ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

使えるかどうか何て関係無いやい!

「はぁ~。つっかれたぁ~」


 あれから更にヒット&アウェイを繰り返しハンマー爆撃を三度ほど繰り返した私は、最後のハンマー爆撃に紛れ、所々に点在する岩場に土魔法で穴を掘り壁を擬態させながら隠れようやく一息吐いていた。


 それにしても予想以上の威力だったな。


 先程の破壊を引き起こした大型のハンマーのヘッドは、さっきまでと違い休日に公園でゲートボールに勤しむじい様達が持っているハンマーほどの大きさになっていた。


 このハンマーには爆発の魔方陣と風の魔方陣以外にも幾つかの機能が組み込まれてる。その一つが魔力によって自在に大きさの変わるヘッドだ。ヘッド部分は最大で樽ほどの大きさになり、最小では缶ジュース位の大きさまで縮み持ち手の部分が収納も出来る。因みに片面は爆発による面での攻撃が出来るだけで無く、一点突破主体の円錐形にも出来る自信作だ。


 一点突破主体の方は防御力の高い装甲を壊したり【結界】を壊す事に特化している。因みに名前は神穿ちかみうがちと名付けた。


 この世界、モンスターへの名付けもそうだが装備の名前も武器の効果や性能を決める大事なファクターでもある。そしてこの名前にはいつか駄女神の【多重結界】を打ち破り一撃加えると言う私の固い決意が籠められてる!


 皆には神の居る世界でなんと不敬なと言われたが私にとってのラスボスはきっとあの駄女神なので何の問題も無い。


 更にハンマーのヘッドが敵にぶつかり爆風が生まれる最、本来ならその爆風に押し戻され減衰してしまう筈の勢いを、力のベクトルを変え前進する力に変える術式も爆風の魔方陣に組み込んであるのだ!


 これにより神穿ちは敵に当たり爆風を生み出す度に加速していくと言う凶悪な武器になっている。因みに地面などの進みようが無い所に当たった場合は、その衝撃を全て爆発のエネルギーに変えるように出来ている。これは私の意思で変更可能になっている。


 しかしこの神穿ち。本来なら一発二発先程の大規模攻撃を行えば威力に耐えきれず壊れてしまう欠陥武器、もしくは使い捨ての様な武器だ。そしてそれこそが構想こそあったが作らなかった。いや、作れなかった理由でもある。


 術式を刻み込むのも大変ならお金も手間も掛かる使い捨て武器なんて何個も作りたく無いからね。


 威力を抑える。機能を制限する。術式を更に効率良く組み直す。そんな多方面からのアプローチを行ったがどれも芳しく無かったのだ。だが、そんな私に天恵が舞い降りる!


 そう。あれ?白打に取り込めば【破壊不可】スキルが付くから平気なんじゃね?と!


 しかし結果としては失敗に終わった。何故ならどんなに優れた効果を付けても白打が取り込めるのは形だけ。スキルの類いは全くと言っても良いほど意味が無かったからだ。だが私はそこで諦めず、スキルが付かないなら術式を魔方陣として刻み込めば良いのではないかと思い付いた。何故なら魔方陣は洋服に刺繍して魔力を流すだけでも発動する物だからだ。


 そして私は武器に魔方陣を刻み込み白打に取り込んでみた。そしたら結果は大成功。そんなこんなで私は苦労の末に神穿ちを完成させたのだった。


 更にそんな試行錯誤をした結果白打自体も成長し、登録出来る武器の数も五個から十個へと大きく増え、新しく【スキル構築】【スキル編成】と言うスキルまで手に入れた。


 この【スキル構築】と言うスキルは、武器にスキルを付加する時や、武器を作って貰う時に、スキルに必要な素材を四倍用意して白打に合成すれば、白打に登録してある武器の全てにスキルを付けられる様になるスキルだ。


 そしてその獲得したスキルを着け外し出来るのが【スキル編成】と言うスキルなのだ。覚えさせたスキルにはそれぞれスキルポイントが付いており、武器毎のスキルポイント内なら好きに付け替える事が出来る物だ。


 スキル値に関しては、白打に取り込む前の武器のグレードによって変わってくる。良い素材を使い、腕の良い職人に作って貰った物ほど初期スキル値は高くなる。その他にも白打に取り込んだ武器毎に経験値と習熟度があり、それを上げる事でもスキル値の上限が上げられるらしい。


 ますます私好みの武器にはなったが、ゲームでならば育成要素多いの好きだけど現実ではダルいよね。


 まっ、そんな訳で目下武器の習熟度を上げている最中だった。因みに今白打に登録してある武器は白牙刀、戦槌神穿ち、カランビットのシャドウルナ、手甲天元・壊、大剣ダグダの五つである。


 カランビットは片方は光を吸収するほどに黒く、もう片方は自らが淡い光を発っしていた。しかも何故か最初から光と闇の属性が付いていたのだが、これについてはブリギットが神穿ちを試行錯誤している時に取り入れた素材の影響だと教えてくれた。まあ、取り込んだカランビットの素材が元から両方の属性の素養があったのが良かったらしいけどね。


 天元・壊は特別な効果などは無いが私の苦手な浸透系の打撃の効果を上げ、衝撃を吸収してくれるスキルも付いている。


 大剣ダグダの名前はダグダの棍棒から取った名前だ。この剣には本当に何も特別なスキルが付いていない。その代わり重い。ただただ重い。私が持てる力の限りを尽くして金属を圧縮しまくって剣の形に整えただけの物だ。その代わり折れず曲がらず仮に【破壊不可】のスキルが付いていなくても破壊される事が無い程に金属を圧縮した。もしもまともに扱う事が出来れば大きな戦力になるだろう。


 うん。まあ、圧縮しまくった結果重すぎて使えないんだけどね。あれ、誰も持てなかったからね。皆呆れるわ、何で造ったのみたいな空気でしたわー。テアとエルザだけは流石とか言ってたけど、あの二人だけって事は駄目って事だよね?だが敢えて言おう!何故造ったか?ロマンだよ!ロマン武器だよ!使えるかどうか何て関係無いやい!


 そんな事を考えていると私の頭の上にヌルが飛び乗ってくる。そんなヌルに私は「さっきは助かったよ」と、礼を言うと頭の上で器用に跳び跳ね。喜びを表していた。


 なにやらすっかり頭の上が気に入り定位置になりつつある。


 実は先程連戦による疲れから集中力を欠いたのか、仕留め損ねた一匹に足を掴まれ危うくハイオークの一撃を喰らってしまうところだったのだ。


 しかし、それを察したヌルが機転を利かせ【分裂】のスキルを使い、一匹のスライムをハイオークの顔に【体当たり】させた。もちろんただのオークにさえ敵わないスライムの攻撃など足止めにもならない。だが、ヌルの作り出したその一瞬が欲しかった私にとっては価千金の時間だった。私の足を掴むオークの腕を切り裂きバックステップで攻撃を避け、全力の一撃を放った直後のハイオークへ、刀技の【紫電】と言う気で刀を強化した突き技を使い、何とか窮地を脱したのだった。


 そんなヌル。と、言うかスライムに付いてわかった事が幾つかある。その一つがレベルが無いと言う事に付いてだ。


 どうやらスライムは経験値を取得するとそれに応じてスキル【分裂】が出来る数が多くなるらしい。その証拠に最初【分裂】としか無かったスキルが、今は【分裂×400】となっていた。そしてその数に応じてスライムはステータスも増えるらしい。更に100体を越えた所でビッグスライムになったが、これは進化には含まれない様だ。因みにビッグの割に小さいのは【縮小化】と言うスキルを覚えたからだ。今現在はこんな感じだ。


 種族:ビッグスライム
 名前:ヌル
 HP:100→400
 MP:50→250
 物攻:10→150
 物防:20→200
 魔攻:0
 魔防:5→125
 敏捷:15→172
 知恵:5→125
 器用:35→268
 運 :10
 スキル:【体当たり】【物理耐性】【分裂×400】【適応進化】【縮小化、新】


 上がりを見るとHPが2匹で、MPが4匹で、物攻が10匹で、物防が5匹で、魔防と知恵が20匹で、敏捷が7匹で、器用が3匹で1上がる様だ。因みに魔法には適性が無いのか上がらず、【分裂】が100を越えビッグスライムになった時にボーナスポイント的に魔攻と運を覗く全てのステータスが100上がった。実に計算方法がめんどくさい生き物である。


 因みに、ここに隠れてからヌルに【分裂】してもらい。【分裂】した一体のステータスを調べてみた所、ヌルの最初のステータスと全く同じでしかも名前はヌルになっていた。更に試した所【分裂】した個体にも【分裂】を分け与える事が可能で【分裂×10】ではステータスが同じ様に上がっていた。どうやら同じ個体からの【分裂】は同じ個体扱いになるらしい。更に言えば100匹分を分けてみたら【分裂】したスライムもビッグスライムとなっていた。


 その事からスライムは弱い為【分裂】が出来る様になる度に、分体を増やして生存を計りながら経験値を積み、100体になったら集まりビッグスライムになるというのを繰り返しているのでは無いのだろうかと私は推測していた。


 因みに何故スライムに付いてはこんなにわからない事が多いのかも同時に推測している。その理由は簡単、従魔にする練習の為にスライムを使う人間は多いだろうがどうやっても弱い魔物。そんな物を危険を侵してまで育てる奴は居ないし、レベルも上がらないとわかっていたら誰も戦闘させようとは思わない。その事からスライムに付いての研究は全く進んでいないのでは?と言うのが私の推測だ。


 この辺は帰ったらゆっくりと調べたいものだね!!ぜひ!じっくりと!


 ヌルを眺めて色々と考察しながら休んでいると、不意に真上から大きな音が鳴り、それが岩場が壊される破壊音だと頭上から降り注ぐ光で気付かされる。そしてそんな私の事を見下ろす巨大なオークと目が合ったのだった。


「・・・うそん」



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