は・み・る・な日常

リーズン

~~白亜の日常=裏側澪サイド7~~

「安形さ~ん!先輩が来てるよ」


「ああ、悪い」


 午後の授業の終わった掃除の最中、私はクラスメイトに声を掛けられて訪問者の元へ行く。


 そこに居たのは三年生の小幡 優理。


 私と共に生徒会業務を行うメンバーで役職は副会長だ。私が一年の頃は




 会長だったが、今年は私に譲る形で副会長の位置に付いた。因みに彼女も白亜の本性を知る一人だ。


「ごめんなさいね澪会長。どうしても聞いておきたい事が出来ちゃって」


「気にしないで良い。優理にはいつも頼ってるからな。それで?」


 優理に用件を聞くと、何でも今年の文化祭に関する事らしかった。


 今年の文化祭は、学校周りの店舗も巻き込みスポンサーとして組み込む事で大掛かりな物にする予定だったが、どうやらその内の幾つかの店舗が、自分達の要求を無理矢理押し通そうとしているのだとか、しかも中にはかなり高圧的に威圧してくる者も居ると報告を受けたそうだ。


「まったく、困った物だな。事前説明で各店の用件はかなり調整したにも関わらず今さらか。チッ!スポンサーは金だけ出して口を出さなければ良いんだ」


「流石にその言い方はどうかと・・・」


「まあ良い。そっちは私が片付けておくからこのままで頼む」


「大丈夫ですか?私に何か手伝える事は?」


「ああ、これくらいなら問題ない・・・ガキだと思って高圧的にくれば何でも通せると思っている奴には、少し灸を据えて脅・・・じゃなく。自分達の行いを反省させよう」


「あの、澪会長?何か不穏な単語が聞こえた気がしなくも無いんですが」


「気にするな。私も気にしない」


「はぁ。余り無理はしないで下さいね?」


「わかってる。それよりもそっちの調整も大変だろう。キツくなったら仕事を回してくれ何時でも手伝う」


「ふふ、大丈夫ですよ。例年に比べれば澪会長のお陰で少ないくらいですから」


「そうか」


「じゃあ、私はこれで」


 私が優理と話をしている間に掃除はかなり終わってしまっていたので、せめてごみ捨てくらいは引き受ける。


 まあ、これくらいはな。


 その後もつつがなく終わり、大した面倒も無く私と瑠璃は白亜の荷物を持って保健室へと向かう。


「あれ?お前生徒会は?」


「今日の用事は全て終わらせて在るから大丈夫だ」


 メンバーが優秀だから本当に楽だしな。


 そんな話をしながら下校していると、話の流れでこれからどうするかという話しになる。案の定この馬鹿は帰ったらすぐにゲームをやらねば!等と言っているのでこのまま一人で帰したら、碌に飯も食べずにゲームをする姿がありありと浮かんだ為、無理矢理スーパーへと引っ張って行く。


 朝に見た冷蔵庫の中身はほぼ無かったし、どうせ宅配や弁当、出前取れば良いとか考えてそうだからな。


 事実こいつの顔にはそう書いてあるので「「出前は料理した内に入らない」」と、言ったら瑠璃とハモってしまった。


 分かりやすい奴め。


 家に到着すると早速料理を作り始め様とするがそこで問題が起きた。


「今日はハーちゃんの為に私もお手伝いします!」


 マズイ!何とか止めなければ!


 何故なら瑠璃の料理は殺人クッキングだからだ。頭は悪くない筈なのに何故か料理になると、意味のわからない行動を度々侵す。しかもどういう手順を踏むのか何故か最終的には物体Xを作る才能も持っているのだ。


 何とか阻止しようと白亜と共に説得するが、何故かこういう時に限って頑固に意見を曲げない。


 くっ!ならばしょうがない。


 私は白亜とアイコンタクトを交わす。すると白亜も一つ頷き「瑠璃と一緒に遊びたい」と、言う。しかも何気に特に意識せずに、上目遣いの少し恥ずかしそうな感じを醸し出している。


 それを見た瑠璃は顔を赤く染め、鼻息荒く白亜に構い始める。


 ふう。お前の将来的な犠牲は忘れないぞ。しかし・・・あれは私もヤバい。


 効果の高い範囲攻撃に被弾しながら瑠璃が来ない内さっさと料理を作るのだった。その後、夕食を食べ終えた私達は白亜の提案でゲームを九時近くまでプレイした。そしてそろそろ良い時間という事で解散する時間になる。


 その頃になるとテアが車で迎えに来たので送って何時もの様に送ってもらう。


「白亜さん余り夜更かししない様にした方が良いですよ?」


「いや、そこはお休みなさいとかさよなら的な言葉じゃ無いの?何で私だけナチュラルに注意が来た!?」


 日頃の行いだな。


「いえ、ここ最近のログイン率を見ると・・・」


「割りと毎晩会ってる段階で同罪じゃね?」


 そう、こうは言っているがテアも白亜と同じくらいにゲーマーなのだ。白亜はそんな風にツッコミをいれるが、その後、見事にテアに反撃され目を反らし、瑠璃には駄目な子扱いまでされていた。憐れな奴め。


「はあ、まあいい。早く寝ろよ白亜」


「まっかせろぃ!」


 とても良い笑顔でサムズアップしてくる白亜に私は溜め息を吐きながら「・・・信用できん」と、言ったが何故か驚愕の表情を作られた。


 むしろ何故信用されると思えた。


 因みに白亜は今私が注意したにも関わらず、帰り際にテアとこの後ゲームの約束をしていた。


 せめて分からないようにくらいしろよ。


「お休みなさいハーちゃん」


「お休み~」


「では白亜さん後程」


「おう!」


「・・・お前と言う奴は、舌の根も渇かん内に・・・」


 テアに送って貰い家の玄関を潜ると、家の奥から変態が私に向かいダイブしてくるそれを、顔面に肘を打ち込み迎撃した後家の中に入る。


「お帰りなさい澪ちゃん」


「ただいま。母さん生ゴミの日って何時だっけ?」


「ん~。火曜日と木曜日だけどそれ変態は出せないわね」


「チッ!変態はゴミにも出せないとか本当にゴミ屑以下だな」


「ああ、そんな目で見られたら新しい世界の扉が開きそうだ」


 変態はどこまで行っても害悪らしい。


 私はそのまま無視して両親と少し話し、風呂に入ってゆっくりと眠るのだった。


 因みに結局次の日の朝も、ほんの数時間前までゲームしていたらしいから白亜は寝不足の為フラフラしていた。


 ・・・本当に学習しない動物だな。


 こんな日々が私の大切な日常だ。



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