ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

「お前は本当にやる気を出せ!クズニート!!!」

「そんな事がーーー。良く無事だったわねハクアちゃん」


「全くだ。ガダルとその部下、グロスとカーチスカと言やぁかなりの有名所だぞ?言っちゃ悪いが、嬢ちゃん達の実力で良く生き残れたな?」


「運が良かった。その一言に尽きるね。こっちに来たばかりで、力を満足に使えなかった事、たまたま私がガダルの気に入る答えを言えた事、どっちか欠けてもたぶん死んでる」


「後は人型だったからじゃ無いですか?」


「どういう事ルリ?」


「えっと、曲がりなりにもハーちゃんが強敵と渡り合えたのは、相手が人型だったからだと思うんです。ハーちゃんは元々、予測と見切りがずば抜けていますから、それに水転流の門下生でもありますから、対人戦なら格上相手でもそれなりに渡り合えます。
 多分その代わりに人型以外・・・動物型や人の姿から逸脱した個体には、そんなに優勢には戦えていないんじゃ無いですか?」


「そう言えば最初の頃は、動物型のモンスターはそんなに得意では無さそうでしたね」


「そうだったっけ?割りと余裕そうだったけど?まあ、アリシアが言うならそうだろうね」


「アリシアはおねちゃんの事間違えないゴブ」


「人型なら筋肉の可動域とかで、大体の動きに予測は出来るけど、動物は良く分からんかったかね~。まあ、最近は馴れたけどーーー。まあ、そんな感じで見逃された」


「まあ、ラッキーだったのか。それとも、出会ってる段階で不幸なのか判断に困るな嬢ちゃん達」


「不幸一択だよ!!」


「で、だ。話しを戻すとグロスはお前の事をずっと話していたぞ?「アイツは今まで会った中で、一番面白かった」とか「アイツは俺の獲物だ」とか「期限なんてぶっちぎって、今すぐ殺りに行きたい」何て具合にな。それはもう猛烈なラヴコールだったぞ」


「頭痛が痛いから帰って良い?」


「駄目に決まってるだろ!」


「いや、ほらアレだ!やる気の無い腐ったミカンは、他も腐らせるから早めの処分をーーー」


「いや、自分で言うなよ」


「大丈夫です!ハーちゃんは腐ったミカンじゃありません!例えるなら愛媛のクイーンスプラッシュです」


「・・・凄いわね。一個千円以上の高級ミカンじゃない」


「アイギスも瑠璃も問題は品種じゃないからな!!」


「まあ、悪ふざけはこの位にしてだ」


「私は至って真面目だガハッ!」


「ご主人様!」


 ハクアの言葉に、物理的な顔面グーパンという突っ込みを入れる澪。そして、突っ込みを入れられ、吹っ飛ぶハクアを抱えながらアリシアが叫ぶ。


「何て事をするんですか!みおさん!」


「大丈夫だ。突っ込みはダメージにならない」


「んな訳あるか!」


「あっ、本当に復活した」


「こういう奴だからな。それよりもだ、恐らくエルマン渓谷の砦に近付けば、グロスとカーチスカはハクア達と私を個人的に狙って来るだろう。刻炎、暁、ギルドにその他の冒険者、加えてフープの兵はそれ以外を相手どって欲しい」


「なるほど、その二体をお前さん達で引き付けて、その間に砦を落とすのか」


「確かに、砦を攻めるならその二体には出て来て欲しくは無いけれど、貴女達だけで大丈夫なの?」


「ぶっちゃけキツい!」


「確かにその通りだが。今の私には白が居るから何とかなるだろう。恐らくグロスは私と白の二人を殺しに来るからな」


「そうなん?」


「あぁ、寝返った立場を良い事に散々挑発したからな!」


「・・・お前と言う奴は」


「・・・本当にご主人様の友人何ですね」


「だね」


「その言い方は納得いかないんですけど!」


「あ、あはははーーー」


「とは言え、お前達の方もカーチスカを相手してもらうぞ大丈夫か?」


「前回の様にご主人様の足枷にはなりません!」


「うん。リベンジマッチだね!」


「ボクも頑張るかな!」


「勝つゴブ」


「今回は私もマスター達と共に戦えます」


「状況的にも我はこっちじゃな!ふん、若い魔族になぞ負けていられんのじゃ!」


「わ、私も先輩達や皆さんのお役にたちます!」


「私の盾で皆を護りましょう!」


「私も頑張ります。ハーちゃんやみーちゃんには負けませんよ!」


「それでは私達は皆さんとは別行動で、後方部隊の救護をしますねハクア様」


「そうね。ミミ達は邪魔になりそうだしね」


「頑張って下さいハクア様、皆様!」


 アリシア達が、メイド組がそれぞれ決意を口にしていく、そんな姿を見てハクアもーーー。


「皆ーーーじゃ!私は帰って寝るから頑張れ!」


 と、とても良い笑顔でサムズアップしながら激励を送り。


「お前は本当にやる気を出せ!クズニート!!!」


 やる気を出す訳もなく澪からドガッ!と、後頭部に鉄拳制裁を食らうのだった。


「あぁ、本当に何時もの懐かしい日常風景です」


(((((これが!?)))))


 全員その一言に心の中で突っ込みを入れるのだった。



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