ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~
テストに出るくらい大事な事だから覚えた方が良い
「はぁー、美味かった。そろそろ行くか」
調理時間を含めて約二時間。
そんな短い時間で目の前に広がっていた密林は、すっかり焼け野原状態になっている。
惨いものである。まあ、やったの私だけど……。
しかし、暑いのが嫌で風魔法で常に気流を操作して、全体がこんがりいくように調整したけど、綺麗に全部焼けたものだ。
途中何度か猪が突進してきたが、全部美味しそうな肉になってくれた。
自分達から肉になりに来てくれるとは出来たモンスター達である。
下へと続く階段に向かって歩きながら、そこかしこで炎に焼かれたモンスターの死骸を回収する。
一番多かったのは見た目が枯れ木のようなトレントだ。
モンスターとしては色々な題材の作品に出ているトレント。この世界でも例に漏れず、見た目はただの枯れ木、よく見ると木の崩れ具合で顔に見えるという具合だ。
シミュラクラ現象かな?
ただ一つオリジナリティーを出しているとすれば、なんとこのトレントさん、枯れ木の癖に火属性耐性を持っていた。
しかしそんな火属性耐性持ちのトレントさんも、今は普通に焼け焦げている。
耐性だからずっと炙られるのは耐えられなかったようだ。それに火属性には耐えられても火には耐えられなかったのだろう。
わりと勘違いしている人間も多いが、火属性と火は全くの別物である。
そも属性とは魔力や気力を変換したモノを指す言葉なのだ。
なので例えば火魔法で木を攻撃する。
するとヒットした時は火属性の攻撃となり、その後燃えるのも火属性となる。
しかしここで勘違いしているのが、木に付いた火はしばらくの間は魔力や気が残留しているが、時間が経つとそれらは霧散して、ただ火が付いているという現象に変わるのだ。
つまり攻撃後しばらくは火属性、しかし魔力などが霧散するとそれはただの火になる。と、いう事なのだ。
実はこれ結構大事。
火属性その他を含む属性耐性と、現象そのものの耐性は全くの別物なのだ。
それを理解していないと結構大変なんだよ?
だってそうじゃないと、火属性耐性を持ってても火事に飛び込めば死ぬし、火耐性では火魔法には耐えられない
そこを勘違いしている人間は結構いたりする。
まとめると……
火属性とただの火は違う。
属性とは魔力や気力で起こした現象の事。
時間が経ち、魔力気力が霧散すると現象だけが残る。
ここ、テストに出るくらい大事な事だから覚えた方が良い。
しかし皆、なんで二つを同一視するかな?
だって魔法で生み出した火魔法がただの火と違わないと、呪いの炎とか浄化の炎みたいな、属性を更に追加なんて変な炎が作れるはずがない。
それと余談になるのだが、漫画やアニメを見ていて思った事はないだろうか。
なんで自分で出した魔法とはいえ、相手を燃やせる火属性の魔法で自分は燃えないの? と、そのクセ爆発した後は、なんで普通に熱がるの? と!
それについてもこの世界では、という前置きはあるがちゃんとした理由が存在する。
それは……属性の魔法(気力)とは、放つ前は自分と同質の魔力で出来ている為、自分に害が及ばないのだ。
その為、放つ前は熱さを感じる事無く火傷もしない。
そして放った後は、どんなに完全に魔力を操ったとしても、自然界の魔力が混ざる為、同質の魔力ではなくなり被害が出るようになる。
なので相手にぶつかり爆発的すると、その段階で魔力も一緒に飛び散り、爆発という現象だけが起きるので爆風ももろに食らう。
更に言えば魔法を放つ前に熱がるような奴は、見た目こそちゃんと発動しているように見えるが、一種の小規模な暴走状態になっていて、それが原因で熱さを感じるという訳だ。
と、いう訳で、この世界ではという前置きこそあれど、魔法熱くないの? みたいな疑問はこんな感じで説明がつくのでした。
ふぅ。ついつい、テンション上げて調べた疑問について、思考にふけってしまったぜ。
あっ、因みにトレントをかなりの数吸収した結果【種子生成】なるスキルを獲得した。
これはMPを消費して知っている植物の種子を作るスキル。これを手に入れた事で香辛料を確保する目処がたった。
市場に流さず自分で楽しむ分には許されるはず。このスキルを試す日が非常に楽しみである。
さてさて、トレントについてはこれくらいにして、更に重要な事があったのだ!
それは……我らが【解体】スキルさんの隠された力だぁ! だぁ! だぁ!
はい……、テンション上がっております。
だって聞いておくれよ。
トレントに次いで多いモンスターっぽい猪くん。
私のところに屠畜志願してきた奴ら以外は、勿体ない事にみんな丸焦げ状態になってしまっていたのだ。
しかし何かしらの素材を取れないかと期待して【解体】を使ったわけだよ。
そしたらなんという事でしょう。
あれほど丸焦げの炭のようになってしまった猪肉が、なんとスキルを使って回収したら、新鮮な肉として入手出来てるではありませんか!
流石に普通の状態に比べれば、取れる数は物凄く少なかった。だが! それを差し引いても、このスキルの効果は凄いとは思いませんか! 私は凄いと思います!
ああ、【解体】さんをもっとパワーアップさせる方法が欲しい……。
などと道中他愛もない思考を巡らせていると、いつの間にやら下へと続く階段が目の前にあった。
あー、ゆったりしすぎてるとか怒られそう。まあ、早くしようとは思わないけど。
自分のペースで攻略するのとても大事。
「なんだここ?」
階段を降りた先には何も無いただの小部屋があった。
石造りの四角い部屋。
辺りを見回しても何も無い。
そんな中あるのはただ一つ。
それは……
「魔法陣ねぇ」
地面から青白い光を明滅させている魔法陣。
魔法陣の術式からどんなものかと解析を試みると、思ったよりも簡単に効果が判明した。と、いうよりも隠す気は無いようだ。
どうやらこれは転移陣らしい。
私の知覚には壁の向こうに、大小様々な大きさの個室がいくつもあるのが分かる。
この魔法陣は一方向のランダム転移でその中のどれかの部屋へ、強制的に移動させられるもののようだ。
大小様々な部屋、中にはモンスターが蠢く場所も数多く存在している。
ふむふむ。
「じゃあこれはどうかなっと……」
 
解析が済んだ私が一番最初にしたのは、上の階で拾った小石を魔法陣に投げ入れる事だ。
コツンと音を響かせて、小石が魔法陣の中に落ちる。
すると魔法陣が光を強くしながら発動し、魔法陣の中に落ちた小石が一瞬で消え去った。
やはり調べた通り一方向限定のランダム転移のようだ。
向こうから来る事は無さそうだし、人が乗らなくてもやっぱり作動した。
小石にも予めマーキングを付けておいたから、ちゃんと移動したのも確認済み。これなら楽に攻略出来るな。
確認したかった事を確かめた私はある物を取り出す。
「おっ、あったあった。ネタで作った大タル爆弾」
そう。取り出したのは大タル爆弾G……ではなくて、大タル爆弾H(ハクアバージョン)である。
この大タル爆弾Hは二重構造となっており、一層目に大量の火薬をいれ、二層目には私特製の毒薬と、釘などの金属が入っている特別仕様な殺意高めの爆弾だ。
爆発と同時に爆風と毒薬、金属が相手を襲い、少しでも傷がつくと毒も一緒に体内へ侵入、そうでなくても気化しやすい毒薬なので、毒に侵されやすくなっている。
そんな大タル爆弾Hを取り出した私は、ボウリングのように投擲する。
ゴロゴロと転がるタルは、吸い込まれるように見事に魔法陣へ一直線に向かう。全てが完全にその中に入ると魔法陣が発動して消え去った。
それを確認した私は壁に引っ付き耳を澄ます。
するとどこか遠くの方で、微かな地響きを伴いながら重低音の爆発音が聞こえてきた。
ふむ。上手くいったね。
「さて、それじゃあ……」
ドンッ、ドンッ、ドンッと次々に大タル爆弾Hを山のように取り出した私は、気合いを入れてタルを転がしまくったのだった。
調理時間を含めて約二時間。
そんな短い時間で目の前に広がっていた密林は、すっかり焼け野原状態になっている。
惨いものである。まあ、やったの私だけど……。
しかし、暑いのが嫌で風魔法で常に気流を操作して、全体がこんがりいくように調整したけど、綺麗に全部焼けたものだ。
途中何度か猪が突進してきたが、全部美味しそうな肉になってくれた。
自分達から肉になりに来てくれるとは出来たモンスター達である。
下へと続く階段に向かって歩きながら、そこかしこで炎に焼かれたモンスターの死骸を回収する。
一番多かったのは見た目が枯れ木のようなトレントだ。
モンスターとしては色々な題材の作品に出ているトレント。この世界でも例に漏れず、見た目はただの枯れ木、よく見ると木の崩れ具合で顔に見えるという具合だ。
シミュラクラ現象かな?
ただ一つオリジナリティーを出しているとすれば、なんとこのトレントさん、枯れ木の癖に火属性耐性を持っていた。
しかしそんな火属性耐性持ちのトレントさんも、今は普通に焼け焦げている。
耐性だからずっと炙られるのは耐えられなかったようだ。それに火属性には耐えられても火には耐えられなかったのだろう。
わりと勘違いしている人間も多いが、火属性と火は全くの別物である。
そも属性とは魔力や気力を変換したモノを指す言葉なのだ。
なので例えば火魔法で木を攻撃する。
するとヒットした時は火属性の攻撃となり、その後燃えるのも火属性となる。
しかしここで勘違いしているのが、木に付いた火はしばらくの間は魔力や気が残留しているが、時間が経つとそれらは霧散して、ただ火が付いているという現象に変わるのだ。
つまり攻撃後しばらくは火属性、しかし魔力などが霧散するとそれはただの火になる。と、いう事なのだ。
実はこれ結構大事。
火属性その他を含む属性耐性と、現象そのものの耐性は全くの別物なのだ。
それを理解していないと結構大変なんだよ?
だってそうじゃないと、火属性耐性を持ってても火事に飛び込めば死ぬし、火耐性では火魔法には耐えられない
そこを勘違いしている人間は結構いたりする。
まとめると……
火属性とただの火は違う。
属性とは魔力や気力で起こした現象の事。
時間が経ち、魔力気力が霧散すると現象だけが残る。
ここ、テストに出るくらい大事な事だから覚えた方が良い。
しかし皆、なんで二つを同一視するかな?
だって魔法で生み出した火魔法がただの火と違わないと、呪いの炎とか浄化の炎みたいな、属性を更に追加なんて変な炎が作れるはずがない。
それと余談になるのだが、漫画やアニメを見ていて思った事はないだろうか。
なんで自分で出した魔法とはいえ、相手を燃やせる火属性の魔法で自分は燃えないの? と、そのクセ爆発した後は、なんで普通に熱がるの? と!
それについてもこの世界では、という前置きはあるがちゃんとした理由が存在する。
それは……属性の魔法(気力)とは、放つ前は自分と同質の魔力で出来ている為、自分に害が及ばないのだ。
その為、放つ前は熱さを感じる事無く火傷もしない。
そして放った後は、どんなに完全に魔力を操ったとしても、自然界の魔力が混ざる為、同質の魔力ではなくなり被害が出るようになる。
なので相手にぶつかり爆発的すると、その段階で魔力も一緒に飛び散り、爆発という現象だけが起きるので爆風ももろに食らう。
更に言えば魔法を放つ前に熱がるような奴は、見た目こそちゃんと発動しているように見えるが、一種の小規模な暴走状態になっていて、それが原因で熱さを感じるという訳だ。
と、いう訳で、この世界ではという前置きこそあれど、魔法熱くないの? みたいな疑問はこんな感じで説明がつくのでした。
ふぅ。ついつい、テンション上げて調べた疑問について、思考にふけってしまったぜ。
あっ、因みにトレントをかなりの数吸収した結果【種子生成】なるスキルを獲得した。
これはMPを消費して知っている植物の種子を作るスキル。これを手に入れた事で香辛料を確保する目処がたった。
市場に流さず自分で楽しむ分には許されるはず。このスキルを試す日が非常に楽しみである。
さてさて、トレントについてはこれくらいにして、更に重要な事があったのだ!
それは……我らが【解体】スキルさんの隠された力だぁ! だぁ! だぁ!
はい……、テンション上がっております。
だって聞いておくれよ。
トレントに次いで多いモンスターっぽい猪くん。
私のところに屠畜志願してきた奴ら以外は、勿体ない事にみんな丸焦げ状態になってしまっていたのだ。
しかし何かしらの素材を取れないかと期待して【解体】を使ったわけだよ。
そしたらなんという事でしょう。
あれほど丸焦げの炭のようになってしまった猪肉が、なんとスキルを使って回収したら、新鮮な肉として入手出来てるではありませんか!
流石に普通の状態に比べれば、取れる数は物凄く少なかった。だが! それを差し引いても、このスキルの効果は凄いとは思いませんか! 私は凄いと思います!
ああ、【解体】さんをもっとパワーアップさせる方法が欲しい……。
などと道中他愛もない思考を巡らせていると、いつの間にやら下へと続く階段が目の前にあった。
あー、ゆったりしすぎてるとか怒られそう。まあ、早くしようとは思わないけど。
自分のペースで攻略するのとても大事。
「なんだここ?」
階段を降りた先には何も無いただの小部屋があった。
石造りの四角い部屋。
辺りを見回しても何も無い。
そんな中あるのはただ一つ。
それは……
「魔法陣ねぇ」
地面から青白い光を明滅させている魔法陣。
魔法陣の術式からどんなものかと解析を試みると、思ったよりも簡単に効果が判明した。と、いうよりも隠す気は無いようだ。
どうやらこれは転移陣らしい。
私の知覚には壁の向こうに、大小様々な大きさの個室がいくつもあるのが分かる。
この魔法陣は一方向のランダム転移でその中のどれかの部屋へ、強制的に移動させられるもののようだ。
大小様々な部屋、中にはモンスターが蠢く場所も数多く存在している。
ふむふむ。
「じゃあこれはどうかなっと……」
 
解析が済んだ私が一番最初にしたのは、上の階で拾った小石を魔法陣に投げ入れる事だ。
コツンと音を響かせて、小石が魔法陣の中に落ちる。
すると魔法陣が光を強くしながら発動し、魔法陣の中に落ちた小石が一瞬で消え去った。
やはり調べた通り一方向限定のランダム転移のようだ。
向こうから来る事は無さそうだし、人が乗らなくてもやっぱり作動した。
小石にも予めマーキングを付けておいたから、ちゃんと移動したのも確認済み。これなら楽に攻略出来るな。
確認したかった事を確かめた私はある物を取り出す。
「おっ、あったあった。ネタで作った大タル爆弾」
そう。取り出したのは大タル爆弾G……ではなくて、大タル爆弾H(ハクアバージョン)である。
この大タル爆弾Hは二重構造となっており、一層目に大量の火薬をいれ、二層目には私特製の毒薬と、釘などの金属が入っている特別仕様な殺意高めの爆弾だ。
爆発と同時に爆風と毒薬、金属が相手を襲い、少しでも傷がつくと毒も一緒に体内へ侵入、そうでなくても気化しやすい毒薬なので、毒に侵されやすくなっている。
そんな大タル爆弾Hを取り出した私は、ボウリングのように投擲する。
ゴロゴロと転がるタルは、吸い込まれるように見事に魔法陣へ一直線に向かう。全てが完全にその中に入ると魔法陣が発動して消え去った。
それを確認した私は壁に引っ付き耳を澄ます。
するとどこか遠くの方で、微かな地響きを伴いながら重低音の爆発音が聞こえてきた。
ふむ。上手くいったね。
「さて、それじゃあ……」
ドンッ、ドンッ、ドンッと次々に大タル爆弾Hを山のように取り出した私は、気合いを入れてタルを転がしまくったのだった。
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