緒だよ」
「ん」

 パパがなんで、あんなに凄いのかがようやく分かって、結構スッキリした。

「あそこまで、強く、なれないかな?」 
「流石に、あそこまでいくのは、神でも難しいよ」
「??? もしかして、神様よりも、パパの方が強い?」
「そうだね。尊敬すらしてるよ」
「凄い」
「それじゃ。ルーク様に近づくように、さっさと、ダンジョンを攻略しちゃいましょう」
「ん」

 二人はその後、二層、三層と簡単に攻略していった。

「あ、そうだ。マリーちゃんって、自己強化魔術は使ってないよね?」
「なに、それ?」
「自己強化魔術って言うのは、簡単に言うと、自身の身体能力を上げるんだよ。力が強くなったり、素早く動けるようになったり、色々と便利だから使ってみるといいよ」
「でも、使い方を知らない」
「簡単簡単!」 

 二人は四層を攻略中はずっと自己強化魔術を使っている。

「なにこれ、難しい」
「まぁ、最初はそんなもんだよ。何事も経験だよ。あ、前から新たな魔物が来たよ」
「分かってる」

 マリーは杖を構えて前から来た魔物を三体まとめて殴り殺した。

「うわ、なにこれ、強くなりすぎ」
「多分。マリーちゃんの魔力も関係してるね。それに、探知系のスキル持ってたっけ?」

 その問いにマリーは首を横に振る。

「だよね。もしかして、自己強化で第六感も強化されたのかな」
「ありえる」

 自己強化魔術は、大変便利な魔術だ。それ故に、これを使える人はそうそういない。何故なら、魔術師が近接戦をしないのと、戦士が魔術を使わないからだ。ほとんどの人が、戦士が前衛、魔術師が後衛だと、固定観念に囚われている。なので、自己強化魔術はそこまで、普及してないのだ。

「さ、疲れてるところ悪いけど、まだまだ進むわよ! あの受付嬢にギャフンと言わせるのよ!」
「おー」

 マリーが珍しくのってきた。棒読みだけど。

 その後も、五層、六層とクリアしていき、今は七層にきている。

「風景が、変わらない」
「そう言わさんな、攻略した後にここを出たら、それはもう、気持ちいいだろうね」
「ん、たしかに」
「それまで、頑張ろう!」

 それから、数十分。二人は十層のボス部屋の前に着いた。

「やっとボス部屋だよ。ここまで、一日で来るとは思ってなかったよ」
「私も」

 そして、ボス部屋の扉を開いた。


次は、戦闘だけで書けるかな?

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