は・み・る・な日常
~~白亜の日常=裏側澪サイド1~~
ジリリリリリリッ!
「んっ!もう朝か・・・」
朝五時セットしていた目覚ましの音に急かされる様に起きる。
少し暖かくなってきた近頃はこの時間でも結構明るい。
未だ眠気を訴える身体が、布団から這い出る事を拒もうとするが何とか気力を振り絞り起き上がると、私は昨日の夜に予め用意して有った服へと手を伸ばし着替え始める。
「よし。行くか」
服を着替え靴紐を結び直したら気合いを入れ直し、私は何時も通り早朝のランニングへと出掛ける。
早朝のランニングは、簡単な柔軟体操も含めた一時間程の運動だ。家の近くの大きな公園までゆったりと走り、身体が暖まったら柔軟、そのまま公園内を周回かして家へと帰る。
家に帰った後は運動で掻いた汗を、シャワーで流す頃には六時半になる。その頃にはもう朝御飯が何時も通り出来ていた。
「おはよう澪ちゃん」
「ああ、おはよう。父さん母さん」
「おはよう」
私、安形 澪の両親は二人とも警察官だ。母は父との結婚の際に辞めてしまったが、未だに警察内部では結構な影響力が在るらしい。そんな母と結婚した父は現在警視総監と言う役職にいる。
まあ、私には余り関係無いがな。
しかし、警視総監と言う役柄内外に色々敵を作りやすい父は今日も「大丈夫だったか?変な奴は居なかったか?」と、過保護全開で在る。
正直年頃の娘としては、この心配が有り難いやらウザったいやらと言う感じだ。
私はそれに「大丈夫」と、一言返しておく。するとその瞬間、後ろから不意にガバッ!と抱き締められる。
私は即座に抱き付いて来た人間の足の甲へと踵を真っ直ぐ下ろし踏み抜くき、同時に頭を後ろへ叩き付け顔面に頭突きを咬ますと、その痛みで出来た腕の隙間を自分の腕で抉じ開け、そのまま相手の懐で今もまだ踏み続ける相手の足を起点に体重を掛け、その場で半回転して脇腹へと痛烈な肘内の一撃を、突き刺す様に叩き込む。
「ごぷっ!あ、ああ」
「ふう、父さん変態なら家の中に居るんだが何とかしてくれないか?」
私は朝っぱらから自分に抱き付いて来た変態を冷めた眼で見下ろしながら吐き捨てる。
「ああ、我が愛しの妹ながらその兄を見下す冷めた瞳ゾクゾクするぜ」
その言葉に私の方こそ背筋が悪寒でゾクゾクしてきた。
そろそろ本気で殺して埋めるか。
そんな事を本気で思案しつつ、私は眼下で未だに悶えて居る変態こと、安形 零士を見詰める。
この変態。変態で在るにも関わらず非常に優秀なのだ。
父と同じ警察に入りエリート官僚候補、しかも数々の事件を解決し信頼も厚く、これまた不本意ながら世間一般では見た目も良い部類に入るらしく、女にモテまくる。しかし、どんな女にも靡かない事から更に人気が出ているらしい。
まあ、どんな功績もルックスもシスコンの一点でマイナスだけどな。しかも、女に靡かないんじゃ無くただただシスコン拗らせた変態なだけだし。
「あらあら、零士?澪ちゃんから早く離れなさいね?」
「ふむ、零士。丁度父さんの働いてる所に年単位で泊まれる施設に空きが在るんだが泊まってみるか?」
「実の息子に牢屋を宛がうなよ!?」
「変態死ねとは言わないがその方向で逝け(良い所を紹介して貰えて良かったな)」
「おいおいマイシスター。本音と建前が逆になってるぜ?でも、そんな言葉もゾクゾクするぜ。流石俺の愛する妹、法を乗り越えて結ばれようぜ!うげっ!」
気持ちの悪い戯れ言放っていた変態は、いつの間にか後ろに居た母に首を絞められ落とされる。絞め落とした当の本人は「早く食べないと時間になっちゃうわよ」と、おしとやかに微笑んだ。
うん。これで静かになったな。
私は失神する変態をなるべく視界に入れないようにしながら食事を始めた。食事の最中流れるニュースには、どこどこで何々の事件がーーーと、在る意味では何時も通りのニュースが流れる。
「そう言えば澪、『幻想』って聞いた事在るか?」
ニュースを見ながら食事をしていると不意に父からそんな質問が飛んで来る。
「『幻想』?確か最近噂になってる眉唾物の噂にあったな?」
曰く、不思議な力を手に入れられる薬、はたまた自分の中に眠っていた力、人間以外の超上的存在等々と言う良く在る噂だ。
「それがどうかしたのか?」
「いや、知らないならいい。そう言う噂が在ると聞いたのでな」
「・・・必要なら少し調べるが」
「ふふ、大丈夫よ澪ちゃん」
「そうか?でも、警察でもそんな噂を調べるんだな?」
「そうね。澪ちゃん達の世代では武術に置ける気は、科学的に証明された一般的な物だけど、私達の世代では未だに漫画やアニメの中で在った物のイメージが強いのよ」
確かに私達の習う授業ではいわゆる気功等の物は、私達の世代では生まれた時から普通に在るものだが、科学的に証明されてから二十年程しか経っていないらしい。
「だからこそ大人の世代は、どんなに荒唐無稽な噂でも危なそうなら調べなきゃいけないのよ」
創作物が当たり前の物として語られ、現実の物になった世代ではそう言う物らしい。
「なら、調べるべきじゃないか?」
「危険な事はしなくて良い。それは父さん達警察の仕事だからな。だから・・・危ない事には首を突っ込まない様に」
「わかった」
色々やらかし前科が腐る程在る私は素直に頷いて見せる。
まあ、私達に関係の無い事ならさして興味も無いがな。
そんな会話をしながら食事を終える頃には丁度七時位になる。
「じゃあ、行ってきます」
そして私は今日も今日とて何時も通り学校へと行くのだった。
これが家の毎朝の日常的な光景だ。
「んっ!もう朝か・・・」
朝五時セットしていた目覚ましの音に急かされる様に起きる。
少し暖かくなってきた近頃はこの時間でも結構明るい。
未だ眠気を訴える身体が、布団から這い出る事を拒もうとするが何とか気力を振り絞り起き上がると、私は昨日の夜に予め用意して有った服へと手を伸ばし着替え始める。
「よし。行くか」
服を着替え靴紐を結び直したら気合いを入れ直し、私は何時も通り早朝のランニングへと出掛ける。
早朝のランニングは、簡単な柔軟体操も含めた一時間程の運動だ。家の近くの大きな公園までゆったりと走り、身体が暖まったら柔軟、そのまま公園内を周回かして家へと帰る。
家に帰った後は運動で掻いた汗を、シャワーで流す頃には六時半になる。その頃にはもう朝御飯が何時も通り出来ていた。
「おはよう澪ちゃん」
「ああ、おはよう。父さん母さん」
「おはよう」
私、安形 澪の両親は二人とも警察官だ。母は父との結婚の際に辞めてしまったが、未だに警察内部では結構な影響力が在るらしい。そんな母と結婚した父は現在警視総監と言う役職にいる。
まあ、私には余り関係無いがな。
しかし、警視総監と言う役柄内外に色々敵を作りやすい父は今日も「大丈夫だったか?変な奴は居なかったか?」と、過保護全開で在る。
正直年頃の娘としては、この心配が有り難いやらウザったいやらと言う感じだ。
私はそれに「大丈夫」と、一言返しておく。するとその瞬間、後ろから不意にガバッ!と抱き締められる。
私は即座に抱き付いて来た人間の足の甲へと踵を真っ直ぐ下ろし踏み抜くき、同時に頭を後ろへ叩き付け顔面に頭突きを咬ますと、その痛みで出来た腕の隙間を自分の腕で抉じ開け、そのまま相手の懐で今もまだ踏み続ける相手の足を起点に体重を掛け、その場で半回転して脇腹へと痛烈な肘内の一撃を、突き刺す様に叩き込む。
「ごぷっ!あ、ああ」
「ふう、父さん変態なら家の中に居るんだが何とかしてくれないか?」
私は朝っぱらから自分に抱き付いて来た変態を冷めた眼で見下ろしながら吐き捨てる。
「ああ、我が愛しの妹ながらその兄を見下す冷めた瞳ゾクゾクするぜ」
その言葉に私の方こそ背筋が悪寒でゾクゾクしてきた。
そろそろ本気で殺して埋めるか。
そんな事を本気で思案しつつ、私は眼下で未だに悶えて居る変態こと、安形 零士を見詰める。
この変態。変態で在るにも関わらず非常に優秀なのだ。
父と同じ警察に入りエリート官僚候補、しかも数々の事件を解決し信頼も厚く、これまた不本意ながら世間一般では見た目も良い部類に入るらしく、女にモテまくる。しかし、どんな女にも靡かない事から更に人気が出ているらしい。
まあ、どんな功績もルックスもシスコンの一点でマイナスだけどな。しかも、女に靡かないんじゃ無くただただシスコン拗らせた変態なだけだし。
「あらあら、零士?澪ちゃんから早く離れなさいね?」
「ふむ、零士。丁度父さんの働いてる所に年単位で泊まれる施設に空きが在るんだが泊まってみるか?」
「実の息子に牢屋を宛がうなよ!?」
「変態死ねとは言わないがその方向で逝け(良い所を紹介して貰えて良かったな)」
「おいおいマイシスター。本音と建前が逆になってるぜ?でも、そんな言葉もゾクゾクするぜ。流石俺の愛する妹、法を乗り越えて結ばれようぜ!うげっ!」
気持ちの悪い戯れ言放っていた変態は、いつの間にか後ろに居た母に首を絞められ落とされる。絞め落とした当の本人は「早く食べないと時間になっちゃうわよ」と、おしとやかに微笑んだ。
うん。これで静かになったな。
私は失神する変態をなるべく視界に入れないようにしながら食事を始めた。食事の最中流れるニュースには、どこどこで何々の事件がーーーと、在る意味では何時も通りのニュースが流れる。
「そう言えば澪、『幻想』って聞いた事在るか?」
ニュースを見ながら食事をしていると不意に父からそんな質問が飛んで来る。
「『幻想』?確か最近噂になってる眉唾物の噂にあったな?」
曰く、不思議な力を手に入れられる薬、はたまた自分の中に眠っていた力、人間以外の超上的存在等々と言う良く在る噂だ。
「それがどうかしたのか?」
「いや、知らないならいい。そう言う噂が在ると聞いたのでな」
「・・・必要なら少し調べるが」
「ふふ、大丈夫よ澪ちゃん」
「そうか?でも、警察でもそんな噂を調べるんだな?」
「そうね。澪ちゃん達の世代では武術に置ける気は、科学的に証明された一般的な物だけど、私達の世代では未だに漫画やアニメの中で在った物のイメージが強いのよ」
確かに私達の習う授業ではいわゆる気功等の物は、私達の世代では生まれた時から普通に在るものだが、科学的に証明されてから二十年程しか経っていないらしい。
「だからこそ大人の世代は、どんなに荒唐無稽な噂でも危なそうなら調べなきゃいけないのよ」
創作物が当たり前の物として語られ、現実の物になった世代ではそう言う物らしい。
「なら、調べるべきじゃないか?」
「危険な事はしなくて良い。それは父さん達警察の仕事だからな。だから・・・危ない事には首を突っ込まない様に」
「わかった」
色々やらかし前科が腐る程在る私は素直に頷いて見せる。
まあ、私達に関係の無い事ならさして興味も無いがな。
そんな会話をしながら食事を終える頃には丁度七時位になる。
「じゃあ、行ってきます」
そして私は今日も今日とて何時も通り学校へと行くのだった。
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