ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

お前の毛根を根絶やしにしてやる!

「お前が小娘か?」この一言に対して、私がどう返した物かと考えていると、一緒にいた瑠璃は躊躇する事も無く。


「はい。ハーちゃんはハーちゃんですよ。種族としてはモンスターさん何で、進化したらこうなりました」


 おふ!それ普通に言うの?!あぁ、案の定ざわつき出したよ。どうすんのこの空気!!


「き、貴様!モンスターと言うのは本当か!?」


 適当に誤魔化すって無理だよね?


「・・・・・転生者のモンスターね」


「転生者の?そうか、ルーリン君と馴染みなのだから当たり前か」


「そうそう」


「何を悠長な事を言ってるんですか!こいつはモンスター何ですよ!?きっと人類を根絶やしにする積もり何だ!」


 どっからきたよ、その考え。


「そんな積もりは無いよ」


 面倒くさいもん。


「そんな口から出任せ言った所で私は騙されんぞ!」


「いや、だから・・・・・」


「黙れこのモンスターめ!」


「ああ良いよ、そこまで言うならやってやる!」


「は、ハーちゃん!?」


「ご主人様!?」


「ふん、遂に本性を現したな!やはり私こそ正しかったのだ!さあルーリンさん!その様なモンスターの近くに居るのは危険です早くこちらへ!」


「好きにほざけ。だけど、人類を根絶やしにする何て面倒くさい事はしないからな!その代わりお前の毛根を根絶やしにしてやる!」


「はっ?いや、待て。何でそんな話しに」


「うるさい。その最後の砦の様に守ってる毛根引き抜いてやる!」


「ちょっ!待て。待ってくれ。来るな!か、体が動かん!や、止め、ギャァァァァァア!」


 その日、何かをむしる様な音と共に、悲痛な叫びが木霊したとかしないとか?私は知らん。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
「そ、そろそろ話しを聞いても良いかな?」


 私が引き起こした惨劇を目撃した事で、ギルド長は若干及び腰になりながら話しを続ける。


「良いよ。とはいえ私よりもヘルさんの方が説明は良いよね。お願いして良い?」


「わかりました」


 ヘルさんがギルド長に説明し始め、私は何時もの様に所々注釈をいれながら話しを進める。因みに、私が画策したアレコレに関しては勿論話していない。何か疑ってたけみたいだけど証拠なんて残してないしね。立証出来ない事をとやかく言われるのは侵害ですよ?


「つまりは、偶然が重なった・・・・と?」


「その通り」


「ここまで都合よく事が運んでかい?」


「そう。全てたまたま、偶然、運命の悪戯。怖いよね?運がよかったよ」


「はぁ、わかった。王や十商まで納得しているなら、私が言える様な事は無いからな」


「かもね」


「ふう、取り合えず君達にも話しておこう、約一週間で魔族討伐作戦が始まるが、その前に一つ、問題が起こったんだ」


「面倒な話ならパスで」


「まあ聞いてくれ。取り合えず今回の作戦の概要は簡単に言うと、アリスベルとフレイスの中間に在るここ、リクレス領のエルマン渓谷内の砦に居る魔族を、両側から挟撃する作戦だ」


「本当に中間辺りですね?」


「アレ?リクレス領って、確か勇者召喚した国がある所でしたよね?」


「あぁ、だが勇者召喚には成功したらしいが、その勇者は居ないらしい」


「どう言う事?」


「それが今回の本題だ。更にここを見てくれ。アリスベルからエルマン渓谷に行く近くにあるここが、リクレス領を納めているフープと言う国だ」


「その国が何か?」


「実はオームが召喚した勇者に乗っ取られたらしい」


「「「・・・・・・・は?」」」


「更にはエルマン渓谷にいる魔族と協力関係にあるらしいんだ」


「・・・・マジかよ」


「あぁ、信じがたい事にな」


「情報源は?」


「それは私です」


 私がギルド長に尋ねると、執務室の奥の扉から私の言葉に答えが返って来る。そして答えたのは、水色の髪推定年齢12歳前後の女の子だった。


 これは、今までと違う感じの美少女!?あ~、何か後ろにもいるけどまあ良いや。


「初めまして、わたくしはリクレス領を納めるフープ第2王女アレクトラ・サンドライトと申します。後ろに居るのが私の従者クシュラです」


「先の情報は彼女から?」


「そうだ」


「どうか私の話しを聞いて下さいませんかハクア様」


「どうして私の名を?」


 そこから彼女が語ったのは、勇者と出逢い、この場に居合わせるまでの経緯だった。



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