ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

「本当・・・・・最悪の展開だわ・・・」

(刻炎のジャックと暁の乙女メルか。確か黒龍連合はアリスベル最大の集りだったっけ?10年位前に黒龍を討伐する為に集まったクランで立ち上げたとか何とか?それと、ヴァルキリーズは確か連合の数としては中規模位だったけど、その構成員が全て女性で構成されてるんだっけ?どっちも私とは関係ないな~)


「クランすら組んで無い下っ端に何の用?って、聞くまでも無く私の監視か」


「監視って、どう言う事ですか白亜先輩!?」


「オイオイ!勘違いしないでくれよ。どちらかと言えば、お前さんがあそこに飛び込んで行かない様に、注意してやろうと思っただけだぜ」


「良いの?ギルドから私の監視命じられてんじゃ無いの?」


「まっ、誤魔化すのは無理そうね。例え探り入れてるだけだとしても、この子確信してるもの。そうでしょ?」


「まあね」


「・・・・・・はぁ、まあそう言うこった。とはいえ俺達はお前さんの事自体は疑っちゃいねーよ」


「そうなの?」


「ええ、例えモンスターだとしても転生者なら大丈夫でしょ。元々人間だって一枚岩じゃ無いんですもの」


「だな。とはいえ一応聞いておくが、お前さん等は人間の敵か?それとも味方か?」


「どっちでもない。強いて言えば、今この場ではアレクトラの味方だ」


「正直だな嬢ちゃんは・・・・嘘でもこの場では人間の味方って言うべきじゃねぇのか?」


「嘘をつけば分かるでしょ?」


「ふふっ、そうね。本当に面白い子だわ。どう?貴女達全員私のクランに入らない?」


「「「えっ?」」」


「オイオイ!勝手に勧誘始めるなよ!どうだお前さん等黒龍連合もしくは刻炎に入る気はねぇか?」


「目的は勧誘?」


「ああ、その通りだ。じゃなきゃ誰があんな陰険の依頼受けるかよ」


「そうね。私達の団員をいやらしく見てくるあんなのとは、出来れば係わりたく無いもの」


「あのハゲか」


「「そうだ(そうよ)」」


(チッ!あのハゲ、今度残りも完全に抜いてやる)


「しかし、何で私達なの?もっと活躍してるのは居るでしょ?」


「貴女本気?」


「???」


「少し調べりゃコルクルの件に、嬢ちゃんが係わってるのはすぐ分かる。あの都市でコルクルのやっていた事を知らない奴は居ないからな。それだけで嬢ちゃんの事は信用できる」


「それに今回の件で、十商と女王に繋がりを得た貴女は、あの都市では私達以上の人物なのよ」


(ハクア様、彼等は恐らく私の事も知っています。だからこそアリスベル内での発言力を高める為に、近付いて来たと言うのも在るんでしょう。単純に貴女を率いれたいのもあるのでしょうが、今やハクア様はギルドよりも発言力が在りますからね)


(ふむ、メンドクせ~)


「私はクランにも連合にも入る気無いよ」


「良いのか?俺が言うのも何だが、恩恵はどっちに入っても色々あるぞ?それに嬢ちゃんがモンスターでも、俺達に手を出そうとする奴はなかなか居ないからな」


「だとしても、一時的にだったらまだしも、永続的に人の下に居るのはしょうに合わない」


「なるほど、じゃあダメだな。まあ、元から勧誘出来るとは思って無かったがな」


「そうね。もし同じ仕事をする時はよろしくね」


「こちらこそ。と、そろそろ終わりそうかな?」


「だな。嬢ちゃんはどう見る?」


「最悪のパターンはギルド長が拐われる事かな?」


「どう言う事ですかご主人様?」


「そうだよハクア。何で拐われるなの?殺されるとかじゃ無いの?」


「そうだな。これが個人間のいさかいなら、人を拐ったら世話や移動が面倒だから邪魔になるけど、あの規模の団体ならその面倒が少無いからね。更に殺すだけならわざわざ追い掛ける必要は無いけど、拐われたら追い掛けて助けに行かなきゃ行けなくなる。だってそうしなきゃアリスベルのギルドを敵に回すし、最悪それだけなら良いけど、この世界の全部のギルドを敵に回す可能性も在るからね」


「う~む。確かにそうじゃな」


「しかも、ちゃんと人質としての効果も在るからね。そこまでいけば本当に厄介だよ。ハゲなら確実に見捨てられるのに」


「確かにその通りだな」


「そうね」


「先輩、だったらやっぱり助けに行くべきなんじゃ?」


「駄目だよ。先から話ししながら見てるけど、相手の方が一枚上手だ。フープの鎧を着込んでる奴も居れば、私達と同じ様な恰好してる奴も居る。お陰でこの暗い中敵味方の区別がついてない。何せ敵を囲んで倒そうとしてる中にも敵が紛れ込んでるんだからね。気を引いて引き付ける役と、奇襲役の二種類をこの暗闇、乱戦の中じゃ皆分かんないよ」


「じゃあどうすれば」


「待機、それ以外は無理。むしろ今は動かず相手が引いた後に、素早く動ける様にするべきだよ。どうせそろそろ引く頃だしね」


「ほう、流石だな嬢ちゃん」


「そうね。本当に低ランクなの?」


「下っ端です」


 ハクア達がそんな話しをしていると、次第に戦闘の音が少なくなり、相手が引いて行く。戦場になった陣は正しくハクアが言った通りになった。


 すると、ジャックとメルそれぞれに誰かが駆け寄り、耳打ちをして去っていく。


「ハクアちゃん、残念ながら貴女の想像通りになったわ」


「ギルド長が拐われたの?」


「ええ、それと一緒に居た秘書の子も。私達以外の冒険者も壊滅的らしいわ」


「うわ、最悪」


「因みにもう一つ悪い報せだ」


「何?ギルド長の代わりの副ギルド長使えないの?有能そうに見えたけど」


「残念ながら指示を出すのは副ギルド長じゃない」


「はっ?ギルド長の次に権力在るんでしょ?」


(副ギルド長何だし?)


「いや、あのギルドでギルド長の次に発言力が在るのはゲイルだ。そしてそのゲイルからの指示でこのまま直ぐに敵を追えだとよ」


 その言葉を聞いたハクアは膝から力が抜け、絶望にうちひしがれた。


「本当・・・・・最悪の展開だわ・・・」


「「全くだ(全くよ)」」

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