俺は5人の勇者の産みの親!!

王一歩

第52話 王女の嫉妬


 カノンの股から少しだけ毛が生えてるのが見えた。
 俺はそれを撫でるように触ると、カノンのスカートが俺の頭に被せられる。

「……そんなにジロジロ見ないで、毛もいじらないでよ……。早く、脱がせて?」

 俺はもう頭が沸騰しそうになる!
 やばい、今日のカノンは積極的すぎてエロすぎる!

 よく考えたら、こんなところでパンツ脱ぐの?!
 駐輪場だぞ、ここ!

 そして、俺は右手をパンティーの真ん中に持っていく。
 毛が俺の指にフサフサと当たる。
 俺はそれを気にしないままゆっくりと下げる。
 何も見えないけど、この先に彼女のピンク色の秘境があるのか……!

 そう思いながら俺はクンクンと匂いを嗅いで見る。

 雌の匂い……!

 俺は悶々としながらゆっくりとカノンの秘密に手を伸ばした……!

「なぁぁにやってんだぁぁ!」

 後ろから急に現れた少女の声がカノンに襲いかかる!

「あぉぉぉぉぉぉぉぉん!」

 狼の雄叫び!
 カノンのパンティーがずいっと上がると、俺の手がするりと落ちた。

「っちょ! いつからいたのよ、この人狼!」

 スカートがペロリと俺の頭から剥がされると、急に明るくなった。
 俺は声がする方向を目を丸くしながら確認する。

 そこにいたのはテルだった!

「カァノォンッ! 飛び起きてここまできて見たら……! こんなにエッチな匂い撒き散らしてリュート君となぁにしてんだこの鳥頭!」

「あなたこそ、こういう時は微笑ましいなって見過ごすのが常識でしょうが! 人のエッチを邪魔するなんて無粋も甚だしいわ! あぁ、そうか。テル、あなたどうせ処女でしょ? 他人とエッチしてる時の気持ちがわからなくて当然よね、ごめぇんねぇ」

「こっ、この鳥がぁ! 私は狼だぞ! 怖いんだぞ! 食ってやろうかこのチキン女!」

「へ、私は鶏じゃないわよ、ちんちくりんの人狼のクセしてよくそんなこと言えたわね!」

「むっかつくわ! だったら、カノンは他人とエッチしたことあるっての! そうだよね? 反論してみなさいよ!」

 テルはプンスカと怒りながら地面を靴でだんだんと叩き鳴らす。
 狭い空間に響き渡る爆発音のような足踏みが俺の鼓膜を揺らす。

 するとカノンはふふんと笑いながら俺の脇を掴む。
 不意に引っ張られたので俺は変な声が出た。

「おいっ、ちょっ!!」

 カノンは俺を立ち上がらせると、胸を右肩に押し付けた!
 プニュンってお肉が俺の腕を挟む!

「ちょっ! 胸が当たってるってカノン!」

 そう言いながら俺は顔を赤くすると、カノンは息を吸い込んでテルに向かって吐き出した!

「私は数十分前まで、リュートとセックスしてたの! いっぱい中に出してもらったんだから!」

 カノンはテルに舌をベーッと出すと、俺の右肩にさらに強く抱きつく。

 そ、そうか、そんなことがあったのか……。

「「は?」」

 俺とテルはカノンに疑問の声を投げかけた。
 すると、カノンは再びふふっと笑いながら俺に頬ずりする。

「また今度しようね、セックス!」

 俺とテルは少しだけ目を合わせる。
 そして、もう一度カノンの方に振り向く!

「「はぁぁぁぁぁぁぁ?!?!?!」」

 テルはふらふらと後ろに仰け反る。
 そして、テルの体から何やら黒い瘴気のようなものが昇り始める!

「ばばば、馬鹿野郎、カノン! 訳わからんこと言ってテルを刺激すんじゃねぇよ! 嘘だって言え! 俺たちまだセックスしたことねぇだろうが!」

 あたふたする俺の腕に胸をあてがいながらカノンは笑う。
 じとっとした目で俺を見つめると、エッチな表情をした。

「あらぁ、リュート? 本当にヤったのよ? 証拠ならいくらでも出せるわ。リュートのお尻の穴の近くにホクロが3つあるよね。これがあなたとセックスしたって証拠!」

 カノンは頬ずりしながら俺に正解だと言わせたがる。
 確かに正解だ!
 1ヶ月前くらい、なんとなく毛を剃ろうと鏡で尻を写したとき、見つけた3つのほくろ……。
 なんで知ってんだよ?!

 ああ、わかったぞ!
 俺が気絶してカノンが風呂に入れてくれた時に見やがったな?!

「お、お前! 風呂に入れたときに俺の尻の穴まで見てやがったのか! このエッチ!」

「ち、違うってリュート! あぁ、説明するのがめんどくさい!」

 そうこうしてると、テルが何やら様子がおかしくなる。
 真っ黒い霧に包まれると、あの時のように大きく膨れ上がっていく!

「……ベルちゃん、あいつらを半殺しにする程度の力ってどれくらいかわかるかな?」

 テルはブツブツと独り言を言うと、ひょっこりと出てきたのは黒い塊の化け物、ベル。

「そうだなぁ、カノンならフルパワーで仕留め損ねると思うけど、巻き添え食らったこの坊主は死んじまうかもな」

「……じゃあ、リュート君が半殺しになるように力の設定お願い」

「あぁ、わかったよ、マジで殺すんじゃねぇぞ、ボケ!」

 テルは赤黒い鎧を纏うと、魔法弾を手の中に作り出す!
 禍々しく光り輝く彼女のそれは一瞬で空気を喰らい尽くす!

「まてまて、テル! 誤解だ! 俺たちはセックスしてないっ!」

「今更そんな言い訳、通用するかぁぁ!」

 テルは両手に魔法弾を作り出し、それを一つに繋げた!
 駐輪場の自転車たちはガタガタと揺れ出して倒れていく!
 赤色の世界が広がると、カノンは目の前に緑色の結界を作り出す!

「て、テル!! 本当に打ち込むつもりなの?! そんなの打ち込んだら、少なくとも学校の半分は砕け散るわよ?!」

「は、はぁ?! 嘘だろカノン?!」

「本当よ! テルの王家はそういう馬鹿力持ってんの! 無闇矢鱈に使うなって一族に言われてるはずのに! こんな強力な力を仲間に打ち込むなんて考えないでしょ、普通!」

「アイネに打ち込んでただろ! テル、ガチじゃねぇか!」

 テルの身体が赤黒く光ると、ベルがテルを止めにかかる!

「ぼ、ボケェ! 俺の容量以上の魔力を使ってんじゃねぇって! テルの素の力を使ったらここら一体が壊滅するだろが! 忘れるなよ、俺はテルの力のストッパーだ! わかったなら力を抑えろ!」

「ベルちゃん、うるさいっ! 私の期待を裏切ったリュート君に一発お仕置きしないと気が済まないっ!」

 うがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

 暴走した人狼が俺たちに向けて魔法弾を構える!

「テルっ! あなた、本当に撃つんだったらあなたの首を叩き斬ってでも止めるわよ?!」

「止めれるものなら止めてみろっ!!」

 そして、テルは大きく口を開けて強大な弾を撃ち出す!

『ウィリアム・テル』!!!!!!

 や、やばいっ! 本当に死ぬっ!

 俺は赤黒い閃光に包まれながら目を閉じた!

 ……。

 ……?

 何も起きない。
 俺はゆっくりと目を開けると、そこにはスヤスヤと眠ったテルとぬいぐるみの様に転がったベルがいた。

「……ホント、バカな女」

 コツコツとテルの後ろから現れたのは青髪の少女だった。
 右手には大きな瓶。
 その瓶の中から黄色い粉がモクモクと出ていた。

「あ、アイネ!」

 アイネは俺を見ると、小さく手を振る。
 薄っすらと笑みを浮かべた彼女は赤髪の女の子の髪を撫でる。

「……『人狼捕獲用麻酔』を使った。数十分で起きるから、早く行くよ」

 アイネはテルを担ぐと、自分たちの身体に緑色の結界を張る。
 パリパリと肌に張り付くと、その結界は消えていった。

 カノンはアイネと目を合わせると、アイネはゆっくりと会釈した。
 それに反応したのか、カノンは彼女に問いかける。

「……集まるのよね? みんなで」

 アイネはテルを担ぎ直すと、ゆっくりと頷いた。

「……まだ、ワールドは来ない。だから、幹部たちも手は出して来ないと思う。今のうちに作戦会議。午後の6時23分から世界の消滅。消滅の6分後には『怒りの日』が始まる」

 そして、アイネは駐輪場の外に出ていった。
 俺はぽかんとしながらカノンを見つめる。
 カノンは俺のアホみたいな顔を見ると、はぁと長めの息を吐く。

「……そうね、リュートはあの時の記憶がないのよね。魔力を持たないただの人間は記憶は残らないって事……なのね」

 カノンはパンティーを食い込むまで履くと、パツンっと音を立てた。
 同時にピチャリと音を立てたのも副音声としてちゃんと聞いた。

「なぁ……? どうしたんだよ? 幹部ってなんの話だよ?」

 俺は幹部という言葉に敏感になっていた。
 幹部って……メロとかフーガってやつのことだよな……?

「いいわ、みんなで作戦会議するときに教えるから。とりあえず、アイネに着いていきましょう」

 そして、カノンは同じく自分に緑色の結界を張ると、外の方に歩き出していく。

 ……何が起こってんだ?
 全然意味わからん。
 もしかして、異世界から魔獣たちが来てこの世界を滅ぼしたりするってか?
 無い無い、そんな馬鹿げた話なんか!
 この世界は漫画の世界じゃないんだぞ?





 ……そうなんだよな?

 つづく。

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コメント

  • ノベルバユーザー266256

    エロすぎです...。内容は面白いんですが、あまりにも卑猥なのでもう少し自重してください。そのうちアカウントBAN来ますよ。

    1
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